前回はかつてフィリピン国鉄の終点の駅であり、Mayon Volcanoの街であるLegazpiについて報告しましたが、本日はLegazpiからジプニーで現在のフィリピン国鉄の終点であるLigaoまで戻り、Ligaoからキハ52新潟色によるMayon Limited OrdinaryでマニラのTutubanまで簡単にご紹介します。
4月9日、我々はMayon Volcanoを見渡すことができるLignon Hill、Cagsawa Ruinsを散策し、遅い昼食をとったのちLigaoに18時頃到着しました。
駅に到着するとMayon Limited Ordinaryに充当される新潟色のキハ52は既に乗車が開始されており、ボックスシートはほぼ埋まっておりました。こんなに乗客がいるとは思ってもいなかったのですが、その列車の最後部の車両に幸運にも2つだけ空いていたボックスシートのうち1つを占領して、駅本屋で切符をまず購入することにしました。
8日、Legazpiへ行く前にLigaoの駅員が言うとおり夕方18時までに来れば、これから乗車するMayon Limited Ordinaryの切符を問題なく購入できるものだと思っていたのですが、切符を購入しようと駅員に尋ねてみるとこれが「今日のMayon Limitedの切符は売り切れてしまったので売れません」との返事があり、駅員の言っていることが昨日とは矛盾していました。私は「昨日、あなたが18時に来れば切符を購入できると言ったから、それを信じて18時に戻ってきたのだし、購入できなければ日本へあさってに帰れなくなる」と応酬しました。すると駅員は「今日の朝、Naga駅から連絡があり、切符の販売枚数が割当てられてしまって、もうこれ以上は売れないし、急に決まったことなので対応ができない」とのことでした。私はこれ以上、駅員に何を言っても売れないものは売れないんだろうと思い、この列車に乗務する車掌を見つけて話しをしてみることにしました。車掌はサリサリストアー(ソフトドリンクやスナックなどが売られている雑貨屋)の前で一服しているところを見つけ、早速、交渉してみると、車掌は「そういうことであればあとで切符を車内で売りますので乗車していいですよ」と何とも紳士的に対応していただきました。
私はフィリピンと関わって20年ちょっとですが、フィリピンではこのようなことはよくありがちですし、8~9割ぐらい何とでもなるところがありますので、このようなことはサバイバルゲームのように楽しんでいますし、フィリピンで暮らしていくにはある程度、狡賢い考え方がなければフィリピンとうまくやっていけないものだと感じております。
とりあえずは一安心といったところで、連れの仲間にあとで車掌から切符を購入できることを告げ、ボックスシートに腰掛けました。
19:15、キハ52新潟色の4両編成、Mayon Limited OrdinaryがLigaoを定刻に発車すると、続いてPolangui、Iriga、Piliとある程度大きな街に停車しました。各駅では降りる人は皆無で、乗車する人は空いている席に腰掛け、Nagaに到着する頃にはほぼ席が埋まっていました。おそらくNagaではたくさんの人が乗車し、空いている通路などに腰掛けてしまいトイレには行けなくなるから、連れの仲間に「今のうちトイレに行っておいたほうがいいよ」と告げておきました。
Nagaには約15分遅れの20:46に到着すると、私の思っていたようにたくさんの乗客が空いているスペースを争い、車内は一瞬のうちにかつての165系大垣行き夜行列車のように足の踏み場もないくらいの人でごった返しました。Naga駅で写真撮影や予備用のミネラルウォーターを購入しようと思っていたのですが、車内を移動するにも大変ですし、出発時刻の20:45も過ぎていたので断念することにしました。結局、Nagaを出発したのは約25分遅れの21:08でした。
列車は8日に乗車した国鉄色キハ52Ligao行きのような豪快なスピードは出さず、夜間で見通しが悪いのか60km/hぐらいのスピードで進み、ある程度大きな駅であるPamplona、Libmanan、Sipocot………と停車しましたが、徐々に遅れが広がっていきました。
Hondaguaには夜が更けた1:15(定刻12:33)に到着し、この駅でマニラから来たソロ増結のBicol Exp.も同時に到着し、3分後の1:18に発車していきました。我々の列車は1:26、Hondaguaを出発し、次のGumacaに定刻よりも1時間遅れの2:05(定刻1:07)に到着しました。この駅でもMayon Limited De Luxeに充当された「こがね」と交換しました。
