朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

テレビ放送電波の引越し

2011-07-29 | もろもろの事
アナログの地上波テレビが、東北3県を除いて7月24日正午、全国的に終了しました。


引用:日経トレンディネット2011-07-27

その瞬間をアナログ画面で見てみようと、たまたま実家にいたのでそのTV受像機でデジタルからアナログチャネルに切り変えてみました。

結果は、普通に番組を放送している画面でした。おや、何か変!

正午(昼間)ではなくて、真夜中(midnight)だったかな?

同じような経験した人が多かったようです。

ですが画面を良く見ると「デジアナ」と右上に文字表示がでていました。

実は数年前に液晶テレビを買ったときに、ついでにケーブルテレビに加入していたのです。つまり、ケーブルテレビ会社の装置で、地デジ放送をアナログに変換してその地域のケーブルを通じて加入者に提供していたのです。これならば、新規のアンテナもチューナーも不要でアナログ受信機が利用できます。

その後、大きな混乱は報道されなかったのですんなり移行できたのかと思っていました。

ところが知人のブログを読むと、「大阪の都心に住む「おばちゃん」の家では、突然テレビが映らなくなってしまって、問い合わせたり、テレビを買いに走る(都心なので近所に電気店多し)、しかし安いTVは入手困難」「そんな苦情を1時間も電話で知人にぶつけてきた」とありました。

原因は、ビル影による共同アンテナのため、その管理者か組合がなにも対応していなかったこと。ビルや鉄塔、高架線などによる電波障害対策で作られた共同施設は、その当時、テレビ電波が変更されるなど想定していなかったので、設置時の契約条件には入ってないでしょう。その利用者のだれかが気がついて、「加害者」に交渉するとか設備変更する必要があったのです。

さて、今回のアナログ波停止は、一般市民にとって大迷惑、国の勝手な施策だと受け取られていると思います。

行政の説明不足だと思います。国民に根本的な必要性をきちんと訴えていなかったと感じました。単に、買い替え需要による景気対策ではありません。

アナログテレビの技術は、1940年代にアメリカで設計された方式です。なんと戦前です。NTSCと呼ばれています。当時の電子技術は今とは桁外れに低い水準でした。

現代の電子技術から見ると、最も使いやすい、利用価値の高い電波周波数帯を使って、さらにたっぷりと余裕を持たせて雑音対策などをおこなっています。つまり、今となってはとても効率の悪い電波利用をしていたのです。電子回路技術が相当に進歩して、民間業務用コンピュータの本格的実用化が1964年(IBM S/360)ですから、そのさらに20年以上前のTV技術です。

電波というのは、宇宙が出現した時点から宇宙の物理現象として存在しています。人類にとってのとても重要な共有財産となったのです。しかし電波の発見と原理の解明は、19世紀後半になってからです。

現代では、電波は多方面に活用されていて、今後も益々大きく発展するでしょう。

(つづく)
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