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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

ピルトダウン人捏造事件の洋書10.ピルトダウン人

2010年12月03日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt
Piltdown Man: The Secret Life of Charles Dawson & The World's Greatest Archaeological Hoax (Revealing History) Piltdown Man: The Secret Life of Charles Dawson & The World's Greatest Archaeological Hoax (Revealing History)
価格:¥ 2,065(税込)
発売日:2004-03

 この本は、イギリスのブールネマウス大学(Bournemouth University)の考古学者、マイルズ・ラッセル(Miles RUSSELL)さんが、ピルトダウン人について書いたものです。原題は、『Piltdown Man』で、副題にチャールズ・ドーソンの隠された生活と世界最大の考古学捏造とあります。2003年に、Tempus Publishingから出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全13章からなります。

  1. Introducing Dawson
  2. Monsters in the Weald
  3. Secrets of the Dungeon
  4. Sticks and Stones
  5. An Age of Iron
  6. Antler, Bronze, and Underwater Forests
  7. The Pevensey Bricks
  8. The Sincerest Form of Flattery?
  9. Weird Nature
  10. Time and Space
  11. Piltdown Man I
  12. Piltdown Man II and III
  13. A Brief History of Crime

 その他、附録2点がついています。本書では、チャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)を疑っています。

Russell_2003

Miles Russell (2003) "Piltdown Man"


ピルトダウン人捏造事件の洋書9.ピルトダウンを解く

2010年12月02日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt
Unraveling Piltdown:: The Science Fraud of the Century and Its Solution Unraveling Piltdown:: The Science Fraud of the Century and Its Solution
価格:¥ 2,229(税込)
発売日:1996-08-27

 この本は、アメリカの歴史家のジョン・エヴァンゲリスト・ウォルシュ(John Evangelist WALSH)さんが、ピルトダウン人について書いたものです。原題は、『Unraveling Piltdown』で、副題には世紀の科学捏造と解決とあります。1996年に、ランダム・ハウス社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全12章からなります。

  1. Curtain Falling: A Paleontologist Retires
  2. The Oldest Humanoid: Man's Brain, Jaw of a Beast
  3. Challenging the Skull: Mistake or Missing Link?
  4. The Sheffield Park Find: A Matter of Probability
  5. Curtain Rising: The Unthinkable is Thought
  6. Pursuing Dawson: Master of the Intermediate
  7. List of Suspects: Then There were Eleven
  8. The Writer Accused: Sir Arthur Conan Doyle
  9. The Priest Accused: Teilhard de Chardin
  10. The Anatomist Accused: Sir Arthur Keith
  11. The Wizard of Lewes: A Very Curious Career
  12. Return to the Pit: How it was Done

 本書では、チャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)を疑っています。

Walsh_1996

John Evangelist Walsh (1996) "Unraveling Piltdown"


ピルトダウン人捏造事件の洋書8.ピルトダウンの告白

2010年12月01日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Schwartz_1994

The Piltdown Confession: A Novel
価格:¥ 1,800(税込)
発売日:1994-07

 この本は、アメリカの翻訳家のアーウィン・シュワルツ(Irwin SCHWARTZ)さんが、ピルトダウン人について書いたものです。原題は、『The Piltdown Confession』で、副題にA Novelとついているように、小説という形をとっています。1994年に、A Wyatt Book for St. Martin's Pressから出版されました。

 本書では、主犯がチャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)で、協力者をウィリアム・ジェームズ・ルイス・アボット(William James Lewis ABBOTT)だと疑っています。


ピルトダウン人捏造事件の洋書7.ピルトダウン

2010年11月29日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt
Piltdown: A Scientific Forgery Piltdown: A Scientific Forgery
価格:¥ 2,577(税込)
発売日:1990-11

 この本は、イギリスで起きた人類学史上最大の捏造事件、「ピルトダウン人事件」についてまとめた本です。原書は、1990年に、元ニューヨーク市立大学の人類学者、フランク・スペンサー[Frank SPENCER]さんにより、オックスフォード大学出版より出版された『Piltdown』です。元々は、オーストラリアのイアン・ランガム(1942-1984)さんが調べていたものを、ランガムさんが突然逝去されたために、スペンサーさんが研究を引き継いで完成させたものです。

 以前、人類学史の本としてご紹介しましたが、日本語での翻訳は、元国立科学博物館の人類学者、山口 敏先生により行われ、1996年にみすず書房より出版されています。

ピルトダウン―化石人類偽造事件 ピルトダウン―化石人類偽造事件
価格:¥ 7,560(税込)
発売日:1996-04

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  1. The Search for Tertiary Man: a plologue to Piltdown
  2. Piltdown: a prima facie case
  3. Bones, stones & egos I: the Piltdown debates 1913
  4. Bones, stones & egos II: the Piltdown debates 1914-1917
  5. Steps to the scafford: the Piltdwn controversy 1918-1950
  6. Scotoanthropus fraudator
  7. Black knights & arrant knaves
  8. Beyond a reasonable doubt?

