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PNR(フィリピン国鉄)近況報告

2013年02月10日 20時33分54秒 | フィリピン
1月12日報告の記事以来のブログ更新になってしまい、今回、中京地区で活躍する117系について述べる予定でしたが、2月3日から8日までの6日間、フィリピン、マニラへ行って参りましたので、その報告からさせていただきたいと思います。
とは言っても、今回の訪比は鉄道目的でありませんので、あまりご報告できることはありませんが、PNR(フィリピン国鉄)本社へ訪問することができましたので、担当者とのやりとりと私なりに見て感じたことだけをご報告いたします。


まずはTutuban~Alabang間のコミュータートレインの近況についてですが、韓国ロテム製DMUの車両が不調ないせいか、国鉄色とブルートレイン色の2編成のキハ52が毎日運用されているようです。
キハ52専用の運用はあるようですが、日によって変更もありますので、運用や時刻については駅や本社で確認が必要です。
なお編成については以下のとおりです。
←Tutuban Alabang→
キハ52-122+キハ52-127+キハ52-137(国鉄色)
キハ52-121+キハ52-120+キハ52-102(ブルートレイン色)


前回9月の訪比時には運用されている様子がなかったブルートレイン色のキハ52は、毎日確認を行っておりませんが、4日と7日に運用している姿を確認しています。


また、部品取りとして供給された新潟色のキハ52-123は昨年9月と同様な位置に留置され続け、前回とあまり変わりがないようです。


続いて、Tutuban~Biñan間のCommexについては依然として203系4連が使用され続けておりますが、Tutuban~Alabang間のコミューターには以前と比べてあまり充当されなくなったようです。4日は修繕庫でお休みで日中駆り出されることはありませんでした。
編成については以下のとおりです。
←Tutuban Alabang→
M203-10+M'202-7+M203-11+Tc203-107


また、他の203系の整備状況ですが、転入整備が途中で止まってしまったのかエメグリ帯の車両も存在しており、自国の会社で組み立てられる5台分の発電機は本来昨年の12月にPNRに納入される予定でしたが、現在も納入されていないとのことで、納入が遅れているようです。到着しだい搭載工事にかかるものと思われ、整備後はTutuban~Calamba間に充当され、この区間に1日4往復の列車が設定され、同時にAlabang~Calamba間のホーム嵩上げや新駅設置の予定が行われるようです。(時期は未定)


続いて、Manila~Bicol間の長距離輸送について、簡単に報告いたします。
現在もこの区間の列車は運行されていませんが、昨年、Lucena付近で発生した橋崩落により不通となった状況ですが、ようやく仮の橋が完成したようで、8日にManilaからBicol地方へ試運転列車を走らせたようです。(4日に予定していた試運転が8日に延期)
今後の本格的な営業については来月3月を目処に運行が再開されるとのことで、まずはTutuban~Naga間にBicol Exp.を運行再開させるようです。
Lucena付近での橋崩落により損傷を受けたと思われるCar1はブルートレインカラーに塗り替えられ、もう1両の14系寝台車も綺麗にブルートレインカラーに塗り替えられていました。


おそらく、遅くとも稼ぎ時のホリーウィーク(今年は3月下旬)までには運行が再開されるのではないかと思われますが、キハ59(こがね)も以前と同様にIsarog Exp.として運行され、状況によっては本来の終点駅であるLegazpiまで長距離列車が運行される可能性もありえます。
と言うのは今まで不通になっていましたLigao~Legazpi間に数ヶ月前にキハ59を使用して入線させ、テストランを行ったようで問題はありませんが、ただしこの区間の軌道状況は25k/m以下制限でないと危険であるということをPNR担当者が述べておりました。
その他、Sipocot~Naga間のコミュータートレインは1日2往復運行されているようですが、Naga~Ligao間については平日、休日ともに運行されていないとのことです。(以前は休日のみ運行)

