朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

観音めぐり 2

2010-07-29 | 国内各地の風物
作家井上靖さんの小説「星と祭」は、この地区の観音と琵琶湖を素材にして、そこにわけありの人物をおいて創作しています。それぞれの観音像をわかりやすい言葉で表現しています。

 例えば、医王寺の観音は「乙女の観音さん」と表現されています。それがあたっているかどうかは、ご自身で確かめてください。

 このあたりは秋の紅葉が大変に素晴らしいのでシーズンになると大型観光バスが20台以上が一挙にやってくるそうです。


 石道寺(しゃくどうじ)には、十一面観音さんが安置されていました。このお寺への道は狭いので300mくらい手前でバスを降りて歩きました。

 井上靖さんは「村娘のよう」と表現。唇に朱色が残っていました。本来仏像には、性別はないそうです。ですが仏師の創造で思想を埋め込むことはできますから。



 さて、バスに戻って約10分。こんな小さなお堂の近くに到着です。

 保延寺観音堂です。「保延寺」はこの村の地名で、お寺に所属しているわけではなくて地元の住民がお世話をしています。



 そのお堂を開扉していただくと、小さなかわいい「千手観音菩薩」が現われました。(高さ17.1cm)

 光の加減でしょうか、両脇の「千手」の部分は薄緑色に見えました。
 ここでは管理当番の方から撮影OKが出たので、パチリ。 



 
 この地区の北に位置する己高山(こだかのやま)には、昔、沢山の大きな寺院があったとボランティアガイドの方から説明がありました。その寺院の仏像が、その後、麓に降りてきたようです。この己高山には今でも地元学校生徒の遠足の場所だそうです。

 このあたりは、石田三成の育ったところです。彼は、小さいときに寺の小姓として奉仕していたところ、秀吉が遠征してきてその寺で休息した。そこに三成が接待した、「三杯の茶(三献茶)」と呼ばれるエピソードが生まれました。

 出世に必要なことは、運と、勇気と知恵でしょうか。
コメント
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