 本書では、ピルトダウン人の解明に積極的に関わった、イギリスの著名な解剖学者、アーサー・キース(Arthur KEITH)[1866-1955]をチャールズ・ドーソンに協力した犯人だと疑っています。

Spencer_1990

Frank Spencer (1990) "Piltdown"


ピルトダウン人捏造事件の洋書6.パンダの親指・ニワトリの歯

2010年11月28日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

 元ハーヴァード大学の古生物学者で、断続平衡説で著名な故スティーヴン・ジェイ・グールド(Stephen Jay GOULD)[1941-2002]さんが、アメリカの科学雑誌「ナチュラル・ヒストリー」に連載していた科学エッセイをまとめた『パンダの親指』と『ニワトリの歯』に、ピルトダウン人について書いたものが掲載されています。

『パンダの親指』(The Panda's Thumb)

The Panda's Thumb: More Reflections in Natural History The Panda's Thumb: More Reflections in Natural History
価格:¥ 1,456(税込)
発売日:1992-08

 1980年に出版されたもので、第3部Human Evolution(人類進化)の第9章にPiltodown Revisited(ピルトダウン再訪)という文章があります。元は、「ナチュラル・ヒストリー」の1979年5月号に掲載されたものです。

 この中で、グールドさんは、フランス人司祭で古生物学者のピエール・テイヤール・ド・シャルダン(Pierre Teihard de Chardin)[1881-1955]を疑っています。シャルダンは、北京原人やジャワ原人の研究を西洋諸国に紹介していました。また、1908年にフランスからイギリスに行き、イエズス会神学校で勉強をし、1909年にはチャールズ・ドーソンと知遇を得ており、ピルトダウン人の発掘現場も調査しています。

 グールドさんは、シャルダンの手紙から、ヒントを得ています。

Gould_1980

 この『パンダの親指』は、櫻町翠軒さんによる翻訳で、1986年に、早川書房から上下巻で出版されています。なお、「ピルトダウン再訪」は、上巻に掲載されています。

Gould_1986

パンダの親指〈上〉―進化論再考 (ハヤカワ文庫NF) パンダの親指〈上〉―進化論再考 (ハヤカワ文庫NF)
価格:¥ 672(税込)
発売日:1996-08

『ニワトリの歯』(Hen's Teeth and Horse's Toes)[原題を直訳すると、メンドリの歯とウマの蹄となるでしょうか?]

Hen's Teeth and Horse's Toes: Further Reflections in Natural History Hen's Teeth and Horse's Toes: Further Reflections in Natural History
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:1994-04

 1983年に出版されたもので、第4部Teilhard and Piltdown(テイヤールとピルトダウン)の第16章The Piltdown Conspiracy(ピルトダウンの陰謀)・第17章A Reply to Critics(批判への返答)・第18章Our Natural Place(自然界における我々の位置)という文章が、ピルトダウン人について言及されています。

 『パンダの親指』と同様に、テイヤール・ド・シャルダンを疑っています。本書では、その批判に対する返答も含まれます。

Gould_1983

 この『ニワトリの歯』は、渡辺政隆さんと三中信宏さんによる翻訳で、1988年に、早川書房から上下巻で出版されています。なお、「ピルトダウン人関連」は、下巻に掲載されています。

ニワトリの歯―進化論の新地平〈下〉 (ハヤカワ文庫NF) ニワトリの歯―進化論の新地平〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)
価格:¥ 714(税込)
発売日:1997-11

Gould_1988


ピルトダウン人捏造事件の洋書5.ピルトダウン人問題の検討

2010年11月27日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Blinderman_1986

The Piltdown Inquest
価格:¥ 2,487(税込)
発売日:1986-12

 この本は、アメリカのクラーク大学のチャールズ・ブラインダーマン(Charles BLINDERMAN)さんが、ピルトダウン人問題について書いたものです。原題は、『The Piltdown Inquest』で、1986年に、Prometheus Booksから出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全3部15章からなります。

第1部.The Crime

  • 1. The Piltdown Pit
  • 2. The Rise of Piltdown Man
  • 3. The Sleptics
  • 4. Between the Wars
  • 5. Expose

第2部.The Criminal

  • 6. Profile of a Hoaxer
  • 7. Prime Suspect: Charles Dawson
  • 8. A Curator, an Analyst, and a Chemist
  • 9. The French Connection: Teilhard de Chardin
  • 10. The British Museum: M.A.C. Hinton et al.
  • 11. The Adventure of Queer Street: Arthur Conan Doyle
  • 12. Hunter of Ancients: W. J. Sollas
  • 13. A Counterfeiter: W. J. Lewis Abbott
  • 14. Pilton Man: Grafton Elliot Smith

