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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

人類進化の本77.人類の進化:拡散と絶滅の歴史を探る

2014年03月15日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap
人類の進化: 拡散と絶滅の歴史を探る (サイエンス・パレット) 人類の進化: 拡散と絶滅の歴史を探る (サイエンス・パレット)
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2014-02-25

 この『人類の進化』は、アメリカのジョージ・ワシントン大学の人類学者、バーナード・ウッド(Bernard WOOD)が人類進化について書いたものです。原書は2005年に出版された『Human Evolution:A Very Short Introduction』です。副題には、「拡散と絶滅の歴史を探る」とあります。2014年に、国立科学博物館名誉研究員の馬場悠男先生による翻訳で、丸善出版から出版されました。私は、出版時に翻訳者の馬場悠男先生に寄贈していただきました。

 本書の内容は、以下のように、全8章と翻訳者による追加章からなります。

  1. はじめに
  2. われわれは何者か
  3. 化石人類の調査と背景
  4. 化石人類の分析と解釈
  5. 初期猿人:かもしれない人類
  6. 猿人とホモ・ハビリス:ほぼ確実に人類
  7. 原人と旧人:古代の人類
  8. 新人:われわれ自身の人類
  • 追加解説:まさかの最新研究成果(訳者補遺)
  • 付録.人類の起源と進化に関する哲学的認識と科学的理解の年表

 著者のバーナード・ウッド(Bernard WOOD)は、ロンドン大学のミドルセックス病院附属医科大学に1963年に入学して医学教育を受けます。ここで、ウッドは、解剖学を専攻しながら、ジョン・ラッセル・ネイピア(John Russell NAPIER)[1917-1987]から霊長類解剖学を、マイケル・デイ(Michael DAY)から人類進化の教育を受けます。このネイピアもデイも、主にアフリカで化石霊長類や化石人類の研究を行っていました。ウッドも、自然とアフリカの化石人類研究へと導かれます。1970年に医学部を卒業し、1975年には博士号を取得しました。卒業後は、そのまま母校の解剖学教室に残り、1978年にはリーダーに昇任し1982年には教授に昇任します。その後、1985年にリバプール大学解剖学教授として移籍し、1996年には医学部長に就任しました。1997年には渡米して、ジョージ・ワシントン大学で人類進化担当教授に就任して現在に至ります。人類進化の分野での権威です。

 本書は、非常にコンパクトに人類進化の最新情報がまとめられており、大変、参考になります。

Wood2014


人類進化の本76.人類の起源と進化:人間理解のために

2014年01月09日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

人類の起源と進化―人間理解のために (生命科学シリーズ) 人類の起源と進化―人間理解のために (生命科学シリーズ)
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:1993-03

 この『人類の起源と進化』は、椙山学園大学(当時)の江原昭善さんが、人類進化について書いたものです。生命科学シリーズとして、1993年に、裳華房より出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全14章からなります。

  1. 人間への問いかけ
  2. 進化論前後のころのこと
  3. 進化の視点に立って
  4. 人類を生み出したグループ:霊長類
  5. 人間性の萌芽
  6. 人類の起源探究の軌跡
  7. 猿人たちの系譜と原人への進化
  8. 原人たちとその周辺
  9. 更新世後期の人類(旧人類)
  10. 新人類(Homo sapiens sapiens)
  11. 新石器時代文化
  12. 人類の環境
  13. 人類の現状と未来

 本書は、出版されてから年月が経っているため、一部内容が古くなっていますが、出版当時は人類進化の教科書として評判が高かったものであり、当時の考え方が伝わるため参考になります。

Ehara1993


人類進化の本75.人間性の起源と進化

2014年01月08日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

Ehara1987a

人間性の起源と進化 (NHKブックス)
価格:¥ 795(税込)
発売日:1987-02

 この『人間性の起源と進化』は、京都大学(当時)の江原昭善さんが、人類進化について書いたものです。1987年に、NHKブックス521として、日本放送出版協会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全5章からなります。

  1. 人類誕生の地を求めて:フィールドノートより
  2. 猿人はどこまで人間だったか
  3. 人類の逆説的本性
  4. 人間の特殊性とその価値
  5. 人類の新しい選択

 本書は、人類進化の中でも、化石人類に重きをおいたものではなく、タイトルに「人間性」とあるように、行動や言語等、化石として残らないものを解説する試みがなされており、大変、参考になります。


人類進化の本74.人類の地平線:アダムの来た道

2014年01月07日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

Ehara1982b

人類の地平線―アダムの来た道 (1982年) (小学館創造選書〈48〉)
価格:¥ 714(税込)
発売日:1982-07

 この『人類の地平線:アダムの来た道』は、京都大学(当時)の江原昭善さんが、人類進化について書いたものです。1982年に、小学館創造選書48として、小学館から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全7章からなります。

