人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

子供向け・人類進化の本15.名探偵コナン推理ファイル・人類の謎

2010年11月30日 | E8.子供向けの本:人類進化[Human Evol

学習まんがシリーズ 名探偵コナン推理ファイル 人類の謎 (小学館学習まんがシリーズ) 学習まんがシリーズ 名探偵コナン推理ファイル 人類の謎 (小学館学習まんがシリーズ)
価格:¥ 998(税込)
発売日:2010-06-15

 この本は、テレビシリーズで有名な名探偵コナンが、人類進化の謎解きを行うものです。青山剛昌さんによる原作・太田 勝さんと窪田一裕さんによるまんがで、2010年に、小学館から出版されました。なお、監修は元国立科学博物館の馬場悠男先生と東京大学の佐倉 統さんによります。

 本書の内容は、以下のように、全6パートからなります。

  1. 奇跡への旅
  2. 時を超える少年
  3. 呪術師の追っ手
  4. ネオ=ネアンデルタールの邨へ
  5. 奇跡の真相
  6. 人類たちの夜明け

 これ以外に、人類の謎捜査メモとして、人類進化についての解説が、以下のように全6章で行われています。

  1. 人類ってナンだ!?
  2. ネアンデルタール人VSクロマニヨン人
  3. ホモ・サピエンス、世界へ
  4. 進化って何だろう?
  5. 人類と社会
  6. そして人類はどこへ行く?

 本書は、人類進化の最新情報を、有名なキャラクターの名探偵コナンを使って、子供向けにわかりやすく解説されており大変、参考になります。

Aoyama_2010


ピルトダウン人捏造事件の洋書7.ピルトダウン

2010年11月29日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt
Piltdown: A Scientific Forgery Piltdown: A Scientific Forgery
価格:¥ 2,577(税込)
発売日:1990-11

 この本は、イギリスで起きた人類学史上最大の捏造事件、「ピルトダウン人事件」についてまとめた本です。原書は、1990年に、元ニューヨーク市立大学の人類学者、フランク・スペンサー[Frank SPENCER]さんにより、オックスフォード大学出版より出版された『Piltdown』です。元々は、オーストラリアのイアン・ランガム(1942-1984)さんが調べていたものを、ランガムさんが突然逝去されたために、スペンサーさんが研究を引き継いで完成させたものです。

 以前、人類学史の本としてご紹介しましたが、日本語での翻訳は、元国立科学博物館の人類学者、山口 敏先生により行われ、1996年にみすず書房より出版されています。

ピルトダウン―化石人類偽造事件 ピルトダウン―化石人類偽造事件
価格:¥ 7,560(税込)
発売日:1996-04

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  1. The Search for Tertiary Man: a plologue to Piltdown
  2. Piltdown: a prima facie case
  3. Bones, stones & egos I: the Piltdown debates 1913
  4. Bones, stones & egos II: the Piltdown debates 1914-1917
  5. Steps to the scafford: the Piltdwn controversy 1918-1950
  6. Scotoanthropus fraudator
  7. Black knights & arrant knaves
  8. Beyond a reasonable doubt?

 本書では、ピルトダウン人の解明に積極的に関わった、イギリスの著名な解剖学者、アーサー・キース(Arthur KEITH)[1866-1955]をチャールズ・ドーソンに協力した犯人だと疑っています。

Spencer_1990

Frank Spencer (1990) "Piltdown"


ピルトダウン人捏造事件の洋書6.パンダの親指・ニワトリの歯

2010年11月28日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

 元ハーヴァード大学の古生物学者で、断続平衡説で著名な故スティーヴン・ジェイ・グールド(Stephen Jay GOULD)[1941-2002]さんが、アメリカの科学雑誌「ナチュラル・ヒストリー」に連載していた科学エッセイをまとめた『パンダの親指』と『ニワトリの歯』に、ピルトダウン人について書いたものが掲載されています。

『パンダの親指』(The Panda's Thumb)

The Panda's Thumb: More Reflections in Natural History The Panda's Thumb: More Reflections in Natural History
価格:¥ 1,456(税込)
発売日:1992-08

