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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

動物考古学・ペットの本7.イヌ

2012年05月13日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ

Mcloughlin1991

イヌ―どのようにして人間の友になったか (同時代ライブラリー)
価格:¥ 968(税込)
発売日:1991-02-15

 この本は、アメリカの動物学者、ジョン・マクローリン(John C. McLoughlin)さんが、イヌについて書いたものです。原題は『The Canine Clan』で、直訳すると「食肉類の仲間」となるでしょうか。澤崎 坦さんによる訳で、1991年に同時代ライブラリー59として岩波書店から出版されました。副題には、「どのようにして人間の友になったか」とあります。

 本書の内容は、以下のように、全12章からなります。

  • 哺乳動物とは何か
  • 犬の先祖になった食肉類
  • 肉食の哺乳動物たちの世界
  • イヌの起源
  • 詐欺師レイナードとキツネたち
  • 狩りをする野生のイヌ
  • イヌ
  • 人に飼われた犬
  • いろいろな犬種の生い立ち
  • 大型のイヌ:マスチフ
  • 小型の犬と矮小な犬
  • 人間社会のなかの犬

動物考古学・ペットの本6.犬の日本史

2009年10月23日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ
犬の日本史―人間とともに歩んだ一万年の物語 (PHP新書) 犬の日本史―人間とともに歩んだ一万年の物語 (PHP新書)
価格:¥ 693(税込)
発売日:2000-02

 この本は、谷口研語さんが、縄文時代から現代までの犬の歴史について書いた本です。2000年に、PHP新書105として、PHP出版から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全11章に分かれます。

  1. 日本史への犬の登場
  2. 白い犬の幻想
  3. 平安京の犬のいる風景
  4. 犬と中世の武家社会
  5. 海外からやってきた犬
  6. 鷹狩をめぐる犬たちの明暗
  7. 犬公方と江戸の犬
  8. 犬を食う人、人を食う犬
  9. 犬の霊力・呪力・超能力
  10. 狂犬病は犬と人の共通の的
  11. 消滅しかけた日本の犬の歴史

 本書は、動物考古学の本そのものではありませんが、それでも、日本における犬の歴史をまとめた本はそうないので、大変、参考になります。動物考古学の成果も、多数取り入れて書かれています。 


動物考古学・ペットの本5.猫の博物館

2009年10月22日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ
猫の博物館―ネコと人の一万年 猫の博物館―ネコと人の一万年
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:1998-06

 この本は、大英自然史博物館の動物学者、J.クラットン=ブロック[Juliet CLUTTON-BROCK]さんが、ネコの歴史について書いた本です。小川昭子さんによる翻訳で、1998年に東洋書林から出版されました。

 本書の内容は、以下の通りです。

  • 自然の中のネコ
  • 野性のネコ科動物の仲間
  • 繁殖
  • 習性
  • 古代のネコ
  • 飼いならされた最初の頃
  • 古代エジプト
  • 古典時代
  • 中世
  • 伝説と魔術の中の猫
  • 近代のネコ
  • 主な品種
  • ネコの変種つくり
  • 都会と田舎のネコの分布
  • 東洋のネコ
  • 野性化ネコ
  • 船のネコ

 本書は、直接的な動物考古学の本ではありませんが、ネコについて全般的な知識を得ることができます。

 我が家には、イヌが3頭いますが、現在、捨て猫3頭を保護しており、興味深く読ませていただきました。

Cluttonbrock1998


動物考古学・ペットの本4.人と犬のきずな

2009年10月20日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ
人と犬のきずな―遺伝子からそのルーツを探る (ポピュラー・サイエンス) 人と犬のきずな―遺伝子からそのルーツを探る (ポピュラー・サイエンス)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-12

 この本は、田名部雄一さんが、日本におけるイヌの起源を遺伝子から探ったものです。2007年に、裳華房から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全5章からなります。

  1. 犬の祖先と人
  2. 犬の品種
  3. 犬の外部形態
  4. 犬の性格
  5. 犬にまつわついろいろな話題

 以前ご紹介した(2009年10月17日)、同じ著者による『犬から探る古代日本人の謎』のその後の研究成果も取り上げられています。

 我が家には、ミニチュア・ダックスフンド2頭とパピヨン1頭がおり、大変、興味深く読ませていただきました。

Tanabe2007


動物考古学・ペットの本3.犬から探る古代日本人の謎

2009年10月17日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ

Tanabe1985

犬から探る古代日本人の謎―ヒトとともに生きてきたイヌの遺伝子が日本人のルーツを語る (二十一世紀図書館 (0066))
価格:¥ 714(税込)
発売日:1985-09

