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尻手~武蔵小杉間連続立体交差事業着手は早くても2019年度?-その3

2013年06月13日 23時36分02秒 | 南武線
お約束どおり先日の続きということで尻手~武蔵小杉間で計画されている連続立体交差事業について、本日は平間周辺のことで述べていきたいと思います。
平間駅周辺は鹿島田駅と比べて大規模な工場が立地していなかったことから住宅が密集しており、駅周辺を中心に商店街が形成され、比較的庶民的な街であると言えるかと思います。今後においても駅周辺では市街地再開発事業や民間による大規模開発は予定されていないことから、連続立体交差事業を実施するにあたって高架方式を採用した場合は仮線の線路を敷設することは困難と予測されることから、おそらくかつての武蔵新城駅のようにこの駅周辺において直上高架方式による方法が最適なのではないかと予測されます。その場合、稲城市内の連立のようにグランドレベルから線路面の通常の高さ5.5~6mよりもさらに高くなり、事業費の上昇、日照権などの問題も出てくるのでないかと予測されます。


平間駅の川崎寄りは府中街道の朱印橋交差点付近までは南武線の線路に沿って西側に都市計画道路矢向鹿島田線が整備されるため、南武線の仮線を敷設することが予想されますが、朱印橋交差点から北側は線路西側に都市計画道路はないため(府中街道自体が平間駅入口交差点付近まで都市計画道路)、平間駅付近においては直上高架方式により事業が行われる可能性があります。
下の写真は平間駅付近から川崎方面を臨みましたが、意外と知られていないことは南武線の中で直線部分が最も長く、鹿島田駅を越え、矢向駅直近までの2.3kmにおよびます。また、南武鉄道の建設当時の話しをしますと、南武鉄道の敷設工事を行っていた大正末期に鉄道省から一方的に新鶴見操車場を建設するという文章と図面が南武鉄道に送られ、南武線の路線変更を余儀なくされています。本来であれば鹿島田駅付近から府中街道の西側に直線的に沿って(ほぼ二ヶ領用水にも沿って)市ノ坪を通り、今井上町付近に抜けるようでしたが、鉄道省が示した新ルートに従い、ほぼそのルートの線形に近い形で線路が敷設されました。この他、当時、武蔵小杉駅付近において、東京横浜電鉄も工事の認可を受けて突貫工事で大正14年2月に開通させてしまいましたが、南武鉄道との交差部はかつての阪急西宮北口のような形で平面交差し、南武鉄道の工事車両と東横の車両が7ヶ月間に渡って行き交っていましたが、工事の認可をあとに取ったのは東横側でしたので、東横側が折れて高架橋を建設し、その費用は東横、南武、鉄道省の3者が分担したようです。
(これらの話しは多摩川新聞社の南武線物語、著者=五味洋治氏に書かれています)


話しが昔の話しに逸れてしまいましたので、平間駅周辺の話題に戻しますと、平間駅周辺の最も賑やかな通りは東西に走る県道大田神奈川線ですが、基本的に平間駅周辺においては都市計画道路として指定されているものの未整備の状態であり、歩道も部分によっては十分な幅員が確保されておりません。ですので、自動車交通と歩行者や自転車利用者が安全に行き来することが困難であり、早期の道路整備が望まれますが、将来的に新鶴見操車場にかかる御幸跨線橋と直線的に結ばれるものの府中街道との交差部において大きな高低差が生じるため、事業実効性を高めるルート等の検討が行われるようで、道路整備にはまだまだ時間がかかるかもしれません。


この他、平間駅前は駅前広場がなく、駐輪場スペースも狭小であり、これらを抜本的に確保するスペースはないことから、南武線の連続立体化によって、高架下にこれらの施設を整備できると思われます。


本日は平間駅周辺について、現状や昔話も交えて述べましたが、最後は向河原周辺について述べていく予定です。


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