第3部.The Verdict

  • 15. Piltdown Man on Trial

 本書では、第1部でピルトダウン人捏造事件のあらましを、第2部で犯人と思われる人物を、第3部で判決としています。本書では、ウィリアム・ジェームズ・ルイス・アボット(William James Lewis ABBOTT)を犯人だとしています。


ピルトダウン人捏造事件の洋書4.ピルトダウン人

2010年11月26日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Millar_1972

Piltdown Men
価格:¥ 441(税込)
発売日:1972-07-27

 この本は、ロナルド・ミラー(Ronald MILLAR)[1919-1998]さんが、ピルトダウン人について書いたものです。原題は『The Piltdown Men』で、1972年に、Gollancz社から出版されました。

 本書の内容は、以下の通りです。

  • Introduction
  • The Piltdown Men

その他、AppendicesとTablesが含まれます。

 本書では、ピルトダウン人事件の黒幕がドーソン以外で誰かということで、グラフトン・エリオット・スミス(Grafton Elliott Smith)[1871-1937]を疑っています。このスミスは、オーストラリア生まれで、カイロ医科大学・マンチェスター大学医学部・ロンドン大学ユニヴァーシティカレッジに勤務した著名な解剖学者です。

 スミスは、エジプトのカイロ医科大学に勤務していた頃からミイラの研究を行い、マンチェスター大学に移籍してからもミイラ研究を継続しました。この頃、人類の文化は優位な場所からその他の地域に伝播していったという一元論的な伝播主義を唱えて本も書いています。スミスは、エジプトから文明が伝播していったと考えました。

 確かに、ピルトダウン人は、当時としては脳容量が大きく、イギリスから伝播していったと考えるには重要な化石であったのかもしれません。しかし、スミスはピルトダウン人の脳の鋳型の研究を行っており、本当に黒幕であったかどうかは定かではありません。


ピルトダウン人捏造事件の洋書3.ピルトダウンの偽造

2010年11月25日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt
The Piltdown Forgery The Piltdown Forgery
価格:¥ 1,516(税込)
発売日:2004-01-29

 この本は、オックスフォード大学のジョセフ・ワイナー(Joseph S. WEINER)[1915-1982]さんが、ピルトダウン人問題についてまとめた本です。初版は、1953年に出版されています。その後、本書出版50周年を記念して、2003年にロンドン自然史博物館(大英自然史博物館)の人類学者、クリス・ストリンガー(Chris STRINGER)さんによる序文と解説がつけられたものが、オックスフォード大学出版から出版されました。原題は、『The Piltdown Forgery』です。

 本書の新版の内容は、以下の通りです。

  • Introduction (Chris STRINGER)
  • Preface
  1. A Darwinian Prediction
  2. An Impasse
  3. An Hypothesis
  4. The Jaw Displaced
  5. Flint and Fauna
  6. The Full Extent
  7. The Principals and Their Part
  8. Some Others
  9. Lineaments of the Forger
  10. Events Reconsidered
  11. Entanglement
  12. The Eye Wink
  13. The Sussex Wizard
  14. The Question of Complicity
  • Epilogue
  • Afterward: Piltdown 2003 (Chris STRINGER)

 本書は、実際に、ピルトダウン人問題を解決に導いたジョセフ・ワイナーがまとめたもので、ピルトダウン人に関する基本となるものです。本書では、偽造した犯人として発見者のチャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)[1864-1916]を強く疑っています。実際、ドーソンは、ピルトダウン人以外にもカエルの化石を捏造したりしていることが後に判明しています。但し、後書きで、クリス・ストリンガーが書いているように、ドーソンに人類学の知識があったとは考えられず、専門家の誰かがアドバイザーとして裏で動いた可能性もあると思われます。

Weiner2003

2003年版の表紙[J. S. Weiner (2003)]

Weiner1955

1980年版(Dover Publishing)の表紙[J. S. Weiner (1980)]


ピルトダウン人捏造事件の洋書2.ピルトダウン人問題の解決へのさらなる寄稿

2010年11月24日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Weiner_et_al_1955

 これは、ピルトダウン人問題を更に解決するために、オックスフォード大学のジョセフ・ワイナーさん(Joseph S. WEINER)[1915-1982]とウィルフリッド・ル・グロ・クラークさん(Wilfrid E. LE GROS CLARK)[1895-1971]、大英自然史博物館のケネス・オークリーさん(Kenneth P. OAKLEY)[1911-1981]等が、1955年に大英自然史博物館地質研究部紀要に書いたものです。

 原題は『Further  Contributions to the Solution of the Piltdown Problem』で、Bulletin of the British Museum (Natural History)・Geology、Vol.2・No.6のp.227~287と写真プレート5葉に掲載されました。

