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人類の進化: 拡散と絶滅の歴史を探る (サイエンス・パレット) 価格:¥ 1,050(税込) 発売日:2014-02-25 |
この『人類の進化』は、アメリカのジョージ・ワシントン大学の人類学者、バーナード・ウッド(Bernard WOOD)が人類進化について書いたものです。原書は2005年に出版された『Human Evolution:A Very Short Introduction』です。副題には、「拡散と絶滅の歴史を探る」とあります。2014年に、国立科学博物館名誉研究員の馬場悠男先生による翻訳で、丸善出版から出版されました。私は、出版時に翻訳者の馬場悠男先生に寄贈していただきました。
本書の内容は、以下のように、全8章と翻訳者による追加章からなります。
- はじめに
- われわれは何者か
- 化石人類の調査と背景
- 化石人類の分析と解釈
- 初期猿人:かもしれない人類
- 猿人とホモ・ハビリス:ほぼ確実に人類
- 原人と旧人:古代の人類
- 新人:われわれ自身の人類
- 追加解説:まさかの最新研究成果(訳者補遺)
- 付録.人類の起源と進化に関する哲学的認識と科学的理解の年表
著者のバーナード・ウッド(Bernard WOOD)は、ロンドン大学のミドルセックス病院附属医科大学に1963年に入学して医学教育を受けます。ここで、ウッドは、解剖学を専攻しながら、ジョン・ラッセル・ネイピア(John Russell NAPIER)[1917-1987]から霊長類解剖学を、マイケル・デイ(Michael DAY)から人類進化の教育を受けます。このネイピアもデイも、主にアフリカで化石霊長類や化石人類の研究を行っていました。ウッドも、自然とアフリカの化石人類研究へと導かれます。1970年に医学部を卒業し、1975年には博士号を取得しました。卒業後は、そのまま母校の解剖学教室に残り、1978年にはリーダーに昇任し1982年には教授に昇任します。その後、1985年にリバプール大学解剖学教授として移籍し、1996年には医学部長に就任しました。1997年には渡米して、ジョージ・ワシントン大学で人類進化担当教授に就任して現在に至ります。人類進化の分野での権威です。
本書は、非常にコンパクトに人類進化の最新情報がまとめられており、大変、参考になります。