台湾ワン!(Taiwan One!)

台湾にまつわる様々な話、中国語教室の出来事、日々の生活...

「進」って二次元?三次元?何次元?

2021年01月20日 | こう言うんだ!~リアルな中国語
以前、「入ってくる」の中国語がどうしても思い浮かばない生徒がいた。

「『お入りください』の中国語が『請進』なのは知ってますよね?」と誘導しても、一向に答えが浮かばない。とうとう時間切れとなり、「『進來』ですよ」と正解を提示しても、「『進』が『入る』ってどうしてもピンときません。『進む』としか思えません」とのことでした。

辞書を調べたところ、日本語の「進」は「前へ出る、のぼる、向上する」など、二次元空間の移動。

対して、中国語の「進」は、
①二次元空間の移動:向上或向前移動。相對於「退」(上、または前方へ移動、『退』の逆)
②三次元空間の移動:由外入內。(外から内へ移動)

なるほど、ピンとこない理由がこれだったのね。つまり、両言語の「進」が完全一致とはいかず、日本語が二次元のみで、中国語は二次元と三次元なのだ。

そういえば、「海外に進出する」という日本語があるよね。中国語にも「進出」の語があって、意味は「往來出入(行き来し、出入りする)」。わたしは長い間「海外を出入りする」(双方向移動)と解釈していた。

生徒きっかけで、ちゃんと日本語の辞書を引いた。「進み出ること。その方面にまで広がり出ること。」(一方向移動)と書いてあった。なんと、わたくし、勘違いして生きてきた。どっか穴ない?

ちなみに、「〇〇に進出する」の中国語訳で、「進」の字を使用するパターンとして「前進/進軍/打進/進入〇〇」などが挙げられる。そのうち、「前進/進軍」が二次元、「打進/進入」は三次元の語感を持つ。

今回の教訓:
いくら字が同じでも、所詮外国語。横着せずに、ちゃんと意味を確かめたうえで使いましょう。

台湾華語・台湾中国語は任せて!台湾人による中国語教室・翻訳・通訳サービス T-Chinese
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする