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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

人類生態学の本12.縄文の生態史観

2013年10月23日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap
縄文の生態史観 (UP考古学選書) 縄文の生態史観 (UP考古学選書)
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:1989-08

 この『縄文の生態史観』は、元筑波大学の西田正規さんが、縄文時代を人類生態学の手法で迫ったものです。1989年に、UP考古学選書13として、東京大学出版会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全5章からなります。

  1. 縄文時代の技術
  2. 縄文時代の社会水準
  3. 縄文文化と環境
  4. 縄文時代の歴史性
  5. 縄文文化の崩壊

 著者の西田正規さんは、福井県の縄文時代の遺跡・鳥浜貝塚の出土遺物を分析したことで有名です。本書にも、その成果が掲載されています。

Nishida1989


人類生態学の本11.定住革命(人類史のなかの定住革命)

2013年10月22日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap
人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫) 人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫)
価格:¥ 1,008(税込)
発売日:2007-03-09

 この『定住革命(人類史のなかの定住革命)』は、元筑波大学の西田正規さんにより、主に人類生態学について書かれたものです。1986年に『定住革命』という題で新曜社から出版され、2007年に『人類史のなかの定住革命』に改題されて講談社学術文庫として講談社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全3部10章からなります。

第1部.定住革命論

  • 定住革命
  • 遊動と定住の人類史
  • 狩猟民の人類史
  • 中緯度森林の定住民

第2部.定住の生態学

  • 歴史生態人類学序説
  • 鳥浜村の四季
  • ゴミが語る縄文の生活
  • 縄文時代の人間-植物関係

第3部.道具使用の生態学

  • 人類=手型動物の頂点に立つ
  • 家族、分配、言語の出現

 本書は、様々な雑誌に発表された論考が元になっていますが、第3部の2編は書き下ろしです。

Nishida1986


人類生態学の本10.人類の生態

2013年10月21日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap
生態学講座〈25〉人類の生態 (1974年) 生態学講座〈25〉人類の生態 (1974年)
価格:(税込)
発売日:1974

 この『人類の生態』は、大塚柳太郎さん・田中二郎さん・西田利貞さんにより、人類生態学について書かれたものです。1974年に、生態学講座25として共立出版から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全4章からなります。

  1. 序論(大塚柳太郎)
  2. 野生チンパンジーの生態(西田利貞)
  3. ブッシュマンの生態(田中二郎)
  4. オリオモ地方パプア人の生態(大塚柳太郎)

 本書は、日本における人類生態学初期の研究成果が書かれており、大変、参考になります。

Otsukatanakanishida1974


人類生態学の本9.ヒトの自然誌

2012年04月29日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

Tanakakakeya1991

ヒトの自然誌
価格:¥ 5,046(税込)
発売日:1991-02

 この本は、元京都大学の霊長類学者・伊谷純一郎[1926-2001]さんが1990年に京都大学を定年退官したのを記念して編集された、論文集です。田中二郎さん・掛谷 誠さんによる編で、1991年に平凡社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全6章からなります。 

Ⅰ.共存の原理

  • 平等主義の進化史的考察(市川光雄)
  • 「分かち合い」としての「分配」(丹野 正)
  • 平等性と不平等性のはざま(掛谷 誠)

Ⅱ.コミュニケーションの諸相

  • サンの日常と歌(今村 薫)
  • サンの会話構造(菅原和孝)
  • 「深い関与」を要求する社会(北村光二)
  • 投擲的発話(木村大治)

Ⅲ.農耕と牧畜の世界

  • バルーチュ族のヤシ文化(松井 健)
  • エチオピア西南部におけるエンセーテの品種保存(重田眞義)
  • 人間と家畜の関係からみた牧畜論の試み(鹿野一厚)
  • セントラル・カラハリ・サンのヤギ飼養について(池谷和信)
  • ラクダ移譲の制度的側面(佐藤 俊)