 1980年に出版されたもので、第3部Human Evolution(人類進化)の第9章にPiltodown Revisited(ピルトダウン再訪)という文章があります。元は、「ナチュラル・ヒストリー」の1979年5月号に掲載されたものです。

 この中で、グールドさんは、フランス人司祭で古生物学者のピエール・テイヤール・ド・シャルダン(Pierre Teihard de Chardin)[1881-1955]を疑っています。シャルダンは、北京原人やジャワ原人の研究を西洋諸国に紹介していました。また、1908年にフランスからイギリスに行き、イエズス会神学校で勉強をし、1909年にはチャールズ・ドーソンと知遇を得ており、ピルトダウン人の発掘現場も調査しています。

 グールドさんは、シャルダンの手紙から、ヒントを得ています。

Gould_1980

 この『パンダの親指』は、櫻町翠軒さんによる翻訳で、1986年に、早川書房から上下巻で出版されています。なお、「ピルトダウン再訪」は、上巻に掲載されています。

Gould_1986

パンダの親指〈上〉―進化論再考 (ハヤカワ文庫NF) パンダの親指〈上〉―進化論再考 (ハヤカワ文庫NF)
価格:¥ 672(税込)
発売日:1996-08

『ニワトリの歯』(Hen's Teeth and Horse's Toes)[原題を直訳すると、メンドリの歯とウマの蹄となるでしょうか?]

Hen's Teeth and Horse's Toes: Further Reflections in Natural History Hen's Teeth and Horse's Toes: Further Reflections in Natural History
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:1994-04

 1983年に出版されたもので、第4部Teilhard and Piltdown(テイヤールとピルトダウン)の第16章The Piltdown Conspiracy(ピルトダウンの陰謀)・第17章A Reply to Critics(批判への返答)・第18章Our Natural Place(自然界における我々の位置)という文章が、ピルトダウン人について言及されています。

 『パンダの親指』と同様に、テイヤール・ド・シャルダンを疑っています。本書では、その批判に対する返答も含まれます。

Gould_1983

 この『ニワトリの歯』は、渡辺政隆さんと三中信宏さんによる翻訳で、1988年に、早川書房から上下巻で出版されています。なお、「ピルトダウン人関連」は、下巻に掲載されています。

ニワトリの歯―進化論の新地平〈下〉 (ハヤカワ文庫NF) ニワトリの歯―進化論の新地平〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)
価格:¥ 714(税込)
発売日:1997-11

Gould_1988


ピルトダウン人捏造事件の洋書5.ピルトダウン人問題の検討

2010年11月27日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Blinderman_1986

The Piltdown Inquest
価格:¥ 2,487(税込)
発売日:1986-12

 この本は、アメリカのクラーク大学のチャールズ・ブラインダーマン(Charles BLINDERMAN)さんが、ピルトダウン人問題について書いたものです。原題は、『The Piltdown Inquest』で、1986年に、Prometheus Booksから出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全3部15章からなります。

第1部.The Crime

  • 1. The Piltdown Pit
  • 2. The Rise of Piltdown Man
  • 3. The Sleptics
  • 4. Between the Wars
  • 5. Expose

第2部.The Criminal

  • 6. Profile of a Hoaxer
  • 7. Prime Suspect: Charles Dawson
  • 8. A Curator, an Analyst, and a Chemist
  • 9. The French Connection: Teilhard de Chardin
  • 10. The British Museum: M.A.C. Hinton et al.
  • 11. The Adventure of Queer Street: Arthur Conan Doyle
  • 12. Hunter of Ancients: W. J. Sollas
  • 13. A Counterfeiter: W. J. Lewis Abbott
  • 14. Pilton Man: Grafton Elliot Smith

第3部.The Verdict

  • 15. Piltdown Man on Trial

 本書では、第1部でピルトダウン人捏造事件のあらましを、第2部で犯人と思われる人物を、第3部で判決としています。本書では、ウィリアム・ジェームズ・ルイス・アボット(William James Lewis ABBOTT)を犯人だとしています。


ピルトダウン人捏造事件の洋書4.ピルトダウン人

2010年11月26日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Millar_1972

Piltdown Men
価格:¥ 441(税込)
発売日:1972-07-27

 この本は、ロナルド・ミラー(Ronald MILLAR)[1919-1998]さんが、ピルトダウン人について書いたものです。原題は『The Piltdown Men』で、1972年に、Gollancz社から出版されました。

