森信雄の写真あれこれ

日々の生活や散歩、旅の写真を掲載しながら、あれこれ思いを語ります。

中山寺のネコ

2005-11-30 22:07:40 | 動物と花
寒い一日だった。午後に中山寺に行く。ちょうど七五三でおめかしした子ども連れの親子がちらほら見られた。
 冬の夕方の光線は柔らかくてやさしい。物が映えて、独特の風景を見せてくれるように思う。境内の奥の梅林に行く手前の広場に、ネコが数匹たむろしていた。
 このネコは異彩を放っていた。兄弟らしきネコは人懐っこくて、足元に寄ってきたが、このネコは数メートルの距離を置いてたたずんでいた。鍛え上げた不良ズラといったら可哀想だろうか、私好みのふてぶてしい面構えだ。
 最近はネコ世界に入ったようだが、ほれぼれしながら見る。でもこの風体だと人様には可愛がられそうにないかなあ。
 
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黒ラブ

2005-11-29 22:10:58 | 動物と花
 中学の頃に新聞配達をしていて、いちばんイヤだったのが犬に吼えられること、追いかけられることだった。いつもの時刻にいつもの家でやられる。ある日、意を決して反撃に出た。吼えながら追いかけて来る犬の逆手を取ったのだ。ワンワンと大きな声で吼えながら向かって行くと、犬はびっくりして逃げていった。いざというときのために掴んでいた小石を置きながら、ほっとした。
 しかしその頃のトラウマだろうか。大きな犬を見ると腰が引けるのだ。やさしい犬とわかっていても、自分がいざというとき闘って勝てそうに無い犬に近寄ることがどうしても出来ない。
 黒ラブの顔は恐い。優しい性格としても、おどおどしながら写真を撮る。ウワンと一声吼えられた。「こらっ、コソコソすんな!」と言われたのだろうか。
 
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3彩TEN

2005-11-28 23:18:02 | 日々の写真
堺市の宿院にあるギャラリーいろはにで「3彩TEN」を見に行く。高橋知也さん(人物)横山国士さん(風景)上田晃生さん(花)の個展である。高橋さんは喫茶ジャルダンのころに将棋教室も開かれ、また桑原しんいちさんのライブではいつもお目にかかっている。絵を描かれることは全く知らなくて、どんな絵か興味深々で出かけた。ギャラリーで横山さんに一枚一枚の風景画の懇切丁寧な解説をお聞きする。切り絵のような明快な美、独特の雰囲気があった。
 高橋さんの絵を初めに見たときはびっくり仰天した。お人柄からは想像も付かない自由奔放な色彩で、芸術家むき出しのおおらかな大胆さ?を感じた。でも何度も見ているうちに、絵の中の世界が普通に見えてきたのも不思議だった。年齢と共に澱んでいる自分の感性に、喝を入れられたような気がする。(これからコソコソ絵を描いてみようかな・・)
 「みんな絵の先生がいないので、自由に描けるからいいですよ。」
 写真の絵をじっと見ていると、秘かな可愛さと美しさが見えてきた。
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宝塚のネコ

2005-11-27 22:26:38 | 動物と花
宝塚の小林(おばやし)の住宅地の片隅にいたネコ。これもまた厳しい目つきで堂々たるものだ。威風堂々の気品のあるネコ君である。
 動物の写真を撮るときは、目にピントを合わすというか、目を見て無言のメッセージを送るのだ。ただし、動物と目が合うと喧嘩を売っていることにもなり兼ねないので、要注意でもある。
 目を合わさないように、目を見る呼吸だろうか。だから私が撮ると、恐い目線のネコの写真になるのかもしれない。
 動物の射るような目線には、動物達の掟を守る真剣さを感じる。笑うことなど必要が無い。愛想笑いは人間特有のものだ。そんな割りに、ネコ達は愛嬌もある。
 ネコのいる風景は、人を写してなくても人の息吹も伝わってくるのだ。
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宝塚の白い雲

2005-11-27 00:41:18 | 日々の写真
宝塚に移り住んで11年になる。その翌年の震災のときは駅の近くのマンションの5階に住んでいた。これは毎日ベランダから空を眺めては、ときどき写真を撮っていた中の一枚だ。
 世の中は何が起きて、自分がどうなるか予測もしない運命に出会うこともある。
 年の暮れや正月近くになると、どうしても阪神大震災の記憶が蘇る。その前夜私は対局で東京にいたが、何故か明け方まで眠れなかったことが不思議だった。数年来、そんな緊張感を持ったことが無かったからだ。
 一時間くらいウトウトして朝を迎えた。それからのことは悪夢だった。そして深夜に対局が終わり、事務局の人が真剣な表情で「ちょっとお話が」と言われた瞬間、弟子の船越隆文君のことだとわかった。「亡くなったそうです」と言う言葉も空ろに聞いていた。
 東京に遠征の前の日の午後、船越君が私の忘れ物を届けに来てくれた。あわてていたので「ご苦労さん」と声を掛けたのが最後となった。
 「もう弟子は取らない」そう決めて数年経ち、あるときに船越君のお母さんから「隆文のためにも、弟子を取るのを辞めないで下さい」何かのときにそう言われて、はっとした記憶がある。
 一生消えることの無い悔いを背負うしかない。そう思ってから、また弟子を取ることに決めた。
 そんな思いで弟子を預かっているのだが、がっかりさせられることが多くて悲しくなって来る。
 この写真を見ながら、それでも悔いを背負って生きていくしかないと思う。
 
