goo blog サービス終了のお知らせ 

人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

古病理学の洋書8.古病理学

2009年09月30日 | J2.古病理学の洋書[Palaeopathology:F

Photo

Palaeopathology
価格:¥ 703(税込)
発売日:1970-02-20

 この本は、ベルギーの産業医のポール・ジャンセン[Paul JANSSENS]さんが、古病理学について書いた本です。1970年に、John Bakerから出版されました。少し古い本ですが、当時は古病理学に関する本はあまりありませんでした。副題は、「古代人の病気と怪我」となっています。私も、イギリス留学中に購入しています。

 本書の内容は、以下のように全27章からなります。

  1. 定義
  2. 気候・経済・環境の影響
  3. 病気の定義
  4. 第四紀の年代
  5. 標本
  6. 古病理学の重要性
  7. 出土人骨
  8. 外傷
  9. 石器による傷
  10. 先史時代の芸術
  11. 先史学:伝統と民俗
  12. 発達障害
  13. ヴィーナス像
  14. 平均死亡年齢
  15. 欠乏症(クル病・壊血病)
  16. 腫瘍
  17. 感染と免疫
  18. 関節炎
  19. 歯の病気
  20. 結核
  21. 梅毒
  22. 急性灰白髄炎(小児麻痺)
  23. 感染症
  24. 軟部の病気
  25. 医学から見た先史時代人の手
  26. 頭蓋穿孔
  27. 結論

 この本は、他の古病理学の本とは異なり、人骨の古病理だけではなく、先史時代の考古学的情報とあわせて、古病理学的解釈をするというユニークな本で、参考になります。


古病理学の洋書7.病気の考古学

2009年09月29日 | J2.古病理学の洋書[Palaeopathology:F
The Archaeology of Disease The Archaeology of Disease
価格:¥ 2,652(税込)
発売日:2007-02
The Archaeology of Disease The Archaeology of Disease
価格:¥ 3,901(税込)
発売日:2005-08-25

 この本の原題は、『The Archaeology of Disease』で、直訳すると「病気の考古学」となります。著者は、イギリスのダーラム大学の古病理学者、シャーロッテ・ロバーツ[Charlotte ROBERTS]さんと元ブラッドフォード大学の古病理学者、キース・マンチェスター[Keith MANCHESTER]さんです。本書は、第1版が1983年に、第2版が1995年に、そして、この第3版が2005年に出版されているように、イギリスにおける古病理学の教科書です。Sutton Publishingから出版されました。

 本書の内容は、以下のように全10章からなります。

  1. 古病理学の研究
  2. 古病理学の基礎
  3. 先天的病気
  4. 歯の病気
  5. 外傷
  6. 関節症
  7. 感染症
  8. 代謝と内分泌病
  9. 腫瘍
  10. 結論

 古病理の症例の写真が多く掲載されており、大変、参考になる本です。また、巻末の引用文献及び参考文献が、大変、参考になります。

Robertsmanchester2005

Roberts & Manchester(1995)『The Archaeology of Disease』表紙(*画像をクリックすると、拡大します。)


古病理学の本6.絵で読む江戸の病と養生

2009年09月28日 | J1.古病理学の本[Palaeopathology:Jap
絵で読む 江戸の病と養生 絵で読む 江戸の病と養生
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2003-06

 この本は、元順天堂大学の医史学者、酒井シヅさんが、絵に残された江戸時代の病気の歴史について書いた本です。2003年に、講談社から出版されました。古病理学の本そのものではありませんが、近世人骨の古病理を研究する際に、大変参考になります。

 本書の内容は、以下のように全8章からなります。

  1. 江戸の病をさぐる
  2. 病人と医者の風景
  3. 江戸人の一生
  4. 多彩な治療法
  5. 江戸のくすり文化
  6. 病をふせぐ
  7. 養生:江戸人の知恵
  8. 近代医学の夜明け