車内はクーラーがなくても少々暑い程度で、走っている時は風を感じていいのですが、やはり夜行の大垣行きといっしょで165系のようなシートでは私のような少々神経質なものでは熟睡することは疲れていても難しく、駅に停車するたびに目が覚めてしまいました。(私の連れ仲間は熟睡している感じでしたが)
ましてや通路まで人であふれており、写真を撮りたくても全くできず、私にとっては楽しいはずのキハ52の旅も不完全燃焼といったところでした。
神経質な私でもGumacaを出発するといつのまにか相当疲れていたのか睡魔に襲われ、気がついてみるとAgdanganでした。ここでは臨時列車に充当された国鉄色のキハ52が遅れたおかげで交換できず1時間ほど停車し、既に2時間遅れの4:09(定刻2:05)に出発しました。
Lucenaには夜が明けた5:24(定刻3:09)、San Pabloには6:11(定刻3:46)、Calambaには6:58(定刻4:17)に出発し、遅れがみるみると広がり3時間近くにもなりました。
Alabangに到着すると降りる人もある程度見られ、すし詰め状態が少々解消されました。
Alabangで10分ほど停車したのち7:53(定刻4:49)に出発し、特に回復運転に努めることもなく、相変わらず60km/hぐらいのスピードで走行しました。Pasay Roadに到着するとやはり多くの人が降車し、車内は全員が着席できるような状態になりました。
マニラの母なる川Pasig River(上の写真)を渡るとEspana、Blumentrittに停車し、多くの人が降車し、下の写真のように終点Tutuban到着寸前では今まで混んでいた車内が嘘のようにガラガラになりました。
結局、終点Tutubanに到着したのは8:52(定刻5:30)で、約3時間20分の遅れになりました。
体力があるものでもなく、そんなに若くはない私にとってほぼ半日の旅はしんどいもので、ましてやすし詰め状態の列車でしたら、次回は乗車することをやめておこうかと思ったしだいです。
今回、乗車しましたMayon Limited Ordinaryの時刻表と運転日についてはPNRのウェブサイトに記載されていますので、体力、興味のある方は是非参考にしていただき、お試しいただければと思います。
なお、この編成は以下のとおりです。
Tutuban←キハ52-121+キハ52-102+キハ52-123+キハ52-120→Ligao
4月9日、我々はMayon Volcanoを見渡すことができるLignon Hill、Cagsawa Ruinsを散策し、遅い昼食をとったのちLigaoに18時頃到着しました。
駅に到着するとMayon Limited Ordinaryに充当される新潟色のキハ52は既に乗車が開始されており、ボックスシートはほぼ埋まっておりました。こんなに乗客がいるとは思ってもいなかったのですが、その列車の最後部の車両に幸運にも2つだけ空いていたボックスシートのうち1つを占領して、駅本屋で切符をまず購入することにしました。
8日、Legazpiへ行く前にLigaoの駅員が言うとおり夕方18時までに来れば、これから乗車するMayon Limited Ordinaryの切符を問題なく購入できるものだと思っていたのですが、切符を購入しようと駅員に尋ねてみるとこれが「今日のMayon Limitedの切符は売り切れてしまったので売れません」との返事があり、駅員の言っていることが昨日とは矛盾していました。私は「昨日、あなたが18時に来れば切符を購入できると言ったから、それを信じて18時に戻ってきたのだし、購入できなければ日本へあさってに帰れなくなる」と応酬しました。すると駅員は「今日の朝、Naga駅から連絡があり、切符の販売枚数が割当てられてしまって、もうこれ以上は売れないし、急に決まったことなので対応ができない」とのことでした。私はこれ以上、駅員に何を言っても売れないものは売れないんだろうと思い、この列車に乗務する車掌を見つけて話しをしてみることにしました。車掌はサリサリストアー(ソフトドリンクやスナックなどが売られている雑貨屋)の前で一服しているところを見つけ、早速、交渉してみると、車掌は「そういうことであればあとで切符を車内で売りますので乗車していいですよ」と何とも紳士的に対応していただきました。
私はフィリピンと関わって20年ちょっとですが、フィリピンではこのようなことはよくありがちですし、8~9割ぐらい何とでもなるところがありますので、このようなことはサバイバルゲームのように楽しんでいますし、フィリピンで暮らしていくにはある程度、狡賢い考え方がなければフィリピンとうまくやっていけないものだと感じております。