今のところ出番のないキハ59(こがね)もManila~Bicol間の運行再開時には運行される可能性があります。


以上、簡単に報告いたしましたが、4月にも訪比を考えておりますので、もし時間がありましたら、PNR本社訪問ならびに乗車を試みたいと思っております。


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6 コメント

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Unknown (おっとっと)
2013-02-11 12:12:02
こんにちは、どうも御無沙汰しております! m(_ _)m
フィリピンの鉄道は依然として多難なようで、とりわけビコールエクスプレスにつきましては水害による長期運休のため、果たしてどうなってしまうのか心配しておりましたが、無事復活への歩みを進めているということで何よりです。
そして、さすがロテム、かなり不調なようですね……(汗)。その代わりにキハ52が重宝されているというのは嬉しい話ですし、今後ますます日本のJR中古気動車がミャンマーとのあいだで取り合いとなりそうですね (笑)。
203系の続編デビューの遅れは少々残念ですが、数編成が毎日マニラ近郊で大活躍する日も近いもの……と引き続き期待しております。
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Unknown (豊後)
2013-02-12 09:38:49
詳しい報告ありがとうございます。一筋の光が見えてきたようです。
ただ、Bikol Ekpressがナガまでというのは腑に落ちません。今回の事故とは無関係なはずですが、元々乗車率が芳しくなかったのでしょうか。
レガスピは無理でも、せめてリガオまでは別な列車に乗り換えてでも行きたいですが、ビコールコミューターもだめとなると・・Isarog Expでもよいので、ナガ以遠の運行再開を望むところです。
今後の私の訪比については今しばらく様子を見る必要がありそうです。
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Unknown (井上)
2013-02-12 20:51:42
おっとっと様、こちらこそご無沙汰しております。
ようやくここに来て復旧の目処が見えてきたようで、3月下旬のホリーウィーク前までにはBicol Exp.などの長距離列車の運行が再開できそうです。
Tutuban~Alabang間のコミューターについては、2本のキハ52も充当されていますが、この区間は需要の多い区間であるため、片開き2扉では乗り降りに時間を要し、キハ30系統のような3扉の車両でないと定時運行が難しいところがあります。今後も旅客需要は増大するものと思われることから、譲渡された203系40両以外に更なる車両の増備が必要であり、軌間が同一の日本や台湾などの鉄道会社と譲渡交渉が行われるものと思われます。
そろそろ雪国で活躍する気動車の去就が気になるところで、PNRで活躍すると最適ではないかと思うのですが、実現となるのでしょうか。
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Unknown (井上)
2013-02-12 21:10:11
豊後様、こんばんは。
おそらくTutubanからNagaまでのBicol Exp.を復活させ、旅客輸送状況や軌道状態などを考慮した上で、Naga以東への延長運転、Isarog Exp.やキハ52によるOrdinaryの運行が順次開始されるのではないかと想像しております。
また、ビコール地方のコミューターについてもLegazpiまで運行が開始されるものと思われますが、担当者は具体的な予定は述べておりませんので、もう少し時間がかかるかもしれません。
この他、PNRのホームページについては業者に定期的に委託し、更新を行っているようですので、リアルタイムに情報が出せるような状況ではありません。詳しい情報については直接電話で聞く方法が最も良いのですが、私もFacebookなどを見て運行開始の兆しがありましたら、直接PNRの担当者にメールし、この場で新たな情報を公開していく予定です。
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Unknown (豊後)
2013-02-13 20:52:53
井上さん、こんばんは。

ナガ以遠についてはしばらく様子見ですね。早期の全線復旧を望むばかりです。
他のサイトでレガスピ駅の画像を見ましたが、南国らしいのびやかな雰囲気には大いに惹かれます。できればあのホームに14系が停まるところを見たいものです。
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Unknown (井上)
2013-02-14 21:27:17
豊後様、こんばんは。
現時点では3月を目処にManila~Bicol間運転再開という情報以外、具体的なことはわかりませんので、もう少し時間が経てば、運転再開の期日、区間などがわかるのではないかと思っております。
Legazpiまでの運転再開にあたってはダイナミックなマヨン火山を目にすることができるのではないかと思いますが、私もLigao~Lagazpi間については未踏破区間ですので、再開時には是非とも列車でLgazpiまで乗車し、PNRを完乗したいと思っております。
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