 前回、ご紹介した、同じ著者による『病が語る日本史』と合わせて読まれることをおすすめします。

Sakai2003


古病理学の本5.病が語る日本史

2009年09月27日 | J1.古病理学の本[Palaeopathology:Jap

病が語る日本史 (講談社学術文庫) 病が語る日本史 (講談社学術文庫)
価格:¥ 1,103(税込)
発売日:2008-08-07
病が語る日本史 病が語る日本史
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2002-05

 この本は、元順天堂大学医学部の医史学者、酒井シヅさんが、日本の病気の歴史について書いた本です。古病理学そのものの本ではありませんが、古病理学に大変、参考になる本です。2002年に講談社から単行本として出版され、その後、2008年に講談社学術文庫として再録されました。

 本書の内容は、以下のように全3部構成になっています。

第一部

  • 骨や遺物が語る病
  • 古代人の病
  • 疫病と天皇
  • 光明皇后と施療
  • 糖尿病と藤原一族
  • 怨霊と物の怪
  • マラリア(おこり)の蔓延
  • 寄生虫との長いつきあい

第二部

  • ガンと天下統一
  • 江戸時代に多い眼病
  • 万病のもと風邪
  • 不当に差別されたらい・ハンセン病
  • 脚気論争
  • コレラの恐怖
  • 天然痘と種痘
  • 梅毒の経路は?
  • 最初の職業病
  • 長い歴史をもつ赤痢
  • かつては「命定め」の麻疹

第三部

  • 明治時代のガン患者
  • 死病として恐れられた結核
  • ネズミ買い上げ:ペスト流行
  • 事件簿エピソード
  • 消えた病気
  • 新しく現れた病気
  • 平均寿命と死生観

 この本を読むと、多くの病気が庶民をむしばんできたことがわかります。古病理学にとっての問題は、病気の多くは骨にまで痕跡を残さないことです。

 この第二部の江戸時代に多い眼病を読むと、私の曾祖父のことを思いだしました。曾祖父は、漢方医の息子として医業を継ぐ予定でしたが、大阪に出て漢方ではなく蘭学を学び、眼科医として三代目となった人でした。やはり、眼病が多かったのだなと思いました。

Sakai2008

講談社学術文庫版『病が語る日本史』表紙(*画像をクリックすると、拡大します。)

Sakai2002

講談社単行本版『病が語る日本史』表紙(*画像をクリックすると、拡大します。)


古病理学の本4.江戸八百八町に骨が舞う

2009年09月26日 | J1.古病理学の本[Palaeopathology:Jap
江戸八百八町に骨が舞う―人骨から解く病気と社会 (歴史文化ライブラリー) 江戸八百八町に骨が舞う―人骨から解く病気と社会 (歴史文化ライブラリー)
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2006-05

 この本は、古病理学者の谷畑美帆さんが、江戸時代人骨の古病理について書いた本です。副題には、人骨から解く病気と歴史とあります。ただ、実際には、江戸時代人だけではなく、同時代の世界の大都市であるイギリスのロンドンと江戸とを比較している点がユニークです。

 本書の内容は、以下のようになっています。

  • 江戸という時代
  • 古人骨からみた江戸の町
  • 骨と墓から何がわかるか
  • 地方の暮らし
  • 十七~十八世紀のロンドン・英国
  • 近世都市・江戸

 日本語で書かれた古病理学の本は非常にすくないので、大変、参考になる本です。

Tanihata2006


古病理学の本3.むし歯の歴史

2009年09月25日 | J1.古病理学の本[Palaeopathology:Jap
むし歯の歴史―または歯に残されたヒトの歴史 むし歯の歴史―または歯に残されたヒトの歴史
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2001-07-23

 この本は、九州歯科大学の竹原直道さんによる編著で、その他4人の研究者が、むし歯の歴史について書いた本です。ちなみに、「虫歯」は、正式には「齲蝕」と呼ばれます。2001年に、砂書房から出版されました。私は、この本の出版時に、著者の一人で、現在新潟県立看護大学の人類学者・藤田 尚さんから寄贈していただきました。