 
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今井町のネコ

2005-11-25 21:14:41 | 動物と花
奈良の今井町に行ったときの写真。ネコが気持ち良さそうに塀の上で昼寝をしていた。くしゃくしゃの顔になりながら、半分寝ぼけているのだろう。
 ネコは気ままである。寝ぐらと食料さえ確保できれば、そのへんをほっつき歩くことも自由だ。のんきなネコに出会うとほっとさせられる。
 日なたとネコはいい風景を作り出す。
 二日続けて明け方まで起きていたので、今日は昼寝をしてしまった。散髪に行くと、案の定「やっときたね。サラリーマンなら首だなあ。」それから30分、やんわり目の説教を聞きながら、またうたた寝してしまう。
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特別篇<将棋愛好者の集い>

2005-11-25 10:58:18 | 将棋あれこれ
西成の労働福祉センターから「将棋愛好者の集い」のスナップ写真が送られて来ました。11月14日開催でした。
 胸がジーンと来る内容でしたので、お手紙を紹介させていただきます。

「前文略。多面指しで先生のご指導を受けた方の何人かは、野宿を余儀なくされている方々です。彼らにとりましても、日頃の腕自慢を試す絶好の機会を得、生涯忘れることができない思い出と、楽しいひとときを持つことができたのではないかと思います。本人達に代わり重ねてお礼を申し上げます。
 景気が回復基調にあるとはいえ、地域はごらん頂いたとおりの大変な状況にあります。しかし、一方で路上に座り、紙で作った将棋盤を囲み楽しんでいる姿もよく見かけます。将棋への根強い人気と文化を感じます。
 野宿していても、いやしているからこそ、文化的、精神的なものへの要求は強くなるのでしょう。こうした期待がある限り、この愛好者の集いは続けていきたいと思っています。今後とも将棋を楽しむ方々へ夢と希望を送り続けていただき、引き続きご指導いただければこの上ない喜びです。以下略」
 ☆イラスト=阪田三吉にそっくりです。さすがですね。
毎年、私の方も行くのを楽しみにしているイベントです。
 
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憤怒のネコ

2005-11-24 23:54:40 | 動物と花
私の撮るネコはどうしてこうも恐い表情なのだろう。このネコもまるで親の仇に出会ったような、凄い形相である。
 どこだったか自信はないが、多分福井県の三国に行ったときの写真だと思う。
 写真がその人となりを映すのだとしたら、私は一体どんな性格なのだろう。きっと人間も、復讐や怒りに燃えると、こんな凄い形相をするときがあるはずだ。
 このネコは私に向かってにらんでいるわけでは無さそうだ。動物の真剣な眼差しは、迫力がある。遠慮会釈無く「叩きつぶすぞ!」と目が語っているようだ。
 のんきなネコの写真を撮る日が来るのだろうか。不安になった。
 「手前ら人間じゃない、たたっ斬ってやる!」萬屋錦之助の「破れ傘刀舟」のお得意のセリフだった。
 
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トビオとラッキー

2005-11-23 20:39:59 | 動物と花
左がパグの「トビオ」で、右が柴犬の「ラッキー」である。「クロ」が来る前にちょうど我が家には、この二匹の犬がいた。ラッキーが幼い頃は蜜月時代だったのだが、大きくなってくると微妙に勢力地図が変わってきた。その内後輩のラッキーが下克上を起しそうになったが、プライドの高いトビオは喧嘩に負けても許さなかった。クロも来て、ニワトリもいて、ウサギもいて、我が家の庭は戦国時代そのものだった。ニワトリの「ハッチ、ポッチ」のコンビが一番強かった。
 終止符を打ったのは、トビオが血だらけになってもトップの座を許さない姿を見たときだった。もう限界と思い、ラッキーを義父のところに里子に出した。
 もともとペットショップの人も「パグと柴犬ねえ。けっこう大変ですよ」と言われていたのだが、A型とO型の差のようだ?
 トビオは常に勝手気ままだが、犬には思えないような人間臭さがある。たまに散歩中に顔を合わしそうになると、トビオは負けを覚悟の戦いを挑みそうなので、そっと離してやる。今風の男よりも男っぽいのだ。
 ラッキーは静かな犬だ。義父の家に行くと、そっと私をつついてソファーに上がって来て、横に寝転ぶ。何故か不思議に、いつも右の前足でつついて来る。
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伊豆の夕日

