散歩から探検へ~個人・住民・市民

副題を「政治を動かすもの」から「個人・住民・市民」へと変更、地域住民/世界市民として複眼的思考で政治的事象を捉える。

緻密で整った「形式」と無難な「内容」~安倍首相の米国議会演説1

2015年05月10日 | 国際政治


ウイークデイも含めて本日まで16連休を過ごした。
とは言っても旅行に出ていたのではなく、これまでの様々なツケの整理に当たっていた。パソコンも古い一台を放出するようにし、ブログも復帰して平常なネット作業に戻る。

岸首相、米国経験、硫黄島等にナルシシズムを含ませながらの安倍首相米議会スピーチ「希望の同盟」は、無難な米国賛美と追随の表明であるが故に、米国で好評を博したようだ。それが日本のニュースの大部分を占め、日本でも評判が高かったと言えようか。

晩餐会でオバマ米大統領が披露した俳句、
「Spring, green and friendship
     United States and Japan
          Nagoyaka ni (Harmonious feeling)」は、
今回の安倍訪米の雰囲気と性格、
即ち「釈迦・オバマの手の上(枠組の内側)で暴れる(発言する)孫悟空・安倍」を良く表している。

試みに筆者の翻訳は「青葉風、海越ゆる絆、和やかに」。

最初の「春、緑」は直接的表現で使い難い。緑が葉をイメージするのなら「青葉」か?筆者は「繁れる桜井の…」を連想したが、手持ちの幾つかの俳句集を見ると、「青葉風…」が載っていたので、ここはパクリで、使ってみた。続く「日米」友情も直接的な漢語表現で使い難い。間接的に日米が判る様に「海越ゆる」としてみた。

何ともゆったりとして動きのない、あるいは動きを促すこともない表現の中に、特にオバマ政権側の新境と状況が顕れているようだ。
独、英を初めとした西欧諸国が「アジアインフラ投資銀行AIIB」への参加を決める中で、米国は「組織運営に不透明さ」を理由として申請を見送り、続いて日本も追随した。
 『AIIBを巡る日本の外交姿勢150412』

日本の行動によって、米国は面目を保つことができた。日本が参加すれば、アジア開発銀行はそのままで従来通りであるが、新たな枠組の中で米国は孤立し、著しく閉鎖的なイメージを残すはずであった。第一次大戦後に米国は、国際連盟への加盟をしなかったことを思い出させる。また、それは結局、その後に中国の催促に従っての参加になることは眼に見えている。

加えて、日米安全保障協議委員会開催による「2+2」合意が成立した。即ち、日本の安全並びに国際の平和及び安全の維持に対する同盟のコミットメントを再確認したことになる。勿論、これは日本側が同意したことに意味がある。

米国は既に次期大統領選挙モードにスイッチが切り替わっており、オバマ大統領は、それまでにできるだけ懸案に区切りをつけ、形を整えて8年間の成果をまとめなければならない段階だ。細かいことはさておき、これまでの歴史認識から今後の経済、軍事に渡っての同盟関係を確認することが対日本での懸案だ。

慰安婦問題などは、米国にとって、全く関係ない問題だ、というのがホンネであろう。その辺りは日米の担当者で呼吸を合わせた様に見える。

日本側も、自らのナショナリズムを安倍首相個人のナルシシズムの表出に抑え、米国を持ち上げることによって、内容よりも形式を整えることに終始していた様に、筆者は感じた。

      
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