Ⅳ.病いと死の民俗

  • トゥルカナの家畜をめぐる病気観(太田 至)
  • 森の民ガンドウの生と死をめぐる伝承(武田 淳)
  • アイヌの宇宙観再考(山田孝子)
  • 死者を訪ねる旅(澤田昌人)

Ⅴ.人々の絆

  • 再訪・ソンゴーラの物々交換市(安渓遊地)
  • アラウ夫人の店(原子令三)
  • アカにおける社会的アイデンティティ(竹内 潔)
  • 夫と妻にとっての結婚の意味(河合香吏)
  • 森と村と蜂蜜と(寺嶋秀明)
  • スワンプの漁師たち(今井一郎)
  • トングウェ族の職人の世界(西田正規)

Ⅵ.変貌する社会

  • タンザニアのニャキュウサ社会の歴史的変化(栗田和明)
  • 定住した狩猟採集民バカ・ピグミー(佐藤弘明)
  • カラハリ狩猟採集民サンの定住化とその影響(大崎雅一)
  • 変貌するアフリカと狩猟採集民(田中二郎)

人類生態学の本8.人間

2012年04月17日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

Kawakidaumusaokamiyama1966

人間―人類学的研究 (1966年)
価格:¥ 3,360(税込)
発売日:1966

 この本は、元京都大学の霊長類学者・今西錦司[1902-1992]さんの還暦を記念して出版された論文集です。1966年に、川喜多二郎[1920-2009]さん・梅棹忠夫[1920-2010]さん・上山春平さんによる編で、中央公論社から出版されました。

 今西錦司さんの還暦記念論文集は、本書の『人間』の他に、『サル』・『自然』と合計3冊が出版されています。

 本書の内容は、以下のように、序以外全17編の論文からなります。

  • 序にかえて(桑原武夫)
  • 1.Personalityの進化に関する覚えがき(今西錦司)
  • 2.乾燥地域の国家(谷 泰)
  • 3.社会編成論(上山春平)
  • 4.世界農業史上における古代旱地農法の位置(飯沼二郎)
  • 5.産業革命論(角山 栄)
  • 6.ロールシャハ・テストによるカラコラム・ナギール領民のモーダル・パーソナリティ(藤岡喜愛)
  • 7.農民の要求水準と行動様式(米山俊直)
  • 8.日本の人類退化論(筑波常治)
  • 9.Adventurousな現象に対する日本人の社会的反応について(本田勝一)
  • 10.チベット文化の生態学的位置づけ(川喜多二郎)
  • 11.「ヒンドゥー化」についての一考察(飯島 茂)
  • 12.東南アジアにおける山地民族の問題(岩田慶治)
  • 13.東南アジアの焼畑の輪栽様式と人口支持力(佐々木高明)
  • 14.Datoga牧畜社会における家族と家畜群(梅棹忠夫)
  • 15.Datoga族の地域集団(富川盛道)
  • 16.Hadzapi族の食生活について(富田浩造)
  • 17.Mangola村におけるBantu系農耕民の部族間の関係について(和崎洋一)

人類生態学の本7.人類生態学

2009年11月01日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

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人類生態学 (1977年) (文庫クセジュ)
価格:¥ 578(税込)
発売日:1977-07

 この本は、フランスの人類学者ジョルジュ・オリヴィエ[Georges OLIVIER]さんがフランス語で書いた『L'ecologie Humaine』を、高崎経済大学の人類生態学者・河辺俊雄さんが翻訳したものです。1977年に、文庫クセジュ609として、白水社から出版されました。

 オリヴィエさんは、パリ大学で形態人類学や生体人類学等を専攻していたフランスを代表する人類学者です。日本では、大妻女子大学の芦沢玖美さんがオリヴィエさんの元に留学していたこともあり、『ヒトと進化』という本を翻訳され、1968年にみすず書房から出版されています。

