散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

米国がFIFAの汚職を摘発~オバマ政権のフィナーレの一環

2015年05月29日 | スポーツ
サッカーとは縁遠い米国において、新任のロレッタ・リンチ司法長官が直々に指揮をとり、世界サッカー界のトップに君臨するFIFA(国際サッカー連盟)の幹部9人を含む15人を起訴できたのか。それも、現職の副会長2人と元副会長が含まれ、今週末の会長選挙で再選を目指しているゼップ・ブラッター会長は現時点では入っていないという。会長はいつ逮捕されるのか?緊張感が高まる演出の様にも思える。

処で、先の安倍首相訪米のおり、オバマ大統領のサービスは行き届いていた。日本語を随所で使い、俳句も詠んでいた。その中に、「和やかに」という言葉も並べられていた。聖徳太子の「和をもって尊しとなす」という日本の行動様式を象徴する言葉を想い起こさせる。演出が過ぎて、気持ち悪いほどであった。
 『緻密で整った「形式」と無難な「内容」~安倍首相の米国議会演説150510』

ここは日本との関係をまとめ挙げ、自ら掲げた東アジアのリバランス政策を形として残して起きたいという意思を感じる。すなわち、オバマとは何者であって、世界に何を刻んだのか。この問いに答えるために、任期8年間の最後をまとめている様に思われる。

この様な背景の中で、今回の汚職摘発に関する政権側の思惑は何か。ニューズウイークに5/28付けで掲載された「プリンストン発 日本/アメリカ新時代」の中で展開された冷泉彰彦氏の解説に筆者は魅力を感じる。

氏の基本発想は、「オバマ政権はヒスパニック系有権者を意識して動いている。ヒスパニック系人口のサッカー人気は絶大、代表チームの動向等に重大な関心事を持つ。」との表現に顕れている。これは、大統領の誕生そのものがヒスパニック系有権者によって支えられたことを最後の段階で確認し、8年間の一貫性を残そうとのオバマの意図との推測に繋がる。

益々、人種のルツボへの進んでいる米国において、かつてのF・ルーズベルト大統領が、ニューディール政策によって黒人層を民主党支持に変えさせた「エスニック・ポリティックス」を彷彿とさせる。

「サッカーが「欧州やアメリカの金持ち」によって歪められ、巨額な金によって汚れている。ヒスパニック系住民にオバマ=リンチの「国策捜査」が支持される。」との観測だ。「巨額な金による汚染」との見方は、世界的に多くの人々に共通した認識であろう。ビジネスの存在感が大き過ぎて手が出せない欧州各国に対して、それをまんまと司法問題にしたのは、グローバル化における法の機能の問題として非常に大きいはずだ。改めて、米国の存在感をも示している。

ロシア・プーチン大統領がW-Cupロシア大会への妨害との文脈を示唆した発言をしたとのことである。この発言の内容に関する当否はさておいて、巨額のカネと世界政治とがサッカー界の頂点で絡み合っている様相を、私たちコモンパーソンに印象づけている。

しかし、これはサッカーだけではない。オリンピックも同じ穴の狢だ。まあ、違う穴かもしれないが、狢であることに変わりはない。するとこれは、オバマが意図したと冷泉氏が指摘するヒスパニック系だけの問題には収まらず、世界大に拡散する問題かもしれない。ここでも、筆者がブログを懸命に書いているのだから。

      


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