 本書の内容は、以下の通りです。

  • Introduction
  • The Piltdown Men

その他、AppendicesとTablesが含まれます。

 本書では、ピルトダウン人事件の黒幕がドーソン以外で誰かということで、グラフトン・エリオット・スミス(Grafton Elliott Smith)[1871-1937]を疑っています。このスミスは、オーストラリア生まれで、カイロ医科大学・マンチェスター大学医学部・ロンドン大学ユニヴァーシティカレッジに勤務した著名な解剖学者です。

 スミスは、エジプトのカイロ医科大学に勤務していた頃からミイラの研究を行い、マンチェスター大学に移籍してからもミイラ研究を継続しました。この頃、人類の文化は優位な場所からその他の地域に伝播していったという一元論的な伝播主義を唱えて本も書いています。スミスは、エジプトから文明が伝播していったと考えました。

 確かに、ピルトダウン人は、当時としては脳容量が大きく、イギリスから伝播していったと考えるには重要な化石であったのかもしれません。しかし、スミスはピルトダウン人の脳の鋳型の研究を行っており、本当に黒幕であったかどうかは定かではありません。


ピルトダウン人捏造事件の洋書3.ピルトダウンの偽造

2010年11月25日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt
The Piltdown Forgery The Piltdown Forgery
価格:¥ 1,516(税込)
発売日:2004-01-29

 この本は、オックスフォード大学のジョセフ・ワイナー(Joseph S. WEINER)[1915-1982]さんが、ピルトダウン人問題についてまとめた本です。初版は、1953年に出版されています。その後、本書出版50周年を記念して、2003年にロンドン自然史博物館(大英自然史博物館)の人類学者、クリス・ストリンガー(Chris STRINGER)さんによる序文と解説がつけられたものが、オックスフォード大学出版から出版されました。原題は、『The Piltdown Forgery』です。

 本書の新版の内容は、以下の通りです。

  • Introduction (Chris STRINGER)
  • Preface
  1. A Darwinian Prediction
  2. An Impasse
  3. An Hypothesis
  4. The Jaw Displaced
  5. Flint and Fauna
  6. The Full Extent
  7. The Principals and Their Part
  8. Some Others
  9. Lineaments of the Forger
  10. Events Reconsidered
  11. Entanglement
  12. The Eye Wink
  13. The Sussex Wizard
  14. The Question of Complicity
  • Epilogue
  • Afterward: Piltdown 2003 (Chris STRINGER)

 本書は、実際に、ピルトダウン人問題を解決に導いたジョセフ・ワイナーがまとめたもので、ピルトダウン人に関する基本となるものです。本書では、偽造した犯人として発見者のチャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)[1864-1916]を強く疑っています。実際、ドーソンは、ピルトダウン人以外にもカエルの化石を捏造したりしていることが後に判明しています。但し、後書きで、クリス・ストリンガーが書いているように、ドーソンに人類学の知識があったとは考えられず、専門家の誰かがアドバイザーとして裏で動いた可能性もあると思われます。

Weiner2003

2003年版の表紙[J. S. Weiner (2003)]

Weiner1955

1980年版(Dover Publishing)の表紙[J. S. Weiner (1980)]


ピルトダウン人捏造事件の洋書2.ピルトダウン人問題の解決へのさらなる寄稿

2010年11月24日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Weiner_et_al_1955

 これは、ピルトダウン人問題を更に解決するために、オックスフォード大学のジョセフ・ワイナーさん(Joseph S. WEINER)[1915-1982]とウィルフリッド・ル・グロ・クラークさん(Wilfrid E. LE GROS CLARK)[1895-1971]、大英自然史博物館のケネス・オークリーさん(Kenneth P. OAKLEY)[1911-1981]等が、1955年に大英自然史博物館地質研究部紀要に書いたものです。

 原題は『Further  Contributions to the Solution of the Piltdown Problem』で、Bulletin of the British Museum (Natural History)・Geology、Vol.2・No.6のp.227~287と写真プレート5葉に掲載されました。

