ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

〈この蜜 とっても甘いだけ〉

2021-11-04 07:47:00 | 日記
風が少し強く吹いていましたが、青空が広がり穏やかな文化の日でした。
昔のハナシをしますと苦笑いされそうですが古―い人間の私です。
幼い頃、11月3日は「明治節」とよばれていました。
明治天皇がお生まれになった日とか。
学校の朝礼では「明治節の歌」が唱和されました。
歌詞の意味など分かりませんでしたが、「文部省唱歌」に載せられていましたし、兄や姉が歌っていましたので私も歌詞は諳んじることができました。
歌詞の中に、
〈秋の空すみ 菊の香高き
 今日のよき日を 皆ことほぎて〉
と、ありました。
物覚えは劣化し、物忘れが増えるばかりの私のこの頃ですが、幼い頃の記憶は恐ろしい程に記憶に残されているものです。
青空を眺めていましたら、ふと遠い記憶の淵から、この歌詞が浮上し、口ずさんでいた私でした。

庭のツワブキが、まだ元気に(元気過ぎ)に咲いています。
いつもの年より花も葉っぱも大き目。
蝶々が、ひらひらッと飛んできました。
ツワブキの花と同じ黄色です。
ツワブキの脇に立って居る私の腰のあたりをぐるっと一回りして、目の前のツワブキの花に止まりました。
〈まだ、花の蜜は残ってるのかしら〉
そんな思いで見詰めていました。
蝶の姿からして蜜を吸い上げている様に見えます。
「ねぇ、蝶々さん。
あなたは冬を越すんですか?
冷え込んだ夜や朝方、葉っぱの陰あたりで、あなたは死んでしまうの?」
と、訊ねてみました。
黄色の蝶は蜜を吸い続けているだけ。
私のことなど眼中にないみたい。
「ねえ?」
再度の私の問いかけに、黄色の蝶は声の無い声で応えてくれたような気がしました。
〈死ぬかどうかなんて わたしには分かりません
 この蜜 とっても甘いだけ
お日さんも あっためてくれているし
それだけよ〉と。

柿の葉っぱが風で、
〈パラパラ パラッ カサカサ〉
と庭に舞い散ります。
枝に残されている柿の実は「木まぶり・鳥のため」の数個が残されているだけなのに、今年の柿の葉は未だに枝に付いていたのです。
〈どうして、いままで落ちずに付いていたの?〉
と、訊いて見た私です。

ただただ、柿の葉っぱは風に、
〈パラパラ パラッ カサカサ〉
と、落ちて来るだけでした。
コメント
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