 本書の内容は、以下のように、全7章からなります。

  1. むし歯の穴から世界を覗けば(竹原直道)
  2. 中国古代人とむし歯(坂下玲子)
  3. 縄文人とむし歯(藤田 尚)
  4. 弥生人とむし歯(松下孝幸)
  5. 江戸時代人とむし歯(藤田 尚)
  6. 近代型むし歯と砂糖(下山 晃)
  7. むし歯の現在と未来(竹原直道)

 本書のように、「むし歯」だけに絞った本はそうありません。特に、この本では松下孝幸さんと藤田 尚さんのお二人の人類学者が縄文人・弥生人・江戸時代人のむし歯について書いており、大変、参考になります。

Takehara2001


骨考古学の洋書7.人骨の考古学

2009年09月24日 | I7.骨考古学の洋書[Osteoarchaeology:
The Archaeology of Human Bones The Archaeology of Human Bones
価格:¥ 4,291(税込)
発売日:1998-03

 この本の原題は、『The Archaeology of Human Bones』です。直訳すると、「人骨の考古学」となります。イギリスの骨生物学者、サイモン・メイズ[Simon MAYS]さんが、人骨の分析方法について書いたもので、1998年にRoutledgeから出版されました。

 本書の内容は、以下のように全11章からなります。

  1. 骨と歯の性質
  2. 考古学的遺跡における人骨
  3. 死亡年齢と性別の判定
  4. 計測による変異
  5. 非計測的形質の変異
  6. 骨の病気
  7. 歯の病気
  8. 骨の傷跡
  9. 骨の化学分析
  10. 古代の骨からのDNA研究
  11. 焼骨

 骨考古学や生物考古学の分野では、多くの洋書が出版されていますが、この本は、その中でも、遺跡から出土する人骨について集中的に書いている本で、大変、参考になります。また、特に焼骨についての記載が他の本よりも多いのが特徴です。

Mays1998

Mays(1998)『The Archaeology of Human Bones』表紙(*画像をクリックすると、拡大します。)


骨考古学の洋書6.生物考古学

2009年09月23日 | I7.骨考古学の洋書[Osteoarchaeology:

Bioarchaeology: Interpreting Behavior from the Human Skeleton (Cambridge Studies in Biological and Evolutionary Anthropology) Bioarchaeology: Interpreting Behavior from the Human Skeleton (Cambridge Studies in Biological and Evolutionary Anthropology)
価格:¥ 8,687(税込)
発売日:1997-10-01

Bioarchaeology: Interpreting Behavior from the Human Skeleton (Cambridge Studies in Biological and Evolutionary Anthropology) Bioarchaeology: Interpreting Behavior from the Human Skeleton (Cambridge Studies in Biological and Evolutionary Anthropology)
価格:¥ 5,149(税込)
発売日:1999-02-01

 この本の原題は、『Bioarchaeology』で、直訳すると「生物考古学」となります。ノース・カロライナ大学のクラーク・ラーセン[Clark LARSEN]さんが、出土人骨から行動を解釈する方法について書いたものです。1997年に、ケンブリッジ大学出版から出版されました。

 本書は、以下のように全10章からなります。

  1. イントロダクション
  2. 成長期と成人期のストレスと欠乏
  3. 感染症への曝露
  4. 傷と非業の死
  5. 活動パターン1:関節と筋肉による変化
  6. 活動パターン2:構造適応
  7. 咀嚼と非咀嚼の機能:頭蓋顔面適応
  8. 同位体と元素による食物と栄養
  9. 骨の変異と遺伝関係
  10. 生物考古学の変化とチャレンジ

 章のタイトルを見ると、難しそうでわかりにくいですが、中身を読んでみると大変興味深いものです。お亡くなりになられた、元国立歴史民俗博物館館長の佐原 真先生は、この本の第4章を読んで、日本の先史時代の戦争について考察されておられました。

Larsen1997

Larsen(1997)『Bioarchaeology』表紙(*画像をクリックすると、拡大します。)