 本書の内容は、以下のように、全12章からなります。

Introduction (Sir Gavin de BEER)

  1. Outline of the Piltdown Problem (J. S. Weiner)
  2. An Anatomical Study of the Piltdown Teeth and the so-called Tubinal Bone (W. E. Le Gros Clark)
  3. The Piltdown "Implements" (K. P. Oakley)
  4. The Piltdown Mammalia (K. P. Oakley)
  5. The Composition of the Piltdown Hominoid Remains (K. P. Oakley)
  6. Chemical Changes in Bones: a Note on the Analyses (C. F. M. Fryd)
  7. The X-ray Crystallography of the Piltdown Fossils (G. F. Claringbull & M. H. Hey)
  8. The Black Coating on the Piltdown Neighbourhood (A. E. A. Werner & R. J. Plesters)
  9. The Geology of the Piltdown Neighbourhodd (F. H. Edmunds)
  10. The Radioactivity of the Piltdown Fossils (S. H. U. Bowie & C. F. Davidson)
  11. The Fluorine Determination of Uranium in the Piltdown Fossils (A. D. Baynes-Cope)
  12. References

 本書は、1953年にワイナー、オークリー、ル・グロ・クラークで出版したものの続編で、更に多くの理化学的検査がなされた結果が書かれています。


ピルトダウン人捏造事件の洋書1.ピルトダウン人問題の解決

2010年11月23日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Weiner_et_al_1953

 これは、ピルトダウン人問題を解決するために、オックスフォード大学のジョセフ・ワイナーさんと(Joseph S. WEINER)[1915-1982]とウィルフリッド・ル・グロ・クラークさん(Wilfrid E. LE GROS CLARK)[1895-1971]、大英自然史博物館のケネス・オークリーさん(Kenneth P. OAKLEY)[1911-1981]、が、1953年に大英自然史博物館地質研究部紀要に書いたものです。

 原題は『The Solution of The Piltdown Problem』で、Bulletin of the British Museum (Natural History)・Geology、Vol.2・No.3&No.4のp.141~146と写真プレート2葉に掲載されました。

 ピルトダウン人(Piltdown Man)とは、1909年~1911年に、イギリスのイースト・サセックス州アックフィールド近郊のピルトダウンで発見された化石のことで、弁護士のチャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)[1864-1916]等が発見しています。

 この化石は、頭蓋骨・下顎骨・歯が出土していましたが、頭蓋骨は大きく、下顎骨や歯はサルに似て原始的でした。この化石に、大英自然史博物館の古生物学者、アーサー・スミス・ウッドワード(Arthur Smith WOODWARD)[1864-1943]等は、エオアントロプス・ドーソニ(Eoanthropus Dawsoni)[ドーソンが発見した曙人類]と命名し、当時のイギリス人類学界は祖先として認めました。

 当時は、まだ多くの人類化石が発見されておらず、比較検討することが困難でした。この化石が偽物と判明するまでに、世界中で約250編にものぼる賛否両論の論文が出版されています。

 この問題を検討するために、オークリーはフッ素法により、化石のフッ素含有量を測定しました。このフッ素法は、1949年に開発され、1950年に報告された新しい方法でした。また、ワイナーやル・グロ・クラークは形態を類人猿とも比較しました。その結果、頭蓋骨は数千年程度の古さであるが、下顎骨・犬歯・大臼歯は新しく、しかもオランウータンのものであることが判明しました。しかも、下顎骨や歯は、古く見せるために着色しており、かつ、歯はやすりで磨り減らしていました。

 ちなみに、フッ素含有量は、ピルトダウンⅠの頭蓋骨が0.1%・ピルトダウンⅡの前頭骨が0.1%・ピルトダウンⅡの後頭骨が0.03%・下顎骨が0.03%以下・下顎骨の大臼歯が0.04%以下・犬歯が0.03%以下・ピルトダウンⅡの遊離大臼歯が0.01%以下と測定されています。