2005-11-22 22:01:43 | 旅の写真 国内篇
伊豆に行ったときの夕日だ。伊豆の民宿で働いていた友人のUさんと、ドライブに出かけ、あまりに見事な夕景に車を止めてもらった。
 日の出と日の入りの太陽は厳粛な気分になるが、朝日が希望の光なら、夕日は移ろいゆく日々の悲しみの色だろうか。
 饒舌な人の言葉には、空(くう)の世界がない。身勝手な人の言葉には虚が見え隠れする。空虚というものは、現実の世界で金銭や名声を得る裏返しのものなのだろうか。
 自分はどうだろう。未練に手を伸ばし足を付け、諦観に水を浴びせられているような世界を行ったり来たりしている気がする。
 Uさんは数年後にインドネシアのバリの人と結婚して子どももふたりいて、今は日本とバリの半々の生活をこなしている。
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中国、ロバ車の家族

2005-11-21 20:53:26 | 旅の写真 外国篇
中国シルクロードのひとり旅をしたことがある。1ヶ月くらいを列車に乗り継いで、移動して行った。20時間以上列車に乗るとさすがにぐったりで、大きな町で降りて三,四泊して次に向かう。宿とチケットは何とかなるものだ。
 この写真は旅の終わり頃で、ロバ車に乗って帰宅する家族のシーンだ。子ども達の屈託のない笑顔が印象的だ。人が生きていく環境は選ぶものなのか、与えられたものなのか、旅をしながらそんなことを考えていたように思う。1ヶ月はあっという間に過ぎた。帰りたくないなあ・・帰りは飛行機でないと間に合わなくて、チケット売り場に出向くがなかなか取れなかった。三日目にかろうじてチケットが取れた。ウルムチから上海に向かう。
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白ネコ

2005-11-21 00:15:44 | 旅の写真 国内篇
 横浜の外人墓地のある港の見える公園での写真だ。物思いにふける男と白ネコ。
実はこのシルエットの男は棋士である。昔東京に遠征したときに、対局の翌日、「森先生、連れていって下さい」と横浜まで付いて来たのだ。うっとうしかったのだが、「しょうがないなあ、まあいいか」で男二人の横浜デートだった。
 この棋士は誰でしょう?まず当たらないだろうなあ。答えは書かないことにします。
 私の撮るネコの写真は何故みんな目付きが鋭いのだろう?白ネコは自分の心を映す仮の姿なのだろうか。警戒心が強い割りに、人のそばに行きたがる・・
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我輩はネコだ

2005-11-19 20:36:02 | 日々の写真
横浜だったか鎌倉だったか場所の記憶がない。モノクロのせいだけでもないが、目つきに迫力のあるネコの写真だ。白と黒のきれいな毛並みなので飼いネコだと思うが、野生味もたっぷりで堂々としたものだ。
 我輩はネコである。何か文句があるか!そんな威厳すら感じさせる。
 もともと動物は闘う本能を持ち合わせているのだと思う。生存競争が激しいのは自然の摂理であるかもしれない。気持ちが保守的になる、要するに守りの姿勢になると、どこまでも付け込まれるのが掟のようなものだ。ひるがえって反撃に出ることも必要だ。数日前に「カラス数十羽に襲われた鷲が急転して反撃、身を守った」という記事がでていたように思う。
 惚れ惚れするネコのきつい目線である。
 
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人の下、雲の上

2005-11-18 20:51:28 | 日々の写真
郵便局で80円の記念切手を買いに行ったら「歌劇場の中の郵便局ならあります」と言われた。花の道を通り、バウホールに入ると、急に香水の匂いがしてきたが、郵便局はすぐにわかった。ついでにホール内のみやげ店を見学。華やかな宝塚歌劇のスポットを浴びたスターの勢ぞろいだ。ポスター、写真、ハガキ、いろんなグッズがあって、場違いとは思いながら見とれてしまった。
 「スターは人の下にいて、雲の上にある」今私が作った言葉だ。宝塚歌劇の世界は夢を売ることに徹する素晴らしさを魅せている。
 私はヅカファンではないが、プロ意識そのものの世界はいいなあと思う。現代は表に出る出ないは別にして、計算高くせちがらいものが多すぎる。プロのスターは虚像のままでいいのだ。夢を売る仕事は「人の下、雲の上」にいないといけないと思うのだ。
 
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野良ネコ兄弟

2005-11-17 22:38:22 | 日々の写真
ネコの兄弟だろう。茶色の毛並みと鋭い視線が、野良ネコのたくましさと悲哀を感じさせる。このときもそうだった。人懐っこい面を秘めながらも、周囲に敏感に耳を澄ませ、いつでも臨戦態勢に入る準備をしながら、のんきにひなたぼっこもしていた。遠足の子どもたちの集団が来ると、いつのまにかどこかに消えていた。
 ネコはその根底にかなりな我侭さを持ち合わせながらも、人の愛情の深さをいつも探っているようだ。甘え上手だが、本質はさみしがりなのだろうか。
 私はネコの身勝手さが苦手だが、野良ネコに対してはひと味違う興味はある。どこで寝泊りして、餌はどうしているのだろう、雨の日はどこで雨宿りするのだろうと考えて、たくましく暮らせよと応援したくなる。でも人間社会の世間一般では、野良ネコは、はぐれ者である。そばに優しい人がいないと、たちまち食いっぱぐれて、のたれ死にも待ち構えているのだろう。他人事と思えない、そんな感性が私の根底にもあるように思う。
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