 本書の内容は、以下のように全3章からなります。

第1章.定義

  1. 何が問題になるか
  2. 個体群とは何か
  3. 適応
  4. 淘汰

第2章.自然環境への適応

  1. 日照
  2. 気温
  3. 湿度
  4. 高度
  5. 気候病理学

第3章.人間環境への適応

  1. 混血
  2. 内婚と外婚
  3. 都市化
  4. 社会-経済環境
  5. 家族構成
  6. 未来の人間環境

 フランス語で書かれた人類学関連の本で翻訳されたものは非常に少なく、貴重な本です。


人類生態学の本6.人類生態学

2009年10月31日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap
人類生態学 人類生態学
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2002-03

 この本は、大塚柳太郎さん・河辺俊雄さん・高坂宏一さん・渡辺知保さん・阿部 卓さんが、人類生態学の教科書として書いたものです。2002年に、東京大学出版会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全4部15章からなります。

序章

Ⅰ.生態系のなかの人間

 1.生態系と人類の特性

 2.人類の起源と進化

 3.生存様式の変化と多様化

 4.生業と社会

Ⅱ.人間の生存と健康

 5.身体とその機能

 6.行動の生態学

 7.栄養と健康

 8.病胃の生態学

Ⅲ.人口からみた人間

 9.長期的な人口変化

10.人口指標と集団の適応

11.現代の人口問題

Ⅳ.環境問題と人間

12.エネルギーと資源

13.ライフスタイルと環境

14.人為的環境の健康影響

15.地球環境問題と人類

 ただ、執筆者部分が明記されていないので、不明です。私の間違いでしたら、お詫びします。


人類生態学の本5.生態人類学を学ぶ人のために

2009年10月30日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

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生態人類学を学ぶ人のために
価格:¥ 1,988(税込)
発売日:1995-06

 この本は、秋道智彌さん・市川光雄さん・大塚柳太郎さんの編著により、生態人類学を学びたい人のために書かれた入門書です。1995年に、世界思想社より出版されました。

 本書の内容は、以下のように全2部11章からなります。

まえがき(伊谷純一郎)

序章.生態人類学の領域と展望(秋道智彌・市川光雄・大塚柳太郎)

第Ⅰ部.生態人類学の考え方と方法

  1. 活動と生業適応: 狩猟採集・農耕・牧畜(丹野 正)
  2. エネルギーと栄養: 生態系における人間集団の基礎的研究(口蔵幸雄)
  3. 身体と環境: 人間の適応における個体研究(門司和彦)
  4. 分類・認識・行動: 生態人類学における分類のとりあつかい(寺嶋秀明)
  5. 遊牧社会と市場経済: 東アフリカの事例から(佐藤 俊)
  6. 宗教と生態: チペワイアンの神話と生態(煎本 孝)

第Ⅱ部.生態人類学の現代的展開

  1. 環境問題と人類学: アフリカ熱帯雨林の例から(市川光雄)
  2. 資源と所有: 海の資源を中心に(秋道智彌)
  3. 「近代化」と女性: アフリカ女性の生計活動から(杉山祐子)
  4. 生態と社会変化: パプアニューギニアの事例をもとに(須田一弘)
  5. 環境と人口: パプアニューギニア人の適応(大塚柳太郎)

 本書で、生態人類学の幅広い事例を知ることができます。


人類生態学の本4.人類生態学

2009年10月29日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

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人類生態学
価格:¥ 3,360(税込)
発売日:1990-04

 この本は、鈴木継美さん・大塚柳太郎さん・柏崎 浩さんが書いた、人類生態学の教科書です。1970年に、東京大学医学部保健学科に人類生態学が講義科目としてとりあげられから、20年目を記念して、1990年に東京大学出版会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全4章15項目に分かれます。

第1章.人間とその環境

 1.人間とその環境(鈴木継美)

 2.生態系のなかの人間、個体群としての人間(大塚柳太郎)

 3.人類の進化と環境(大塚柳太郎)

 4.居住の場所、生業、社会(大塚柳太郎)

第2章.環境と人間を繋ぐもの

 5.人間の行動(大塚柳太郎)

 6.食生活と栄養(柏崎 浩)

 7.病気の生態学(鈴木継美)

第3章.人間の適応のとらえ方

 8.文化の生物学的基盤(鈴木継美)

