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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

年代測定学の本9.年代をはかる

2010年01月08日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]
年代をはかる (はかるシリーズ) 年代をはかる (はかるシリーズ)
価格:¥ 1,020(税込)
発売日:1991-03

 この本は、元国立歴史民俗博物館の今村峯雄さんが、年代測定学について書いた本です。1991年に、日本規格協会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全7章からなります。

  1. 元素の振舞いで年代を測る
  2. いろいろな年代測定法
  3. 正しい年代を得る
  4. 年代を測る道具
  5. 年代を測るための試料
  6. 新しい年代測定法
  7. いろいろな年代を知る

 本書には、様々な年代法が平易に書かれており、年代測定学の入門書として最適です。


年代測定学の本8.年輪年代法と文化財

2009年11月15日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]

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日本の美術 (No.421)
価格:¥ 1,650(税込)
発売日:2001-06

 この本は、奈良文化財研究所の光谷拓実さんが、年輪年代法について書いた本です。2001年に、日本の美術第421号として、至文堂から出版されました。

 本書の内容は、以下のように6章に分かれます。

  • はじめに
  • 年輪年代法の実際
  • 応用成果:考古学に関連した事例
  • 応用成果:古建築に関連した事例
  • 応用成果:美術工芸品
  • 付論:自然災害と年輪年代法

 この年輪年代法は、アリゾナ大学のA. E. ダグラス(1867-1962)が開発した方法です。日本国内でも、多くの研究が行われましたが、なかなか成功しませんでした。アリゾナの乾燥した気候と日本の湿潤な気候との差が原因であると説明されていました。

 しかし、1980年代から、奈良文化財研究所ではこの年輪年代法に取り組み、ヒノキ・スギ・コウヤマキ・ヒバでの適用に成功しています。実際、大阪の池上曽根遺跡出土大型建物のヒノキは、年輪年代法で、紀元前52年であることが判明し、弥生時代の年代が約1世紀遡るという成果が得られています。


年代測定学の本7.考古学と年代測定学・地球科学

2009年11月14日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]

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考古学と年代測定学・地球科学 (考古学と自然科学)
価格:¥ 3,675(税込)
発売日:1999-04

 この本は、お茶の水女子大学の松浦秀治さん・元都留文化大学の上杉 陽さん・元京都大学の藁科哲男さんの編著により、年代測定学について書かれた本です。1999年に、同成社から出版されました。編著者の一人の松浦秀治さんは、以前ご紹介した元東京大学の故渡辺直経先生のお弟子さんで、人類学をベースとした年代測定を研究されている方です。私は、何も貢献していませんが、出版時に編著者の松浦秀治先生から寄贈していただきました。

 本書の内容は、以下のように全2部・7章からなります。

第1部.年代測定学篇

 第1章.総論:年代測定・判定法(松浦秀治)

 第2章.さまざまな年代測定・判定法(光谷拓実・中井信之・檀原 徹・板谷徹丸・大村明雄・橋本哲夫・今井 登・下川浩一・近堂祐弘・安部 巌・近藤 恵・松浦秀治・兵頭政幸)

第2部.地球科学篇

 第1章.地球環境の変遷(遠藤邦彦)

 第2章.土壌分析と考古学(坂上寛一)

 第3章.火山灰にみる自然環境(上杉 陽)

 第4章.日本の気候環境(小川 肇)

 第5章.産地同定(藁科哲男・三辻利一・平尾良光) 

 本書は、様々な年代測定学の専門家が分担して書いている本で、大変、参考になります。


年代測定学の本6.考古学のための年代測定学入門

2009年11月13日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]
考古学のための年代測定学入門 考古学のための年代測定学入門
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:1999-07

 この本は、奈良教育大学学長の長友恒人さんによる編著で、年代測定法について書かれた本です。1999年に、古今書院から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全7章からなります。

  1. 放射性炭素法(中村俊夫)
  2. 古地磁気法・考古地磁気法(広岡公夫)
  3. ルミネッセンス法(長友恒人)
  4. 電子スピン共鳴法(塚本すみ子)
  5. ウラン系列法(大村明雄)
  6. 層序法・テフロクロノロジー[火山灰編年学](早田 勉)
  7. その他の測定法(長友恒人)

 本書は、タイトルに考古学のための年代測定学とあるように、考古学の事例を多く引用しているので、大変、参考になる本です。


年代測定学の本5.年代測定概論

2009年11月12日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]

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年代測定概論
価格:¥ 5,040(税込)
発売日:1998-11

 この本は、東京大学(当時)の兼岡一郎さんが、年代測定法について書いた本です。1998年に、東京大学出版会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全8章からなります。

  1. 年代とは何か
  2. 年代測定法の原理と基礎
  3. 放射壊変を利用した年代測定Ⅰ:親核種と娘核種の同位体比の時間変化を利用
  4. 放射壊変を利用した年代測定Ⅱ:宇宙船生成核種・放射平衡からのずれ・放射線損傷などを利用
  5. その他の原理に基づく年代測定
  6. 年代値の評価
  7. 対象に応じた年代測定:地球の形成から現在まで
  8. 年代測定の新しい展開

