400万年の人類史―ヒトはいかにして地球の主になったか (カッパ・サイエンス) 価格:¥ 725(税込) 発売日:1983-01 |
この本は、元朝日新聞社の科学ジャーナリスト・河合信和さんが、人類の進化について書いたものです。1983年に、カッパ・サイエンスとして、光文社から出版されました。現在では、人類の歴史は約700万年前から600万年前までさかのぼりますが、当時は、約400万年と考えられていました。
本書の内容は、以下のように、全6章からなります。
- 二本足で立ったサル:ヒトへの道を歩みはじめた猿人
- 火と言語を携え、ヨーロッパへ:氷河期を生き抜いた原人
- サピエンス登場す:大自然に抱かれたハンター、旧人
- 自然を支配しはじめた新人:きめ細かな適応をとげた知恵
- 新大陸に渡った日:処女地への果てしなき夢
- 農耕がもたらした光と影:それは人類の「原罪」か?
本書が、他の人類進化の本と異なるのは、第5章と第6章で、アメリカにおける人類学や考古学の状況を取材にもとづいて書いている点です。同様の内容は、著者の河合信和さんが『科学朝日』にも書いています。私も、学生時代に本書を読み、ずいぶんと影響を受けました。実際、本書の第5章で紹介されている、イリノイ州のキャンプスヴィルで毎年夏に開催されていたノースウェスタン大学のサマー・フィールドスクールに私も参加することになります。