 このピルトダウン人問題が無ければ、南アフリカでのアウストラロピテクス・アフリカヌスの発見やインドネシアのピテカントロプス・エレクトス(ホモ・エレクトス)の発見は、素直に受け入れられていたかもしれません。なぜなら、南アフリカでの猿人やインドネシアでの原人の化石は、頭蓋骨は小さく脳容量も少なかったのですが、すでに、直立二足歩行をしていたことが判明していたからです。ところが、ピルトダウン人はこの逆であり、ピルトダウン人を容認した研究者は、頭が大きくなってから直立二足歩行を始めたと考えており、人類の祖先とは考えられず、化石サルだという烙印を押されてしまいました。


動物考古学の洋書21.考古学者のための骨学

2010年11月22日 | L6.動物考古学の洋書[Zooarchaeology:

Olsen1979

Osteology for the Archaeologist: American Mastadon and the Woolly Mammoth; North American Birds: Skulls and Mandibles; North American Birds: Postcranial Skeletons (Harvard University. Peabody Museum of Archeology and Ethnology. Papers, Vol 56, No 3-5)
価格:¥ 3,006(税込)
発売日:2004-12-01

 この本は、アメリカの動物考古学者のスタンリー・オルセン(Stanley John OLSEN)[1919-2003]さんが、北アメリカの遺跡出土マストドン・マンモス・鳥類の同定法について書いたものです。原題は、『Osteology for the Archaeologist』で、1979年にハーヴァード大学ピーボディ博物館から出版されました。

 著者のオルセンさんは、アメリカにおける動物考古学の創始者の一人で、多くの骨学の教科書を書いている方です。著名な古生物学者のアルフレッド・シャーウッド・ローマー(Alfred Sherwood ROMER)[1894-1973]の助手として骨学の研鑽を積み、その後、フロリダ州立大学やアリゾナ大学で動物考古学の教鞭をとっていました。

 本書の内容は、以下のように、No.3・No.4・No.5の3つに分かれます。

  • No.3.マストドンとマンモス(The American Mastodon and the Woolly Mammoth)
  • No.4.北米の鳥類:頭蓋骨と下顎骨(North American Birds: Skulls and Mandibles)
  • No.5.北米の鳥類:四肢骨(North American Birds: Postcranial Skeletons)

 本書は、北アメリカ出土獣骨についてですが、鳥類の骨学については、日本国内でもそう多くは出版されていないので、大変、参考になります。


人類学史の洋書10.人種・文化・進化

2010年11月21日 | H2.人類学史の洋書[Hitory of Anthropo
Race, Culture, and Evolution: Essays in the History of Anthropology (Phoenix Series) Race, Culture, and Evolution: Essays in the History of Anthropology (Phoenix Series)
価格:¥ 3,101(税込)
発売日:1982-04

 この本は、シカゴ大学人類学部名誉教授のジョージ・ストッキング(George W. STOCKING)さんが、人類学の歴史について書いたものです。原題は、『Race, Culture, and Evolution』で、1982年に、シカゴ大学出版から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全11章からなります。

  1. On the Limits of "Presentism " and "Historicism" in the Historiography of the Behavioral Sciences
  2. French Anthropology in 1800
  3. The Persistence of Polygenist Thought in Post-Darwinian Anthropology
  4. Matthew Arnold, E. B. Tylor, and the Uses of Invention
  5. "Cultural Darwinism" and "Philosophical Idealism" in E. B. Tylor
  6. The Dark-Skinned Savage: The Image of Primitive Man in Evolutionary Anthropology
  7. From Physics to Ethnology
  8. The Critique of Racial Formalism
  9. Franz Boas and the Culture Concept in Historical Perspective
  10. Lamarckianism in American Social Science, 1890-1915
  11. The Scientific Reaction Against Cultural Anthropology, 1917-1920

 本書は、広い意味での人類学の歴史が書かれており、参考になります。

Stocking1968


人類学史の洋書9.骨・身体・行動

2010年11月20日 | H2.人類学史の洋書[Hitory of Anthropo
Bones, Bodies, Behavior: Essays on Biological Anthropology (History of Anthropology, Vol.5) Bones, Bodies, Behavior: Essays on Biological Anthropology (History of Anthropology, Vol.5)
価格:¥ 2,143(税込)
発売日:1990-09