環境考古学の本6.考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化

2009年09月22日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化 考古科学的研究法から見た木の文化・骨の文化
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2003-07

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんが、環境考古学について編集と監修をされたものです。本書は、第Ⅰ部と第Ⅱ部から構成されており、第Ⅱ部は、1999年2月9日に奈文研で開催された本書の題名と同じ名前のシンポジウムを収録しています。

 本書の内容は、以下の通りです。

第Ⅰ部

  • 特別講演1.湿地考古学:失われた機会と将来の展望(ジョン・コールズ)
  • 特別講演2.サマセットとスウィート木道の謎(ブレィオニー・コールズ)
  • 特別講演3.北アメリカ北西海岸の先史諸民族(ケネス・エイムズ)

第Ⅱ部

  1. ニュージーランドおよび南太平洋地域の先史漁労と海洋環境に対する人間の影響(フォス・リーチ)
  2. 台湾南部・鵝鑾鼻地域における先史漁労(リー・クワンチー)
  3. 縄文時代におけるクリ栽培(佐藤洋一郎)
  4. 北アメリカ北西海岸沿岸部の遺跡における鳥類の後肢骨の少なさに関する解釈(ランダル・シャルク)
  5. 北アメリカ北西沿岸における湿地遺跡の調査(デール・R・クロース)
  6. 日本沿岸の先史捕鯨文化(平口哲夫)

総論.考古化学的研究法から見た、木の文化・骨の文化について(松井 章)

 本書では、日本のみならず、台湾・ニュージーランド・カナダ・アメリカ・イギリスのに事例が豊富に紹介されており、大変、参考になります。


環境考古学の本5.環境考古学マニュアル

2009年09月21日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch

環境考古学マニュアル 環境考古学マニュアル
価格:¥ 8,400(税込)
発売日:2003-07

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんの編集で、様々な分野の38人の研究者が環境考古学について書いています。2003年に、同成社から出版されました。

 本書の内容は、以下のようになります。

  • 序章
  • 第1章.地理・地質学と考古学
  • 第2章.植物学と考古学
  • 第3章.動物学と考古学
  • 第4章.人骨と考古学
  • 第5章.生化学と考古学
  • 第6章.年代学と考古学
  • 第7章.遺跡における環境考古学の実践
  • 終章.まとめ

 環境考古学の教科書として、大変、参考になります。

Matsui2003


環境考古学の本4.環境考古学

2009年09月20日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch

Photo

日本の美術 (No.423)
価格:¥ 1,650(税込)
発売日:2001-07

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんが、環境考古学について書いたものです。2001年に、日本の美術423として、至文堂から出版されました。松井さんのご専門は動物考古学ですが、土壌学・植物学・トイレの考古学にもふれており、幅広い環境考古学の世界を知ることができます。

 本書の内容は、以下のようになります。

  • 環境考古学の魅力
  • 土壌学と考古学
  • 植物学と考古学
  • 歴史時代の動物考古学
  • トイレの考古学
  • 遺跡における探査の例

 本書には、写真が多用されており、大変、参考になります。


環境考古学の本3.環境考古学への招待

2009年09月19日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書) 環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2005-01

 この本は、奈良文化財研究所の松井 章さんが、環境考古学についてわかりやすく解説したものです。2005年に、岩波新書930として、岩波書店から出版されました。これは、2001年から2003年にかけて、毎日新聞奈良版に連載した、「松井章の環境考古学の世界」を元にして書かれています。

 松井さんがかかれたものとして、以前、『動物考古学』という本をご紹介しましたように、ご専門は、動物考古学です。ただ、本書では、動物考古学のみならず、寄生虫分析によるトイレの考古学やプラントオパール分析による農耕の考古学についてもふれられています。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 食卓の考古学
  2. 土と水から見える古代
  3. 人、豚と犬に出会う
  4. 牛馬の考古学
  5. 人間の骨から何がわかるか
  6. 遺跡保存と環境

