朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

黄色い斑点が多数現れた東山

2019-05-26 | 京都の文化(春)

今年の5月中旬、東山の緑が驚くような色に変化していました。

例えば知恩院山門の後背。黄色いまだら模様になっていました。

大文字山の南側も同様です。

見晴らしの良い将軍塚展望所に行ってみると・・・




大きな木の上部が盛大に黄色くなっています。

 

できるだけ近づいて観察すると、大量の細長い花房でした。

京都新聞などの記事によると、十年くらい前からこの現象が顕著になってきたとのこと。この木はシイ。

椎の実、小ぶりのどんぐりです。東山は松の木が多く冬でも緑に覆われた景観が優れている場所です。しかし椎の木のような広葉樹は成長が早く、以前は家庭の燃料として間伐されていた樹木でした。焚き付けや薪としての役割はすっかり影を潜めました。おまけに十数年前には害虫によって東山の松が多く枯れてしまいました。

そこに入り込んで成長したのが椎の木です。今や樹高数十メートルもの大木に育っているので簡単には伐採できない、重機を山の斜面に持ち込む必要があるそうです。

社会環境が変化する中、昔の東山の景観を維持するのは大変なことです。

一方で、例えば滋賀県の山でも同様なことが発生していますが、むしろ広葉樹が広がることは、戦中に軍事物資として植えられた赤松や戦後に建築木材として多く植えられた杉よりも、自然の植物循環に戻るので好ましいという意見も紹介されています。

八ヶ岳南麓にある、柳生さんが作った八ヶ岳倶楽部では、使い道のなくなった赤松林を購入してすべて伐採し、そこに広葉樹を植えて四季折々美しい庭園に育てています。

京都東山は、ちょっと例外ですが、そんな広葉樹の森もいいですね。

 



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