 この本は、シカゴ大学人類学部名誉教授のジョージ・ストッキング(George W. STOCKING)さんによる編で、生物人類学の歴史についての8編の論文が掲載されています。原題は、『Bones, Bodies, Behavior』で、1988年に人類学の歴史シリーズ第5巻としてウィスコンシン大学出版から出版されました。ちなみに、この歴史シリーズの第1巻~4巻は、主に、文化人類学と社会人類学の歴史について書かれています。

 本書の内容は、以下のように、全8編からなります。

  • Bones, Bodies, Behavior (George W. STOCKING, Jr.)
  • On the Origins of French Ethnology: William Edwards and the Doctrine of Race (Claude BLAMCKAERT)
  • The Minds of Beavers and the Minds of Humans: Natural Suggestion, Natural Selection, and Experiment in the Work of Lewis Henry Morgan (Marc SWETLITZ)
  • Prologue to a Scientific Forgery: The British Eolithic Movement from Abbeville to Piltdown (Frank SPENCER)
  • The Shadow Man Paradigm in Paleoanthropology, 1911-1945 (Michae; HAMMOND)
  • From Anthropologie to Rassenkunde in the German Anthropological Tradition (Robert PROCTOR)
  • Mobilizing Scientists against Nazi Racism, 1933-1939 (Elazar BARKAN)
  • Remodelling the Human Way of Life: Sherwood WASHBURN and the New Physical Anthropology, 1950-1980 (Donna J. HARAWAY)

 本書の中でも、スペンサーさんとハモンドさんによる2編の論文は、有名なピルトダウン人について言及されており、大変、参考になります。

Stocking1988


動物考古学の洋書20.骨

2010年11月19日 | L6.動物考古学の洋書[Zooarchaeology:
Bones: Ancient Men and Modern Myths Bones: Ancient Men and Modern Myths
価格:¥ 4,065(税込)
発売日:1981-07

 この本は、アメリカの民族考古学者、ルイス・ビンフォード(Lewis BINFORD)[1930-]さんが、民族考古学から見た骨について書いたものです。原題は、『Bones: Ancient Men and Modern Myths』で、1981年に、アカデミック・プレス(Academic Press)社から出版されました。

 ビンフォードさんは、ノース・カロライナ大学とミシガン大学で教育を受け、長年ニューメキシコ大学に勤務ていた方です。戦後は、沖縄で米軍の通訳をしていた時期もあったそうです。

 本書の内容は、以下のように、全3部7章からなります。

PartⅠ.Documenting a long-term archaeological problem: Concepts and observations

Chapter1.Relics to artifacts and monuments to assemblages: Changing conceptual frameworks

Chapter2.Middle-range research and the role of actualistic studies

PartⅡ.Middle-range research: In search of methodology

Chapter3.Patterns of bone modifications produced by nonhuman agents

Chapter4.Human modes of bone modification

Chapter5.Assemblage composition: Patterns of association stemming from the behavior of man versus that of best

PartⅢ.Putting our knowledge to work: Seeking to know the past

Chapter6.Application: A new look at Olduvai Gorge

Chapter7.General conclusions

 ビンフォードさんは、現代の狩猟民を調査し、狩猟動物の解体法や解体の際についた傷(カッティング・マーク)を詳細に記録した上で、その知識を遺跡出土獣骨に応用して分析しており、動物考古学に大変、参考になります。

Bihford1981


動物考古学・家畜の本25.近代・馬と日本史4(馬の文化叢書5)

2010年11月18日 | L2.動物考古学の本:家畜(ウマ・ウシ・

Kanzaki1994

 この本は、神崎宣武さんによる編で、全10巻の『馬の文化叢書』第5巻として1994年に馬事文化財団から出版されました。アマゾンで検索しましたが、ヒットしませんでしたのでリンクさせていません。私は、数年前に古本屋から購入しました。

 本書の内容は、以下の通りです。

馬産と流通

  • 牧畜・乳業の展開:馬(松野 弘)
  • 三河馬盛衰記(堀江正臣)
  • 馬産地・釧路の成立とその崩壊(寺島敏治)
  • 歴史の道・馬の道(山森芳郎)

農用馬

  • 犂耕をひろめた人々:馬耕教師群像(香月節子)
  • 北海道地方における農用馬:清水町・岩見沢市・東川町の事例を中心に(安藤 哲)