 本書は、入門編と言うよりは、かなり専門的な本です。しかし、年代測定法の詳細を知りたい場合には大変、役立つ本です。


年代測定学の本4.年代測定

2009年11月11日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]
年代測定 (大英博物館双書―古代を解き明かす) 年代測定 (大英博物館双書―古代を解き明かす)
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:1998-03

 この本は、大英博物館科学調査部部長のシェリダン・ボウマン[Sheridan BOWMAN]さんが、年代測定法について書いた本です。小山修三さんの監修で、北川浩之さんによる翻訳で、1998年に大英博物館双書3として、學藝書林より出版されました。

 本書の内容は、以下のように全5章からなります。

  1. 背景と基本原理
  2. 放射性炭素濃度の変化
  3. 放射性炭素年代の測定方法
  4. 放射性炭素年代の年代補正
  5. 放射性炭素年代と考古学

 本書のp.101には、『試料の採集とパッキング』があり、「・・・試料はアルミホイルで包んではいけない。・・・」とあります。この本でも指摘されていますが、イギリスでは、考古学の遺跡において試料をアルミホイルで包む状況を目にしているそうです。実は、私も日本において同様の状況を何度も目にしています。本書から、気を付けないとならないなと、学びました。


年代測定学の本3.C14年代測定法

2009年11月10日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]

C14

14C年代測定法 (考古学ライブラリー 1)
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:1978-05

 この本は、遠藤邦彦さんが、炭素14年代法について書いた本です。1978年に、考古学ライブラリー1として、ニュー・サイエンス社から出版されました。著者の遠藤邦彦さんは、前回ご紹介した、元学習院大学の木越邦彦さんのお弟子さんです。

 本書の内容は、以下のように全9章からなります。

  1. 崩壊する原子核の発見とその探究
  2. 地球上の炭素の循環
  3. 放射性炭素による年代測定の原理
  4. 測定資料の調製
  5. 放射能の測定
  6. 放射性炭素による年代決定
  7. 鉄のC14年代測定
  8. 鉄の冶金の歴史と日本の鉄の考古学的試料
  9. C14年代と暦年代の差

 このC14年代測定法は、アメリカのシカゴ大学のウィラード・リビー(Willard. F. LIBBY)[1908-1980]が、1949年に確立させた年代測定法で、この研究により、1960年にはノーベル化学賞を受賞しています。


年代測定学の本2.年代を測る

2009年11月09日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]

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年代を測る―放射性炭素法 (1978年) (中公新書)
価格:¥ 399(税込)
発売日:1978-02

 この本は、元学習院大学理学部の木越邦彦さんが、年代測定法特に、放射性炭素年代法について書いた本です。1978年に、中公新書496として、中央公論社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全11章からなります。

  1. 泥の中から歴史をよむ
  2. 時を計る
  3. 炭素十四による年代測定
  4. 放射能をつくる宇宙線
  5. 測られた日本の古代
  6. 年輪年代学
  7. 測定値の補正
  8. 放射線損傷をつかった年代測定
  9. むかしの気候
  10. 歴史と計測とのつながり
  11. 地球の年代

 本書は、学習院大学にて実際に多くの放射性炭素年代測定を実施していた著者による本で、大変、参考になります。私は、この本を1982年5月29日(土)に学習院大学にて行われた著者による講演「考古学と自然科学」の終了後に、割り引きで購入したとメモ書きしてありました。


年代測定学の本1.過去をさぐる科学

2009年11月08日 | K3.年代測定学の本[Dating:Japanese]

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過去をさぐる科学―年代測定法のすべて (1976年) (ブルーバックス)
価格:¥ 504(税込)
発売日:1976

 この本は、元立教大学の鈴木正男さんが、年代測定法について書いた本です。1976年に、講談社ブルーバックスB282として、講談社から出版されました。 本書の内容は、以下のように全7章からなります。

  1. 時計とは・・・・・・?
  2. 生物時計
  3. 物理時計
  4. 地球時計
  5. 社会時計
  6. 地球の年齢と古気候の変化
  7. 人類進化とその時代

 本書は、少し古い本ですが、当時は日本語で書かれた年代測定学についての本はなく、私も、この本を読んで勉強したことを思い出します。

 実は、本書よりも前に、現在休刊中の月刊誌『自然』に1959年から1961年に連載された故渡辺直経[1919-1999]先生による「人類の来た道のりを測る」というものがあり、私も図書館でコピーして自分で製本した経験があります。この連載は、とても素晴らしい内容でした。1996年に、渡辺先生はこの連載を、中央公論新社から製本されて出版されていますが、一般には販売されていません。私も、この製本版を頂戴しましたので、書斎には2冊の製本版が並んでいます。

 本書の著者の鈴木正男さんは、渡辺直経先生のお弟子さんで、人類学をベースとした年代測定法を実践された方です。