 私は著者の松井さんに何度かお会いしたことがありますが、2006年2月11日には(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団の公開考古学講座で「環境考古学のおもしろさ」という題でご講演いただき、私が司会をつとめさせていただきました。同じ年には、奈良で学会があり発表がてら奈良文化財研究所を表敬訪問し、夜遅くまでお付き合いいただいたことを思い出します。研究室には、膨大な比較標本用の獣骨があり圧倒されました。動物考古学では、まず、自分で比較標本用の獣骨を集めることから始めないとならないのです。

 


環境考古学の本2.環境考古学のすすめ

2009年09月18日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
環境考古学のすすめ (丸善ライブラリー) 環境考古学のすすめ (丸善ライブラリー)
価格:¥ 882(税込)
発売日:2001-10

 この本は、国際日本文化研究センターの安田喜憲さんが、環境考古学についてわかりやすく解説したものです。2001年に、丸善ライブラリー349として、丸善株式会社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 環境考古学とは何か
  2. 気候と文明の環境考古学
  3. 森と文明の環境考古学
  4. 稲作文明の環境考古学
  5. 動物と文明の環境考古学
  6. 環境考古学を学ぶ人のために

 前回ご紹介した、『環境考古学事始』では、日本国内の事例でしたが、今回は、世界的な視点から文明について書かれています。


環境考古学の本1.環境考古学事始

2009年09月17日 | L5.環境考古学の本[Environmental Arch
環境考古学事始―日本列島2万年の自然環境史 (洋泉社MC新書) 環境考古学事始―日本列島2万年の自然環境史 (洋泉社MC新書)
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2007-10

環境考古学事始―日本列島2万年 (NHKブックス 365)
価格:¥ 907(税込)
発売日:1980-01

 この本は、国際日本文化研究センターの安田喜憲さんが、環境考古学について書いた本です。1980年にNHKブックス365として日本放送出版協会から出版され、2007年には洋泉社のMC新書として再録されています。

 今でこそ、「環境考古学」という名称は、論文や本で多く目にすることができますが、この名称は、1976年に江上波夫さんが使ったのが最初だそうです。ただ、本のタイトルに使われたのは、国内ではこの本が最初ではなかったでしょうか? 私も、学生時代に購入して、その後、何度か安田先生と直接お会いすることができました。

 本書の内容は、以下のように全6章からなります。

  1. 生態史の視点
  2. 地方文化のルーツ:旧石器時代
  3. 自然との調和の文化:縄文時代
  4. 水田稲作農業の文化:弥生時代
  5. 森林破壊期の文化:古墳時代・歴史時代
  6. 日本文化論への一視点

 本書では、日本の旧石器時代から歴史時代にかけての古環境約2万年について、知ることができます。


法医人類学の洋書6.法医焼骨

2009年09月16日 | I2.法医人類学の洋書[Forensic Anthrop

Forensic Cremation: Recovery and Analysis Forensic Cremation: Recovery and Analysis
価格:¥ 10,451(税込)
発売日:2007-10-09

 この本は、カナダのローレンシャン大学の法医学者、スコット・フェアグリーヴ[Scott. I. FAIRGRIEVE]さんが、法医学から焼骨を分析する方法について書いた本です。2008年にCRC Pressから出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  1. Cremains in the Forensic Setting(法医学と焼骨)
  2. Fire and Combustion(火と燃焼)
  3. The Cremation Process(火葬の経過)
  4. Scene Recovery(焼骨の回収)
  5. Laboratory Analysis(研究室での分析)
  6. Heat-Induced Alterations of Bone Microstructure(熱による骨組織の変化)
  7. Incineration of Dental Tissues(歯の組織の灰化)
  8. Positive Identification of Cremains(積極的な焼骨の同定)

 以前、焼骨の本をご紹介しましたが、この本も法医学で焼骨を分析する方法を詳細に書いた本です。焼骨の分析は、人類学や考古学でもまだ、あまり行われておらず、大変、参考になる本です。

Fairgrieve2008

Fairgrieve(2008)『Forensic Cremation』