  1. 人類の祖先はサルか否か
  2. 進化の道筋をたどる
  3. 彼らの生活:人間性のきざし
  4. 最古の人類をめぐって
  5. よみがえる人類・ラマピテクス
  6. 未完の人類:シンポジウム(赤沢 威・梅原 猛・江原昭善・河合雅雄・香原志勢・作田啓一)
  7. 石になった言葉

 本書は、出版されてから年月が経っているために一部内容が古くなっていますが、第6章のシンポジウムは、人類学・先史人類学・霊長類学・史学等の様々な分野の研究者によるもので、大変参考になります。


人類進化の本73.進化のなかの人体

2014年01月06日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

進化のなかの人体 (講談社現代新書 (659)) 進化のなかの人体 (講談社現代新書 (659))
価格:(税込)
発売日:1982-07

 この『進化のなかの人体』は、京都大学(当時)の江原昭善さんが、比較解剖学の視点から人類進化について書いたものです。1982年に、講談社現代新書659として講談社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全5章からなります。

  1. なぜサルとヒトが似ているか
  2. サルとヒトの比較解剖[原文では「北較」となっていますが「比較」でしょう]
  3. 進化の流れのなかで
  4. ヒトのからだの人類学
  5. 未来人の肖像

 本書は、動物とヒトとを比較解剖学の視点から書かれたもので、大変、参考になります。なお、各章の扉には、江原昭善さんの奥様の江原 律さんによる詩も掲載されています。

Ehara1982a


人類進化の本72.人類:ホモ・サピエンスへの道

2014年01月03日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

Ehara1974

人類―ホモ・サピエンスへの道 (1974年) (NHKブックス)
価格:¥ 630(税込)
発売日:1974

Ehara1987b

人類―ホモ・サピエンスへの道 (NHKブックス)
価格:¥ 877(税込)
発売日:1987-12

 この『人類:ホモ・サピエンスへの道』は、京都大学(当時)の江原昭善さんが人類進化について書いたものです。1974年にNHKブックス218として、1987年にNHKブックス541として、日本放送出版協会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全12章からなります。

  1. 自然界での人類のあり方
  2. 自分自身を問う
  3. ヒトやサルの土台になったもの
  4. サルとはどんな動物か
  5. サルやヒトに仕立てたメカニズム
  6. 運動様式に見られるサルとヒトのちがい
  7. ヒトのからだはどこまでサルか
  8. 人類の系統をもとめて
  9. 鮮新世・更新世前期の人類アウストラロピテクス
  10. 更新世中期の人類ホモ・エレクトゥス
  11. 更新世後期の人類
  12. 苦悩する人類

 本書は、出版されてから年月が経っているため、一部内容が古い箇所もありますが、比較解剖についてふれられた部分は今でも参考になります。なお、巻末には用語解説もあり、読書の際の参考になるでしょう。


人類進化の本71.人間の謎:人類学から見た人間の歴史

2014年01月02日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

Ehara1959

人間の謎―人類学から見た人間の歴史 (1959年) (ミリオン・ブックス)
価格:(税込)
発売日:1959

 この『人間の謎:人類学から見た人間の歴史』は、順天堂大学(当時)の江原昭善さんが、人類進化について書いたものです。1959年に、ミリオン・ブックスとして、講談社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  1. 人間の系図
  2. 遠い過去の物語
  3. 人間への基礎工事
  4. 人間としての資格
  5. 人間「ホモ・サピエンス」
  6. 人種の起源
  7. 人間の比較解剖
  8. 100万年後の人類

 本書は、出版されてからかなりの年月が経っており、内容も古くなっていますがそれでも、当時の考え方が伝わり参考になります。


人類進化の本70.なぜヒトの脳だけが大きくなったのか

2013年12月05日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap
なぜヒトの脳だけが大きくなったのか―人類進化最大の謎に挑む (ブルーバックス) なぜヒトの脳だけが大きくなったのか―人類進化最大の謎に挑む (ブルーバックス)
価格:¥ 945(税込)
発売日:2007-01-19

 この『なぜヒトの脳だけが大きくなったのか』は、京都大学霊長類研究所の濱田 穣さんが、人類進化や霊長類学から、人類の脳の進化について書いたものです。2007年に、講談社ブルーバックス1540として、講談社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全9章からなります。

  1. まずヒトの進化をたどってみよう
  2. なにが脳の発達を促したのか
  3. 言語コミュニケーションを行う発声器官の進化
  4. 脳の拡大は、なぜ、どのように起こったのか?
  5. カニクイザルの道具使用行動
  6. 脳のエネルギー消費を支える食物獲得方法の進化
  7. 寿命と老化と脳の進化
  8. 長い成長期間と脳の関係
  9. 脳のインフラとしての脂肪