とりあえずは一安心といったところで、連れの仲間にあとで車掌から切符を購入できることを告げ、ボックスシートに腰掛けました。
19:15、キハ52新潟色の4両編成、Mayon Limited OrdinaryがLigaoを定刻に発車すると、続いてPolangui、Iriga、Piliとある程度大きな街に停車しました。各駅では降りる人は皆無で、乗車する人は空いている席に腰掛け、Nagaに到着する頃にはほぼ席が埋まっていました。おそらくNagaではたくさんの人が乗車し、空いている通路などに腰掛けてしまいトイレには行けなくなるから、連れの仲間に「今のうちトイレに行っておいたほうがいいよ」と告げておきました。
Nagaには約15分遅れの20:46に到着すると、私の思っていたようにたくさんの乗客が空いているスペースを争い、車内は一瞬のうちにかつての165系大垣行き夜行列車のように足の踏み場もないくらいの人でごった返しました。Naga駅で写真撮影や予備用のミネラルウォーターを購入しようと思っていたのですが、車内を移動するにも大変ですし、出発時刻の20:45も過ぎていたので断念することにしました。結局、Nagaを出発したのは約25分遅れの21:08でした。
列車は8日に乗車した国鉄色キハ52Ligao行きのような豪快なスピードは出さず、夜間で見通しが悪いのか60km/hぐらいのスピードで進み、ある程度大きな駅であるPamplona、Libmanan、Sipocot………と停車しましたが、徐々に遅れが広がっていきました。
Hondaguaには夜が更けた1:15(定刻12:33)に到着し、この駅でマニラから来たソロ増結のBicol Exp.も同時に到着し、3分後の1:18に発車していきました。我々の列車は1:26、Hondaguaを出発し、次のGumacaに定刻よりも1時間遅れの2:05(定刻1:07)に到着しました。この駅でもMayon Limited De Luxeに充当された「こがね」と交換しました。
車内はクーラーがなくても少々暑い程度で、走っている時は風を感じていいのですが、やはり夜行の大垣行きといっしょで165系のようなシートでは私のような少々神経質なものでは熟睡することは疲れていても難しく、駅に停車するたびに目が覚めてしまいました。(私の連れ仲間は熟睡している感じでしたが)
ましてや通路まで人であふれており、写真を撮りたくても全くできず、私にとっては楽しいはずのキハ52の旅も不完全燃焼といったところでした。
神経質な私でもGumacaを出発するといつのまにか相当疲れていたのか睡魔に襲われ、気がついてみるとAgdanganでした。ここでは臨時列車に充当された国鉄色のキハ52が遅れたおかげで交換できず1時間ほど停車し、既に2時間遅れの4:09(定刻2:05)に出発しました。
Lucenaには夜が明けた5:24(定刻3:09)、San Pabloには6:11(定刻3:46)、Calambaには6:58(定刻4:17)に出発し、遅れがみるみると広がり3時間近くにもなりました。
Alabangに到着すると降りる人もある程度見られ、すし詰め状態が少々解消されました。
Alabangで10分ほど停車したのち7:53(定刻4:49)に出発し、特に回復運転に努めることもなく、相変わらず60km/hぐらいのスピードで走行しました。Pasay Roadに到着するとやはり多くの人が降車し、車内は全員が着席できるような状態になりました。
マニラの母なる川Pasig River(上の写真)を渡るとEspana、Blumentrittに停車し、多くの人が降車し、下の写真のように終点Tutuban到着寸前では今まで混んでいた車内が嘘のようにガラガラになりました。
結局、終点Tutubanに到着したのは8:52(定刻5:30)で、約3時間20分の遅れになりました。
体力があるものでもなく、そんなに若くはない私にとってほぼ半日の旅はしんどいもので、ましてやすし詰め状態の列車でしたら、次回は乗車することをやめておこうかと思ったしだいです。
今回、乗車しましたMayon Limited Ordinaryの時刻表と運転日についてはPNRのウェブサイトに記載されていますので、体力、興味のある方は是非参考にしていただき、お試しいただければと思います。
なお、この編成は以下のとおりです。
Tutuban←キハ52-121+キハ52-102+キハ52-123+キハ52-120→Ligao