ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

年相応の手。

2021-11-14 07:41:02 | 日記
今日も晴。
いいお天気でした。
庭の落ち葉を集めて袋に入れました。
落ち葉の匂いは秋の匂いです。
でも、どういうわけか素手で枯葉に触りますと、手がカサカサに荒れてしまうのです。
いつもは軍手をはめての作業ですが、今日はゴム手袋を用いました。
薄手の物を使用したせいか、作業の途中で破れてしまい、結局、素手でやってしまう事に。
作業を終え、手を洗ってからクリームをたっぷり擦りこんだまでは良かったのですが、さて台所仕事に取り掛かるためには、手に残っているクリーム分を洗い落とさなければなりません。
そんなわけで、本日は「手」にとっては難義この上ない一日でした。

夜になって、じっくりと我が手を眺めました。
年相応の手です。
オムツを洗い、
幼い娘の髪を撫で、
米をとぎ、
針を持って繕い物もし、
ペンを持ち
パソコンのキーを叩いたりして、
84年の歳月が、茶褐色のしみや、皺になって刻みこまれていました。

   『手』
             高田敏子
   ふっと人の肩にかけた手
   疲れたみにくい皺の中に
   不思議な私がひそんでいる

   この肉体の末葉に生きて
   私の時間をみんな吸い
   汚れて 痛んで
   そして私を支えている

   私のわすれた過去さえも折り重ねて
   止まった思考の外で
   いま、ひらひらと泳いでいる

   この手の甲の背後で
   私の眼はつめたいなげやりの
   まなざししか持てない
       (高田敏子詩集Ⅱ 花神社刊より)



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