 脳は、ヒトの場合、全消費エネルギーの約20%から25%、つまり、1/5から1/4ものエネルギーが必要な高価な器官です。なぜ、そうなったのかが、本書では様々な角度から探られています。意外ですが、脳の進化に関する本は非常に少なく、その点で、本書は非常に参考になります。

Hamada2007


人類進化の本69.退化の進化学

2013年12月04日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス) 「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス)
価格:¥ 861(税込)
発売日:2006-12-20

 この『退化の進化学』は、元東京大学の古生物学者・犬塚則久さんが、ヒトの身体で退化した器官を4億年の進化の中で解説したものです。2006年に、講談社ブルーバックス1537として、講談社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  1. 「退化」の進化学
  2. 上陸して:四億年前から
  3. 哺乳類から:二億年前から
  4. サルとなって:七〇〇〇万年前から
  5. 類人猿より:三〇〇〇万年前から
  6. 木からおりて:七〇〇万年前から
  7. ヒトになる:二五〇万年前から
  8. 男と女のはざま:誕生前から

 本書は、比較解剖学の視点から人体に残る退化した器官を進化の流れで解説したユニークなもので、大変、参考になります。

Inuzuka2006


人類進化の本68.最新!人類史の謎を解く

2013年10月25日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

最新! 人類史の謎を解く (別冊宝島 2051) 最新! 人類史の謎を解く (別冊宝島 2051)
価格:¥ 880(税込)
発売日:2013-08-03

 この『最新!人類史の謎を解く』は、元東京大学の文化人類学者・船曳建夫さんによる監修で、人類進化について書かれたものです。2013年に、別冊宝島2051として、宝島社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全10章からなります。本書は、研究者自らが執筆したものではなく、インタビューに基づいて書かれています。執筆者は、上永哲矢さん・江口陽子さん・鞍掛五郎さん・斉藤勝司さんの4人です。

  1. 人類偉大なる移動の歴史(関野吉晴)
  2. 人類大地に立つ(諏訪 元)
  3. 猿人・原人・旧人・新人の違い(馬場悠男)
  4. 淘汰された旧人繁栄した新人(赤澤 威)
  5. ミトコンドリアイブと人類拡散の歴史(篠田謙一)
  6. ホモ・サピエンスの祖先は誰だ?
  7. 人類の適応と進化
  8. 日本に原人・旧人はいたのか(海部陽介)
  9. 最初の日本列島人は縄文人か?(小山修三)
  10. 縄文人と弥生人の違い(藤尾慎一郎)

 この他、特別対談として林 良博さんと船曳建夫さんによる「人々の人類学への熱い視線」・「人類の足跡をたどる博物館」・「コラム」が掲載されています。人類進化の最新の情報が詰まっており、大変、参考になります。

Takarajima2051f

Takarajima2051b


人類進化の本67.ネアンデルタール人奇跡の再発見

2013年10月24日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap
ネアンデルタール人 奇跡の再発見 (朝日選書) ネアンデルタール人 奇跡の再発見 (朝日選書)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-08-10

 この『ネアンデルタール人奇跡の再発見』は、明治大学の小野 昭さんが、ドイツで1856年に発見されたネアンデルタール人を奇跡的に再発見したドイツ人考古学者達の話をまとめたものです。2012年に、朝日選書891として、朝日新聞社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全9章からなります。

  1. 忘れられたネアンデル渓谷
  2. ネアンデルタール人骨の発見
  3. ネアンデルタール人の生業と道具立て
  4. 追跡の開始
  5. 人骨標本をDNAの分析に
  6. 人骨出土地点を絞り込む
  7. 出土地点の再発見
  8. 発見場所の特定
  9. 新しい研究の地平

 本書は、1856年にドイツのフェルトフォーファー洞窟で発見されたネアンデルタール人の再発見の物語です。このフェルトフォーファー洞窟は、その後、破壊されたと考えられていましたが、1980年代から1990年代に研究プロジェクトが開始され、1997年に発見地が再発見されました。また、1999年には再発見された人骨が1856年に発見された人骨と接合するという快挙がなされています。2000年にも再発掘が行われ、2001年には頭蓋骨の一部がやはり1856年に発見された人骨と接合されました。まさしく、奇跡の再発見です。ドイツ人研究者達の執念の再探索の結果があますところなく書かれており、大変、参考になります。

Ono2012


人類進化の本66.芸術の起源を探る

2013年09月20日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

Yokoyama1992

芸術の起源を探る (朝日選書)
価格:¥ 1,377(税込)
発売日:1992-01

 この『芸術の起源を探る』は、年代学者の横山祐之さんが、主にヨーロッパ地域の先史芸術について書いたものです。1992年に、朝日選書441として、朝日新聞社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全7章からなります。