 本書の内容は、以下のように、全12章からなります。

Introduction (Sir Gavin de BEER)

  1. Outline of the Piltdown Problem (J. S. Weiner)
  2. An Anatomical Study of the Piltdown Teeth and the so-called Tubinal Bone (W. E. Le Gros Clark)
  3. The Piltdown "Implements" (K. P. Oakley)
  4. The Piltdown Mammalia (K. P. Oakley)
  5. The Composition of the Piltdown Hominoid Remains (K. P. Oakley)
  6. Chemical Changes in Bones: a Note on the Analyses (C. F. M. Fryd)
  7. The X-ray Crystallography of the Piltdown Fossils (G. F. Claringbull & M. H. Hey)
  8. The Black Coating on the Piltdown Neighbourhood (A. E. A. Werner & R. J. Plesters)
  9. The Geology of the Piltdown Neighbourhodd (F. H. Edmunds)
  10. The Radioactivity of the Piltdown Fossils (S. H. U. Bowie & C. F. Davidson)
  11. The Fluorine Determination of Uranium in the Piltdown Fossils (A. D. Baynes-Cope)
  12. References

 本書は、1953年にワイナー、オークリー、ル・グロ・クラークで出版したものの続編で、更に多くの理化学的検査がなされた結果が書かれています。


ピルトダウン人捏造事件の洋書1.ピルトダウン人問題の解決

2010年11月23日 | H3.ピルトダウン人捏造事件の洋書[Pilt

Weiner_et_al_1953

 これは、ピルトダウン人問題を解決するために、オックスフォード大学のジョセフ・ワイナーさんと(Joseph S. WEINER)[1915-1982]とウィルフリッド・ル・グロ・クラークさん(Wilfrid E. LE GROS CLARK)[1895-1971]、大英自然史博物館のケネス・オークリーさん(Kenneth P. OAKLEY)[1911-1981]、が、1953年に大英自然史博物館地質研究部紀要に書いたものです。

 原題は『The Solution of The Piltdown Problem』で、Bulletin of the British Museum (Natural History)・Geology、Vol.2・No.3&No.4のp.141~146と写真プレート2葉に掲載されました。

 ピルトダウン人(Piltdown Man)とは、1909年~1911年に、イギリスのイースト・サセックス州アックフィールド近郊のピルトダウンで発見された化石のことで、弁護士のチャールズ・ドーソン(Charles DAWSON)[1864-1916]等が発見しています。

 この化石は、頭蓋骨・下顎骨・歯が出土していましたが、頭蓋骨は大きく、下顎骨や歯はサルに似て原始的でした。この化石に、大英自然史博物館の古生物学者、アーサー・スミス・ウッドワード(Arthur Smith WOODWARD)[1864-1943]等は、エオアントロプス・ドーソニ(Eoanthropus Dawsoni)[ドーソンが発見した曙人類]と命名し、当時のイギリス人類学界は祖先として認めました。

 当時は、まだ多くの人類化石が発見されておらず、比較検討することが困難でした。この化石が偽物と判明するまでに、世界中で約250編にものぼる賛否両論の論文が出版されています。

 この問題を検討するために、オークリーはフッ素法により、化石のフッ素含有量を測定しました。このフッ素法は、1949年に開発され、1950年に報告された新しい方法でした。また、ワイナーやル・グロ・クラークは形態を類人猿とも比較しました。その結果、頭蓋骨は数千年程度の古さであるが、下顎骨・犬歯・大臼歯は新しく、しかもオランウータンのものであることが判明しました。しかも、下顎骨や歯は、古く見せるために着色しており、かつ、歯はやすりで磨り減らしていました。

 ちなみに、フッ素含有量は、ピルトダウンⅠの頭蓋骨が0.1%・ピルトダウンⅡの前頭骨が0.1%・ピルトダウンⅡの後頭骨が0.03%・下顎骨が0.03%以下・下顎骨の大臼歯が0.04%以下・犬歯が0.03%以下・ピルトダウンⅡの遊離大臼歯が0.01%以下と測定されています。

 このピルトダウン人問題が無ければ、南アフリカでのアウストラロピテクス・アフリカヌスの発見やインドネシアのピテカントロプス・エレクトス(ホモ・エレクトス)の発見は、素直に受け入れられていたかもしれません。なぜなら、南アフリカでの猿人やインドネシアでの原人の化石は、頭蓋骨は小さく脳容量も少なかったのですが、すでに、直立二足歩行をしていたことが判明していたからです。ところが、ピルトダウン人はこの逆であり、ピルトダウン人を容認した研究者は、頭が大きくなってから直立二足歩行を始めたと考えており、人類の祖先とは考えられず、化石サルだという烙印を押されてしまいました。