 9.生物学的適応と文化的適応(鈴木継美)

10.人口再生産のメカニズム(柏崎 浩)

11.生活集団と人口変動(柏崎 浩)

第4章.現代社会と人類生態学

12.都市化、産業化と人間(大塚柳太郎)

13.移住と適応(柏崎 浩)

14.現代医療と健康(鈴木継美)

15.人類の将来とその環境(鈴木継美)

 分担執筆による、人類生態学の教科書は、これが初めてであると思われます。

 


人類生態学の本3.現代の人類学・生態人類学

2009年10月28日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

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現代の人類学〈1〉生態人類学 (1983年)
価格:¥ 1(税込)
発売日:1983-12

 この本は、大塚柳太郎さんによる編集で、現代のエスプリ別冊として現代の人類学1として、至文堂から出版されました。これらは、論文を再掲載したものを中心にして構成されています。

 本書の内容は、以下のように

  • 概説・生態人類学(大塚柳太郎)
  • 道具の起源:霊長類学からの展望(西田利貞)
  • ヒト化と道具の起源(丹野 正)
  • 歴史生態人類学(西田正規)
  • 育児における父系戦略と母系戦略(市川光雄)
  • ヒトの多様性の研究:小地域での集団遺伝学的アプローチ(片山一道)
  • 日本人の形質の時代変化と環境要因(河内まき子)
  • 狩猟民ピグミーと遊牧民ガブラ(原子令三)
  • 漁撈と農耕の比較生態(五十嵐忠孝)
  • 資源利用の比較生態(秋道智彌)
  • 日本人農業移住者における生と死(柏崎 浩)
  • 居住集団のサイズと生態(口蔵幸雄)
  • 遊牧民レンディーレ族の年齢体系と生業集団(佐藤 俊)
  • ランバ族と食物(武田 淳)
  • ボイエラ族のタンパク源(佐藤弘明)
  • 「妬み」の生態人類学(掛谷 誠)

 本書の中で、大塚柳太郎さんによる概説では、「・・・(引用始め)・・・日本における生態人類学のはしりとなったのは、一九五〇年代に行われた渡辺 仁氏のアイヌの研究であった。・・・(引用終わり)・・・」となります。


人類生態学の本2.人類生態学の方法

2009年10月27日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

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人類生態学の方法 (1980年) (UP選書〈213〉)
価格:¥ 1,029(税込)
発売日:1980-12

 この本は、鈴木継美さんが、人類生態学の教科書として書いた本です。1980年に、UP選書213として、東京大学出版会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全9章からなります。

  1. 人類生態学とはいかなる科学か
  2. 人間とその環境
  3. 手作りのセンサス
  4. センサスから人口動態へ
  5. 人口の長期変動
  6. 人口調節のメカニズム
  7. 生業の構造
  8. 消費の諸側面
  9. 環境の評価

 私が知る限り、翻訳以外では、初めての人類生態学の教科書だと思われます。


人類生態学の本1.人類生態学ノート

2009年10月26日 | K5.人類生態学の本[Human Ecology:Jap

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人類生態学ノート (1970年) (UP選書)
価格:¥ 504(税込)
発売日:1970

 この本は、勝沼晴雄さんと鈴木継美さんによる編著で、1969年に東大医学部保険学科で行われた人類生態学の総合講義をまとめたものです。1970年に、UP選書59として、東京大学出版会から出版されました。

 本書の内容は、以下のように全8章に分かれます。

  1. 人類生態学序論(勝沼晴雄)
  2. 文化的環境と人間(泉 靖一)
  3. ヒトの生態と進化(渡辺 仁)
  4. 適応の弾力性(鈴木継美)
  5. 人類の疾病・死亡と環境(籾山政子)
  6. 人口密度の社会的・生物的影響(竹本泰一郎)
  7. バイオメーターとしての血色素濃度(松本信雄)
  8. 人類生態学・解題(鈴木継美)

 私が知る限り、日本語でタイトルに「人類生態学」という名称が付いた本は、これが初めてではないかと思われます。