  1. ラスコー洞穴のすべて
  2. 先史芸術の発見
  3. 先史芸術の起源と発達の歴史
  4. クロマニヨン人
  5. 芸術から見たクロマニヨン人とその社会
  6. フランスおよびヨーロッパの先史芸術
  7. 世界各地の岩壁画

 本書は、長年、フランスに滞在している年代学者の横山祐之さんが、主にヨーロッパの先史芸術について書いたもので、大変、参考になります。第4章は、フランスで発見されたクロマニヨン人の発見物語のみならず、クロマニヨン人の起源や年代についてもふれられています。


人類進化の本65.人類の起源を探る

2013年09月19日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap

Yokoyama1987

人類の起源を探る―ヨーロッパの発掘現場から (朝日選書)
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:1987-09

 この『人類の起源を探る』は、年代学者の横山祐之さんが、主にヨーロッパ地域の人類の起源について書いたものです。副題には、「ヨーロッパの発掘現場から」とあります。1987年に、朝日選書338として、朝日新聞社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全7章からなります。

  1. フランスにおける古人類学・先史学
  2. ヨーロッパ最大の人類遺跡アラゴ洞穴
  3. ヨーロッパの原人遺跡を探る
  4. 謎の人種ネアンデルタール
  5. 人類の起源とヨーロッパ
  6. 原人遺跡の年代測定法

 本書は、ガンマ線やESR年代測定法を使って非破壊で化石人類の年代測定を行ってきた著者・横山祐之さんが、長年フランスに滞在してヨーロッパの人類起源研究についてまとめており、参考になります。また、第6章には、化石人類の年代測定法がコンパクトにまとめられており、これも参考になります。


人類進化の本64.人類の起源大論争

2013年09月09日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap
「人類の起原」大論争 (講談社選書メチエ) 「人類の起原」大論争 (講談社選書メチエ)
価格:¥ 1,529(税込)
発売日:1995-08

 この『「人類の起源」大論争』は、元京都大学の瀬戸口烈司さんが人類進化を巡る論争について書いたものです。1995年に、講談社選書メチエ55として、講談社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全4章からなります。

第1章.人類化石をめぐる論争

  1. 人類学者・古生物学者・地質学者のからみあい
  2. 年代の決定
  3. アウストラロピテクスから北京原人まで

第2章.ピテカントロプス発見の謎:化石の発見は、勘か運か偶然か?

  1. デュボアのめざしたもの
  2. パダンにて
  3. パヤクンブーに転勤
  4. ついに発見、ピテカントロプス
  5. 解剖学者デュボア

第3章.ヒトの進化は急進化:「急進化」の概念の再評価

  1. コープとマーシュ
  2. ヒトの脳の進化

第4章.分子時計をめぐる大論争:その年代論は正確か

  1. 分子進化論と人類
  2. 分子変化率一定の仮説はどう立証されているか
  3. 古生物学者対分子進化論者
  4. 「根井の式」にかかわる論争
  5. 木村資生の中立説
  6. マスコミに受けた分子時計
  7. 古生物学からみた形態変異
  8. これからの分子時計

 本書は、人類進化の中で、様々な論争を古生物学が専門の著者が書いており、人類学者とは異なる視点が見受けられ、参考になります。

Setoguchi1995


人類進化の本63.人類の起源論争

2013年07月28日 | E5.人類進化の本[Human Evolution:Jap
人類の起源論争―アクア説はなぜ異端なのか? 人類の起源論争―アクア説はなぜ異端なのか?
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:1999-12

 この本は、イギリスの科学ジャーナリストのエレイン・モーガン(Elaine MORGAN)[1920-2013]さんが、アクア説について書いたものです。このアクア説とは、1960年にイギリスのアリスター・ハーディー(Alister HARDY)[1896-1985]さんが唱え、1972年に作家のエレイン・モーガン(Elaine MORGAN)[1920-2013]さんが一般向けの本を書いたことで有名になった説です。1997年に出版された原題は『The Aquatic Ape Hypothesis』で、直訳すると「水生類人猿仮説」となるでしょうか。1999年に望月弘子さんによる訳で、どうぶつ社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全14章からなります。

  1. 過去の仮説、未来の仮説
  2. 死者からのメッセージ
  3. 二本足で歩く前
  4. 歩くためのエネルギー
  5. 登場したさまざまな仮説
  6. 残された最後の仮説
  7. 裸のサルが誕生したわけ
  8. 体毛の意味
  9. 人がこんなに太るわけ
  10. 汗と涙の物語
  11. 言葉と喉頭
  12. 喋るということ
  13. さらなる論争への九つの課題
  14. アクア説は異端の説か?

 本書は、著者のエレイン・モーガンさんがアクア説について書いた5冊の著書の内、最後の5番目に出版されたものです。

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