Asian Railway Plaza

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Bicol Exp.に乗車し、Bicol地方へ

2012年05月01日 00時40分33秒 | フィリピン
昨年6月29日に14系寝台車などによるBicol Exp.が運転再開され、昨年7月に乗車し乗車記を書きましたが、本日は4月訪比の際にもBicol Exp.に乗車しましたので、今回は簡単に報告したいと思います。
今年のホリーウィークは4月1日(日)~8日(日)であり、5日(Maundy Thursday)から9日(Bataan day)まで祝日と土日が続くため、多くの地方出身の方々は故郷へ帰ります。その中、私はGood Fridayにあたる6日にマニラに到着したのですが、この6日はフィリピンでは自宅で慎ましく生活する習慣がありますので、大型の商業施設やレストランなどはお休みでマニラ市内を走るLRTやMRTも運休となります。もちろんフィリピン国鉄もコミュータートレインや地方への列車もお休みとなりますが、次の日の7日には大勢の帰省客がフィリピン国鉄を利用することが予想されていました。
6日にマニラでやむを得ない用事がありましたので仕方ありませんが、次の日の7日に交通機関で移動するには大変さが強いられることは想像できました。訪比する前から7日に列車でBicol地方へ出かけようと思っており、それも私1人だけでなく現地の友人など私含めて計4人(+2歳の子供1人)でした。3月25日頃にフィリピン国鉄の指定券窓口に電話してみるとBicol Exp.の寝台車は「fully booked」との返事がありましたが、そこはフィリピンのことだから何とでもなるだろうということで、知り合いのフィリピン国鉄の方に直接電話してみると「いいよ、切符売ってあげるよ」との返事があり、4人分のB寝台(Family Class)を難なくゲットできました。

7日当日、16時頃Bicol Exp.の始発駅であるTutuban駅へ行ってみると大勢の乗客が待合所で待っていました。地方への切符売場でも切符を購入するため行列ができていましたが、寝台車の切符は問題なく買えたようです。早速、Tutuban駅の南側にあるTutuban Centerで夕飯と夜食などを買い物し、再びTutuban駅へ戻るとBicol Exp.とMayon Limited De Luxe(通常、Tutuban発は月、水、金曜日運行)に充当されるキハ59の「こがね」が入線していました。
Bicol Exp.の編成を早速眺めてみるとソロ1両が組み込まれており、編成は以下のとおりでした。
Naga←DL918+スハネフ14-28+スハネ14-752+スハネフ14-30+オハネ14-89+CAR2(リクライニングシート)→Tutuban


ソロ1両が組み込まれているのであれば、B寝台からソロへ移れないかとマニア魂が漲ってくるのですが、まずは連れの仲間に相談してみるとやはりソロに移りたいというので、切符売場の窓口で聞いてみると判断ができないという返事がありました。ならばBicol Exp.に乗車する車掌を見つけて相談してみると、途中、Alabangまでソロに乗車する人がいるかもしれないので、Alabangを過ぎて乗客がいなかったら差額分(ソロはExecutive Class)を払った上で移っても良いとのことでした。
18時頃、乗車が開始されると私たちもまずはB寝台の指定された場所でおとなしく席に着きました。車内を散策してみるとリクライニングシートで7割程度、B寝台で5割程度が埋まっており、途中停車するEspanaやPasay Roadなどからも乗り込み、最終的にリクライニングシートが満席、B寝台で8割程度となりました。
列車は定刻18:30にTutubanを出発し、マニラの市内をゆっくりと進みました。


普段は停車しないと思うのですが、なぜかEdsaで20分ほど停車し、あとで車掌に聞いてみると冷房装置の調整で停車したようで、昨年7月に乗車した時に比べ車内が寒すぎず適度な温度でした。Alabangに約30分遅れの19:50頃に到着し、ソロの状況を見に行くと空き部屋が多いようですので車掌に聞いてみました。すると「移っていいよ」というので移ることにしたのですが、仲間で乗車しておきながら1人1部屋ではなんとも淋しいものですし、2人1部屋でも十分ですので、2部屋だけ陣取ることにしました。ソロは2階建ての個室になっており、2階のほうがサンルーフのようになっているので2階のほうが眺めが良いのですが、1階に比べ揺れが激しく2階でも大丈夫かなと心配しておりました。それでも出来るだけ揺れの少ない車両中央部の部屋を陣取ったので、揺れは酷くないかと思っていたのですが、Calambaあたりを過ぎた先からジェットコースターのように激しくなり、連れてきた2歳の子供が酔ってしまいました。昨年7月のB寝台利用時はへっちゃらだったのですが、やはり2階ともなると揺れがさらに増幅されるようで、私でさえも乗り物酔いした気分に若干なりかけていました。それでも唯一救いだったのがサンルーフのような窓から見える満月で、月の明かりが真っ暗な部屋の中に射し込んでおり、なんともロマンチックな感じでした。


切符の清算はのちほど行うと車掌が言っていたので起きて待っていたのですが、ウトウトしていた頃、ドアを叩く音が聞こえました。ドアを開けるとやはり車掌で、ソロの利用については原則1人1部屋の利用なので、4人分つまり4部屋分の料金(この場合ソロからB寝台の差額分)を払わなければならないのかと思っていましたが、私たちの場合2部屋分の利用ですので、2人分の差額分(P333×2人=P666)のみで済んでしまいました。
その後も激しい揺れは続いていたのですが、睡魔に襲われ気がついてみたら、どこかの駅に停車していました。


Sipocot手前でハイケンスのセレナーデが聞こえ、車掌がタガログ語での案内を始めると完全に目が冴えてしまいました。
Libmananに5:45頃に到着し、1時間45分ほどの遅れがでておりました。


Libmananを出るときれいな朝日を拝むことができました。


前回と同じように洗面所で頭を洗うと30分ほどで終点のNagaに到着しました。
Nagaに到着したのは6:15で、予定よりも1時間45分ほどの遅れでした。
時刻通りでしたら4:30の到着ですので、もちろん遅れてもらったほうが私のような日本人にとっては何かと都合が良いのですが。
このあとLegazpiまで行くため、続行のMayon Limited De Luxeか土・日曜日に運行されているコミュータートレインで終点のLigao駅まで乗車することとし、ひとまずはNagaで朝食を取ることにしました。
この続きは次回へ。