Asian Railway Plaza

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キハ52国鉄色で終点Ligaoへ

2012年05月03日 01時40分39秒 | フィリピン
前回はBicol Exp.でNagaまで簡単に述べましたが、本日はNagaから現在のフィリピン国鉄の終点であるLigaoまで簡単に述べたいと思います。
Nagaに到着後、乗車してきたBicol Exp. のデルタ線を使った入れ換えの様子を見てても良かったのですが、小さな子供も一緒でしたので駅から1kmも離れていないNagaの中心地で朝食をまず取ることにしました。朝食後、Naga駅に戻ってみるとBicol Exp.の続行列車のMayon Limited De Luxeとして運転されていた「こがね」は残念ながら、出発してしまったようで乗車することができませんでした。時計の針を見ると7時45分でしたので、ならば土・日曜日に運転されている8時ちょうど発のNaga~Ligao間のコミュータートレインに乗車しようというこで、まずは窓口で乗車券を購入しました。私たちが乗車するLigao行きのコミュータートレインは、Naga~Sipocot~Nagaに充当されている白色の12系客車がそのままLigaoまで行くのだと思っていたのですが、駅員らしき人に尋ねてみるとあそこに止まっている列車がLigao行きと指差しました。指差した方向を見るとホーム寄り線路のホームから外れたLigao寄りに国鉄色のキハ52が止まっていました。さらに詳しく聞いてみるとSipocotから来る列車との接続を図り、この国鉄色のキハ52がLigaoへ行くとのことでした。Ligao行きは通常であればNagaを8時ちょうどに出発し、Ligaoに9時50分に到着するのですが、今回はホリーウィークということもありTutuban~Ligao間に臨時列車として充当されたこのキハ52が抜擢されました。
8時30分頃、ようやくSipocotから大勢の乗客を乗せた列車が到着すると、キハ52の停車位置をホーム中央部に移動させ、駅で待っている乗客を乗せるというので、私はLigao寄りに停車していたキハ52の乗務員室に飛び乗りました。列車はゆっくりとホーム中程へと進み、私はホームで待っていた乗客に乗務員室から思わず「Sakay na kayo(乗りなさい)」と叫んでしまいました。

下の写真はキハ52の乗務員室から撮影したものです。


ホーム寄りの線路にNaga~Sipocot~Naga間で充当された白色12系客車とキハ52国鉄色Ligao行きが縦列停車していました。
ちなみにこの白色12系客車の編成は以下のとおりです。
Naga←DL2535+CAR5+7A-2025+CAR4→Sipocot


ホームで待っていた乗客や私の連れ仲間も一斉に乗車するとほぼボックスシートが埋まりました。
8:47、列車はようやく発車し、Nagaの市街地をゆっくりと進みました。


市街地を抜けると日本のキハ52でも体験したことのないぐらいのスピードで走り、スピードメーターは95km/h近くまでを指していました。
保線状態が良いかというと播但線のような保線状態で95km/hまで出しても大丈夫と言えるようなものとはかけ離れており、ある程度のポンピングも所々あり、ちょっとしたことで脱線でもしてしまうのではないかというぐらいな豪快な走りでした。私は乗務員に「Ayaw ko pang pumunta sa langit!(私はまだ天国に行きたくないよ!)」と言ったのですが、乗務員たちは平気だよ!ベテランだしと簡単にあしらわれてしまいました。フィリピンやインドネシアではバスが結構なスピードで飛ばすのですが、このフィリピン国鉄においてもスピード狂の運転士が何人かいるようで、たまたまその運転士の列車に乗車してしまったようです。


Piliに9:03、Baoに9:17に発車し、かなりの回復運転が行われているのですが、それにしても元々Nagaで47分遅れでしたので、5分や10分早まったとしても大したことではありません。
列車停車の際、ドアをどのように開けているのか知りたくなり、切符を販売している車掌の様子を見てみると、足で車両のドアコックを捻り、ドアの開け閉めを行っていました。


豪快な走りは続き、これ以上何を言ってもどうしようもないので諦めて前方の景色を堪能することにしました。
Irigaの手前で前方に富士山のような成層火山が見えてきたので、これは私たちが今日目指すMayon Volcanoかと尋ねてみると、あれは「Mt.Irigaです」とのことで、ビコール地方にはインドネシアのジャワ島のようにいくつかの成層火山があるようです。


NagaとLigaoのほぼ中間点であるIrigaには9:25に発車し、約30分の遅れまでに回復しました。
各駅では降りる乗客がほとんどで、乗車はあまり見られませんでした。

下の写真はIriga到着のシーンです。


Irigaを過ぎても走りが豪快であり、90km/h近いスピードで進みました。
しばらくすると前方に先程見た同じような成層火山が現れ、あの山こそ本物のMayon Volcanoでした。残念ながら山頂付近が雲で覆われており、このあとLegazpiに宿泊したのですが、1日中、山頂付近は雲で覆われており、きれいな姿を目にすることはできませんでした。


現在の終点であるLigaoには10:10に到着し、時刻どおりであれば9:50ですので、遅れが20分となりました。全線をほぼ90km/h近いスピードで走ってきたのですから、約30分も回復してくれたのですが、それにしても走り方が豪快過ぎて私は2度と乗りたくないと思ったしだいです。

下の写真は終点Ligaoに到着のシーンです。
奥には乗り損ねたMayon Limited De Luxeに充当されている「こがね」が停車していました。


Mayon Limited De Luxeに充当されている「こがね」はこの日 の夜、Tutubanへと帰っていきました。


乗車したこのキハ52国鉄色も、臨時列車としてこの日の夜Tutubanへと戻っていきました。
なお編成は以下のとおりです。
Ligao←キハ52-137+キハ52-127+キハ52-122→Naga


翌日の夜、ここLigaoから新潟色キハ52のMayon Limited Ordinary(Ligao19:15発で自由席)に乗車しマニラへと帰りますので、席を確保するためには何時までにこの駅に来たらと良いかと駅員に尋ね、夕方の18時頃までに来れば大丈夫だよと返事をいただくのですが、実は翌日Ligaoの駅で思わぬ問題が発生します。
次回はとりあえずLegazpiへと案内します。