1985年の第18回ノースウェスタン大学考古学フィールド・スクールには、5週間コースと9週間コースがありました。5週間コースは1985年6月9日~同7月13日まで、9週間コースは1985年6月9日~同8月10日まででした。ほとんどの学生は、9週間コースに参加しており、私も9週間コースに登録して参加しました。
9週間というと、約2ヶ月の長さにわたるわけですが、当初英語があまりうまくなかった私も、さすがに英語漬けの日々で、終了する頃には何とか意志疎通ができるようになりました。
1985年の発掘調査には、学生は15人が参加しました。この中には、以前ご紹介した、サンパウロ大学のウォルター・ネーヴィスさんも入っています。この他、会社を退職して考古学を志していたレス・ミリガンさんもいました。この男性2人を除いた、男性4人と女性9人は、キャンプスヴィルの一軒家が宿舎です。
エリザベスマウンド76.当時の私の愛車VWビートルが停まっているのが宿舎の一軒家
男性4人は1階に、女性9人は2階に寝泊まりして、約2ヶ月発掘調査と実習を行いました。もちろん、個室ではなく相部屋です。
エリザベスマウンド77.宿舎の一軒家
エリザベスマウンド78.学生達1
エリザベスマウンド79. 学生達2
毎朝、6時から朝食を別の場所にある食堂でとります。
エリザベスマウンド80. 食堂での朝食風景
毎朝、6時30分に、食堂からバスで発掘現場に向かいます。
エリザベスマウンド81.バスの中
毎朝、7時30分から15時30分まで発掘実習です。
エリザベスマウンド82. エリザベスマウンド遠景
エリザベスマウンド83.エリザベスマウンド近景
毎日、スコップを使って2m×2mの広さで、20cmずつ、1日約60cm掘り下げる作業は男性でもかなりきついものでした。しかし、アメリカの女子学生も頑張って同じぐらい掘り下げます。
エリザベスマウンド84.私が担当したグリッドで
エリザベスマウンド85.私が分層法で掘り下げたグリッド
発掘調査が終了すると、アメリカでは自分が履いていた靴を木にぶら下げるという習慣があり、私も愛用の靴を木にぶら下げてきました。
エリザベスマウンド86. 発掘終了後の記念写真
エリザベスマウンド87. 発掘終了後の記念写真
約2ヶ月という期間、アメリカ・イリノイ州エリザベスマウンドの発掘調査は、大変、勉強になりました。日本でも、考古学では発掘実習をしていますが、2ヶ月もの長期に及ぶものはそうないのではないでしょうか。
このノースウェスタン大学のフィールドスクールは、私が参加した第18回で終了してしまいました。それは、ジェーン・バイクストラ先生が、翌年の1986年から母校のシカゴ大学に移籍したからです。バイクストラ先生は、その後、1995年にニュー・メキシコ大学へ、また、2005年にはアリゾナ州立大学に移籍して現在にいたっています。このフィールドスクールも、バイクストラ先生の移籍にともなって、名前を変えながら現在もキャンプスヴィルのアメリカ考古学センターで行われています。ただ、現在は6月から7月にかけての6週間コースしかないようです。
以下は、2002年に、私がこのフィールドスクールについて書いたもののPDFファイルです。1.43MBあります。