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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

環境考古学の本6.考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化

2009年09月22日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化 考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2003-07

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんが、環境考古学について編集と監修をされたものです。本書は、第Ⅰ部と第Ⅱ部から構成されており、第Ⅱ部は、1999年2月9日に奈文研で開催された本書の題名と同じ名前のシンポジウムを収録しています。

 本書の内容は、以下の通りです。

第Ⅰ部

  • 特別講演1.湿地考古学:失われた機会と将来の展望(ジョン・コールズ)
  • 特別講演2.サマセットとスウィート木道の謎(ブレィオニー・コールズ)
  • 特別講演3.北アメリカ北西海岸の先史諸民族(ケネス・エイムズ)

第Ⅱ部

  1. ニュージーランドおよび南太平洋地域の先史漁労と海洋環境に対する人間の影響(フォス・リーチ)
  2. 台湾南部・鵝鑾鼻地域における先史漁労(リー・クワンチー)
  3. 縄文時代におけるクリ栽培(佐藤洋一郎)
  4. 北アメリカ北西海岸沿岸部の遺跡における鳥類の後肢骨の少なさに関する解釈(ランダル・シャルク)
  5. 北アメリカ北西沿岸における湿地遺跡の調査(デール・R・クロース)
  6. 日本沿岸の先史捕鯨文化(平口哲夫)

総論.考古化学的研究法から見た、木の文化・骨の文化について(松井 章)

 本書では、日本のみならず、台湾・ニュージーランド・カナダ・アメリカ・イギリスのに事例が豊富に紹介されており、大変、参考になります。


環境考古学の本5.環境考古学マニュアル

2009年09月21日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch

環境考古学マニュアル 環境考古学マニュアル
価格:¥ 8,400(税込)
発売日:2003-07

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんの編集で、様々な分野の38人の研究者が環境考古学について書いています。2003年に、同成社から出版されました。

 本書の内容は、以下のようになります。

  • 序章
  • 第1章.地理・地質学と考古学
  • 第2章.植物学と考古学
  • 第3章.動物学と考古学
  • 第4章.人骨と考古学
  • 第5章.生化学と考古学
  • 第6章.年代学と考古学
  • 第7章.遺跡における環境考古学の実践
  • 終章.まとめ

 環境考古学の教科書として、大変、参考になります。

Matsui2003


環境考古学の本4.環境考古学

2009年09月20日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch

Photo

日本の美術 (No.423)
価格:¥ 1,650(税込)
発売日:2001-07

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんが、環境考古学について書いたものです。2001年に、日本の美術423として、至文堂から出版されました。松井さんのご専門は動物考古学ですが、土壌学・植物学・トイレの考古学にもふれており、幅広い環境考古学の世界を知ることができます。

 本書の内容は、以下のようになります。

  • 環境考古学の魅力
  • 土壌学と考古学
  • 植物学と考古学
  • 歴史時代の動物考古学
  • トイレの考古学
  • 遺跡における探査の例

 本書には、写真が多用されており、大変、参考になります。


環境考古学の本3.環境考古学への招待

2009年09月19日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書) 環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2005-01

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんが、環境考古学についてわかりやすく解説したものです。2005年に、岩波新書930として、岩波書店から出版されました。これは、2001年から2003年にかけて、毎日新聞奈良版に連載した、「松井章の環境考古学の世界」を元にして書かれています。

 松井さんがかかれたものとして、以前、『動物考古学』という本をご紹介しましたように、ご専門は、動物考古学です。ただ、本書では、動物考古学のみならず、寄生虫分析によるトイレの考古学やプラントオパール分析による農耕の考古学についてもふれられています。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 食卓の考古学
  2. 土と水から見える古代
  3. 人、豚と犬に出会う
  4. 牛馬の考古学
  5. 人間の骨から何がわかるか
  6. 遺跡保存と環境

 私は著者の松井さんに何度かお会いしたことがありますが、2006年2月11日には(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団の公開考古学講座で「環境考古学のおもしろさ」という題でご講演いただき、私が司会をつとめさせていただきました。同じ年には、奈良で学会があり発表がてら奈良文化財研究所を表敬訪問し、夜遅くまでお付き合いいただいたことを思い出します。研究室には、膨大な比較標本用の獣骨があり圧倒されました。動物考古学では、まず、自分で比較標本用の獣骨を集めることから始めないとならないのです。

 


環境考古学の本2.環境考古学のすすめ

2009年09月18日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
環境考古学のすすめ (丸善ライブラリー) 環境考古学のすすめ (丸善ライブラリー)
価格:¥ 882(税込)
発売日:2001-10

 この本は、国際日本文化研究センターの安田喜憲さんが、環境考古学についてわかりやすく解説したものです。2001年に、丸善ライブラリー349として、丸善株式会社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 環境考古学とは何か
  2. 気候と文明の環境考古学
  3. 森と文明の環境考古学
  4. 稲作文明の環境考古学
  5. 動物と文明の環境考古学
  6. 環境考古学を学ぶ人のために

 前回ご紹介した、『環境考古学事始』では、日本国内の事例でしたが、今回は、世界的な視点から文明について書かれています。


環境考古学の本1.環境考古学事始

2009年09月17日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
環境考古学事始―日本列島2万年の自然環境史 (洋泉社MC新書) 環境考古学事始―日本列島2万年の自然環境史 (洋泉社MC新書)
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2007-10

環境考古学事始―日本列島2万年 (NHKブックス 365)
価格:¥ 907(税込)
発売日:1980-01

 この本は、国際日本文化研究センターの安田喜憲さんが、環境考古学について書いた本です。1980年にNHKブックス365として日本放送出版協会から出版され、2007年には洋泉社のMC新書として再録されています。

 今でこそ、「環境考古学」という名称は、論文や本で多く目にすることができますが、この名称は、1976年に江上波夫さんが使ったのが最初だそうです。ただ、本のタイトルに使われたのは、国内ではこの本が最初ではなかったでしょうか? 私も、学生時代に購入して、その後、何度か安田先生と直接お会いすることができました。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 生態史の視点
  2. 地方文化のルーツ:旧石器時代
  3. 自然との調和の文化:縄文時代
  4. 水田稲作農業の文化:弥生時代
  5. 森林破壊期の文化:古墳時代・歴史時代
  6. 日本文化論への一視点

 本書では、日本の旧石器時代から歴史時代にかけての古環境約2万年について、知ることができます。