 この本は、田名部雄一さんが、主に、遺伝子から日本におけるイヌのルーツを探った本です。1985年に、二十一世紀図書館0066として、PHP出版から出版されました。田名部さんは、遺伝子から、南方系のイヌが現在は北で飼育されており、北方系のイヌが現在は南で飼育されているという南北逆転現象を遺伝子でつきとめた研究者です。

 本書は、動物考古学そのものの本ではありませんが、イヌの研究の基礎知識として重要だと思います。

  本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  • 序章.なぜイヌで日本人のルーツがわかるのか
  • 第1章.イヌと人間の関係
  • 第2章.日本犬の成立と品種
  • 第3章.遺伝学からのアプローチ
  • 第4章.日本犬を遺伝学で分析する
  • 第5章.イヌ以外の家畜の導入の歴史
  • 第6章.日本人の人類学的特色
  • 第7章.日本人の成立に関する歴史的考察

 ヒトと一緒に移動するイヌは、そのままヒトの移動を示すというのがこの研究の基本です。大変、興味深い結果が示されています。


動物考古学・ペットの本2.イヌの動物学

2009年06月22日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ

イヌの動物学 (アニマルサイエンス) イヌの動物学 (アニマルサイエンス)
価格:¥ 3,360(税込)
発売日:2001-09
 動物考古学は、遺跡から出土した獣骨の研究を行う学問ですが、動物学・行動学・遺伝学・生理学等の分野の知識も必要です。

 この『イヌの動物学』は、山口大学の猪熊 壽さんが、2001年に東京大学出版会から出版した、イヌに関する総合的な本です。この本は、「アニマルサイエンス」という全5巻のシリーズで、本書が第3巻となっています。第1巻は『ウマの動物学』・第2巻は『ウシの動物学』・第4巻は『ブタの動物学』・第5巻は『ニワトリの動物学』という内容です。

 本書の内容は、以下のように、全5章からなります。

  1. 野生から人類の友人へ:進化と家畜化
  2. 狩人としてのイヌ
  3. 群れの生活とイヌの行動
  4. ヒト社会のなかに生きる動物
  5. これからのイヌ学: ヒトとのよりよい関係を求めて

 イヌは、約3万5千年前からヒトと共に生活しており、現代ではネコと共に最も身近なペットの地位をしめています。群馬県では、出土事例はウマ・ウシ・シカ・ブタかイノシシに比べると、あまり多くはありませんが時々出土しています。

 ちなみに、我が家には、ミニチュアダックスフントが2匹・パピヨンが1匹います。

Inokuma2001


動物考古学・ペットの本1.日本産狼の研究

2009年06月08日 | L3.動物考古学の本:ペット(イヌ・ネコ

Naora1965

日本産狼の研究
価格:¥ 21,000(税込)
発売日:1965-10

 この本は、故直良信夫[1902-1985]先生によるもので、1965年に校倉書房から出版されました。『古代遺跡発掘の脊椎動物遺体』・『古代遺跡発掘の家畜遺体』・『日本馬の考古学的研究』と共に、直良信夫先生の四部作と評されるものです。この本は、校倉書房さんから購入可能なようです。

 本書の内容は、以下のように、全3部と附編からなります。

第1部.過去のオオカミ

  1. 日本の化石オオカミ
  2. 新石器時代のオオカミ
  3. 弥生式文化期のオオカミ
  4. 古墳時代のオオカミ

第2部.ニホンオオカミの遺体

  1. 丹沢山彙およびその山麓地域
  2. 丹沢山地捕獲の野犬骨
  3. 十里木峠捕獲のオオカミ頭骨
  4. 足柄山麓の頭骨
  5. 信濃のオオカミ
  6. 山梨県東山梨郡上黒平大森山捕獲の頭骨
  7. 秩父・多摩地方のニホンオオカミ
  8. 福井県下のオオカミ

第3部.日本近周辺地域産のオオカミ

  1. 北海道のエゾオオカミ
  2. 大陸産のオオカミ
  3. 北千島のオオカミ

附.狼とその生活

 本書は、オオカミ(狼)やイヌ(犬)を研究する人にとっての必読書です。