近所にある古書店(BFではありません。ゲームソフト、CD、マンガの中古がメインの中規模な店ですが、学生街なので時には掘り出し物もあります。
この新書もそんな一冊(光文社新書)。108円で、これまで知らなかった知識を得ることができて満足です。

著者の加藤徹氏は、東大文学部卒、北京大学留学などを経て、明治大学法学部助教授(2006年時点)
”かつて漢文は、東アジアのエスペラントであり、日本人の教養の大動脈であった。古代からの日本の歴史を「漢字」「漢文」からひもとくことで、日本人が何を思い、どんな試みの果てに、この国が築かれてきたのかが明らかになってくる。・・”
「卑弥呼は漢字が書けたか」・・答えは?
「倭も卑字」・・好字と卑字の区別は。「魏志倭人伝」に出てくる日本列島の地名・人名には卑字が多い。
「七支刀」・・4世紀後半頃に百済から到来したと日本書紀に記載があるこの鉾が、石上神社(奈良県天理市)で明治6年に発見され、錆の下から61文字の金象嵌の銘文を不明瞭ながら読み取ることができた。伝世品として残る日本最古の漢字遺物です。(伝世品:埋まることなく大事に保存されてきたもの、「漢委奴国王印」は出土品:土に埋もれていたもの)
「王仁と千字文」・・百済から「論語」十巻と「千字文」一巻をつけて派遣された漢字の先生。千字文は、実は、中国では子供の漢字の手習い教材でした。古事記では千字文の輸入を正直に記録したが、日本書紀では論語の輸入だけを記述し、子供教材は省略しています。(日本語記録手段のルーツを多少ぼやかした)
「訓点の登場」・・母方の伯父が存命中、国立国語研究所でこれを研究していたのでなにか懐かしい。
「[日本]の誕生」・・一説には、東大阪市日下(くさか)町にちなむ命名とも。太古の昔、九州から船で東に進んできた神武天皇の軍隊が最初に近畿地方に上陸したのが、このクサカという場所だった。和歌では枕詞をつけて「日下(ひのもと)のクサカ」があったので、「ひのもと」から日本になったとの説です。
「中世の漢詩文」・・鎌倉・室町時代の漢詩文の正統は寺家(僧侶階級)が守った。公家・寺家・武家の三つの権門が統治権をめぐって争っていたが、公家は領地の縮小で没落。
「徳川家康が利用した漢文の力」・・大義名分論を重んじる朱子学を日本に導入し、武士にこれを学ばせることで思想改造をはかりました。
「漢文訓読調の成功」・・農民も漢文を学んだ。
・・・この著者の本がもっと読みたくて「貝と羊の中国人」(新潮新書、2006年)も買いました。
この新書もそんな一冊(光文社新書)。108円で、これまで知らなかった知識を得ることができて満足です。

著者の加藤徹氏は、東大文学部卒、北京大学留学などを経て、明治大学法学部助教授(2006年時点)
”かつて漢文は、東アジアのエスペラントであり、日本人の教養の大動脈であった。古代からの日本の歴史を「漢字」「漢文」からひもとくことで、日本人が何を思い、どんな試みの果てに、この国が築かれてきたのかが明らかになってくる。・・”
「卑弥呼は漢字が書けたか」・・答えは?
「倭も卑字」・・好字と卑字の区別は。「魏志倭人伝」に出てくる日本列島の地名・人名には卑字が多い。
「七支刀」・・4世紀後半頃に百済から到来したと日本書紀に記載があるこの鉾が、石上神社(奈良県天理市)で明治6年に発見され、錆の下から61文字の金象嵌の銘文を不明瞭ながら読み取ることができた。伝世品として残る日本最古の漢字遺物です。(伝世品:埋まることなく大事に保存されてきたもの、「漢委奴国王印」は出土品:土に埋もれていたもの)
「王仁と千字文」・・百済から「論語」十巻と「千字文」一巻をつけて派遣された漢字の先生。千字文は、実は、中国では子供の漢字の手習い教材でした。古事記では千字文の輸入を正直に記録したが、日本書紀では論語の輸入だけを記述し、子供教材は省略しています。(日本語記録手段のルーツを多少ぼやかした)
「訓点の登場」・・母方の伯父が存命中、国立国語研究所でこれを研究していたのでなにか懐かしい。
「[日本]の誕生」・・一説には、東大阪市日下(くさか)町にちなむ命名とも。太古の昔、九州から船で東に進んできた神武天皇の軍隊が最初に近畿地方に上陸したのが、このクサカという場所だった。和歌では枕詞をつけて「日下(ひのもと)のクサカ」があったので、「ひのもと」から日本になったとの説です。
「中世の漢詩文」・・鎌倉・室町時代の漢詩文の正統は寺家(僧侶階級)が守った。公家・寺家・武家の三つの権門が統治権をめぐって争っていたが、公家は領地の縮小で没落。
「徳川家康が利用した漢文の力」・・大義名分論を重んじる朱子学を日本に導入し、武士にこれを学ばせることで思想改造をはかりました。
「漢文訓読調の成功」・・農民も漢文を学んだ。
・・・この著者の本がもっと読みたくて「貝と羊の中国人」(新潮新書、2006年)も買いました。
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