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■田村佳津子個展「ふわふわとひらひらと」(2018年10月23~28日、札幌)■田村佳津子個展「ふわふわひつじが1ぴき2ひき」(2018年10月20~28日、札幌)

2018年11月08日 20時54分41秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の田村佳津子さんは1960年代からさまざまなグループ展や個展などで活動してきたベテラン。
 昔はどんな絵を描いていたかわかりませんが、少なくとも1990年代末からは近年のような、花びらを思わせるほぼおなじ大きさの形状が画面全体(カンバスの側面も)を覆い尽くす絵画を描いています。

 1999年には道立旭川美術館が「ふわふわワンダーランド」というユニークな展覧会を企画しましたが、杉田光江さんや藤井葉子さんと並んで田村さんが大活躍の展示だったと記憶しています。
 また、2008年には、札幌芸術の森美術館のグループ展「SAPPORO IS WHITE」にも出品していました。
 近年の個展は2010年にギャラリーエッセ、13年にCAI02がありますが、今回のように、2カ所同時というのは珍しいです。

 田村さんの作品は、色彩の薄さが特徴ともいえますから、写真に撮ってもはっきりとはしません。
 以前は、それぞれの花弁にピンクや薄紫の色がついていました。
 しかし目をわずらって、それらの色が見えづらくなってしまったそうです。その結果、近作は、花びらの形だけとなり、ますます写真では分かりづらいものになっています。
 機会があったらぜひ本物を見てほしいと思います。

 作品は題がなく、側面にも模様が続いていることをも考え合わせると、表象でありながら、モノとしての性質も持ち合わせているともいえそうです。

 今回、田村さんが新たに取り組んだのが刺繍 し しゅうです(先の画像では右側)。
 紅葉などが色鮮やかな糸で浮かび上がっています。



 ただ、これも撮影するのはなかなか難しかったです。


 さて、もう1カ所は、JR桑園駅の近くにある飲食店の「インソムニア」です。
 古民家リノベーションのお店で、落ち着いたレトロな雰囲気のなかでパスタやグリーンカレーなどを味わうことができます。

 1階に6点、2階に9点、色のないキャンバスの作品が展示されていました。

 こちらには、刺繍の作品はありませんでした。

 

 おもしろいのは「ふわふわひつじが1ぴき2ひき」という個展タイトルで、たしかに田村さんの絵はそのようにも見えるのですが、それが含意するところが、会場の名前と正反対であることです。
 Insomnia とは「不眠症」という意味なのです。



 最後の画像は、2階にあった作品のうちの1枚です。



田村佳津子個展「ふわふわとひらひらと」=2018年10月23日(火)~28日(日)午前11時~午後7時、月曜休み
TEMPORARY SPACE(札幌市北区北16西5)

田村佳津子個展「ふわふわひつじが1ぴき2ひき」=2018年10月20日(土)~28日(日)午前11時半~午後11時(最終日~5時)、月曜休み
CAFE & DINING BAR Insomnia(札幌市中央区北10西16)


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