駄馬と輓馬

  • 中馬の習俗(下伊那教育委員会歴史委員会)
  • 中付駑者の習俗(須藤 護)
  • 輓馬の手引(日本通運株式会社)
  • 高崎郵便馬車会社(篠原 宏)
  • 坑内馬(武松輝男)

軍用馬

  • 軍馬の研究(菊池正助)
  • 軍馬補充部川上支部と標茶(寺島敏治)
  • 軍馬補充部あれこれ(新渡戸憲之)

解題(神崎宣武)


動物考古学・家畜の本24.馬の科学

2010年11月17日 | L2.動物考古学の本:家畜(ウマ・ウシ・
馬の科学―サラブレッドはなぜ速いか (ブルーバックス) 馬の科学―サラブレッドはなぜ速いか (ブルーバックス)
価格:¥ 987(税込)
発売日:1986-10

 この本は、日本中央競馬会競走馬総合研究所編により、馬の概説について書かれたものです。1986年に、ブルーバックスとして、講談社から出版されました。日本中央競馬会が発行する季刊誌『馬銜(はみ)』に、競走馬総合研究所職員が分担執筆した「ホース・サイエンス」が元になっています。

 本書の内容は、以下のように、全16章からなります。

  1. 馬とはどんな動物か
  2. 日本の馬のルーツをさぐる
  3. 馬の肢
  4. 馬の筋肉
  5. 馬の歯
  6. 馬の被毛
  7. 馬の心臓
  8. サラブレッドの血液
  9. 馬の消化器
  10. 馬の力
  11. 馬の眼
  12. 馬の耳
  13. 馬の鼻
  14. 馬の知能
  15. 馬の群れ
  16. 馬の生殖とヒート

 本書は、直接動物考古学の本ではありませんが、馬の概要を知るのに最適の本です。

Umanokagaku1986


動物考古学・家畜の本23.近世・馬と日本史3(馬の文化叢書4)

2010年11月16日 | L2.動物考古学の本:家畜(ウマ・ウシ・

Hayashi1993

 この本は、元立教大学の林 英夫さんによる編で、全10巻の『馬の文化叢書』第4巻として1993年に馬事文化財団から出版されました。アマゾンで検索しましたが、ヒットしませんでしたのでリンクさせていません。私は、数年前に古本屋から購入しました。

 本書の内容は、以下の通りです。

牧・馬産

  • 近世における幕府牧の経営(荒居英次)
  • 秋田藩の馬産(越中正一)
  • 南部の馬(森 嘉兵衛)
  • 仙台藩に於ける蕃殖用牝馬補充方法の沿革(佐藤清明)
  • 福島県諸藩の産馬および産馬政策(誉田 宏)
  • 水戸藩における馬産の発展(野上 平)
  • 享保期の下総小金牧について(大谷貞夫)
  • 近世における木曾の毛附馬制度と木曾馬の生産(生駒勘七)
  • 福岡藩寛政の牛馬牧仕組(能美安男)
  • 沖縄の馬場に関する調査覚書(長嶺 操)

馬喰・馬の流通

  • 徳川時代に於ける馬市に関する研究(出羽卓次郎)
  • 近世奥州道中踏瀬宿にみる駒付役(片山由紀子)

街道・交通・運輸

  • 中奥街道の仲附駑者(渡辺一郎)
  • 信濃松本地方における流通機構の変質課程(小野木大乗)
  • 三河山間部における商品流通の展開(乾 宏巳)
  • 江戸末期信州中馬・手馬論争(青木教司)
  • 江戸伝馬町と甲斐九一色郷の係争(児玉幸多)
  • 東海道における人馬賃銭について(山本光正)
  • 東海道三島宿の継立事情(大山敷太郎)
  • 中山道木曾十一宿人馬基準数の特殊性と伝馬組織の概要(生駒勘七)
  • 筑前六宿の人馬仕組について(近藤典二)

洋種馬

  • 徳川吉宗の洋馬輸入と和蘭馬術師の渡来(斎藤阿具)
  • 徳川吉宗の洋牛馬輸入とその影響(荒居英次)

馬と武士

  • 遠馬と遠足(渡辺一郎)

解題(林 英夫)