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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

日本人類学会7.第1回人類学交流会「鈴木 尚[1912-2004]先生の人類学」

2012年12月16日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

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第1回人類学交流会冊子「鈴木 尚[1912-2004]先生の人類学」表紙

 2012年12月15日(土)の午後2時から午後5時にかけて、新宿ワシントンホテル新館3階菊の間にて、第1回人類学交流会を開催しました。この人類学交流会は、年長人類学者と若手人類学者との交流を目指したもので、ただの忘年会ではなく、学術的な意味も持たせるために先人の人類学者の足跡を辿る催しも行いました。今回は、元国立科学博物館の馬場悠男先生と私が幹事を務めさせていただきました。

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第1回人類学交流会の様子

 第1回は、元東京大学の人類学者・鈴木 尚[1912-2004]先生を取り上げ、私がパワーポイントを作成して鈴木 尚先生の生涯と学問的業績をご紹介しました。また、冊子も作成しこれまで出版された鈴木 尚先生に関する資料を再録し、さらに私が鈴木 尚先生[1912-2004]図説年譜を新たに書き下ろしました。実は、今年は鈴木 尚先生の生誕100周年にあたります。

 その後、お名前のあいうえお順でご紹介すると、元東京大学(現・高知工科大学)の赤澤 威先生・元大妻女子大学の芦澤玖美先生・元東京大学の尾本恵市先生・元東京大学の木村 賛先生・元立教大学の香原志勢先生・元横浜国立大学の長谷川善和先生・元国立科学博物館の馬場悠男先生等による、鈴木 尚先生を巡る思い出話や調査の話を披露していただきました。会は、長老人類学者から若手人類学者まで約50名が参加した盛会となり、第2回は元筑波大学の岡田守彦先生が幹事を引き受けていただくことになって閉会となりました。

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第1回人類学交流会冊子「鈴木 尚[1912-2004]先生の人類学」裏表紙


日本人類学会6.第66回日本人類学会での発表

2012年11月05日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

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 第66回日本人類学会が、2012年11月2日(金)~同11月4日(日)まで、慶應大学日吉校舎で開催されました。大会会長は、慶應大学文学部の高山 博先生です。

1日目:2012年11月2日(金)

 この日は、17:20~19:50にかけて、シンポジウム『戦没者遺骨収集事業と人類学』を開催しました。このシンポジウムは、私と国立科学博物館の坂上和弘さんの2人でオーガナイザーを務め、7つの発表が行われました。このようなシンポジウムは、日本では初めてのことで、遅い時間にも関わらず、多くの人類学者が参加して興味を持って聴いていただきました。このシンポジウムは、以下のような内容です。

  • 趣旨説明:楢崎修一郎・坂上和弘
  • 経緯説明:山口昌巳(厚生労働省外事室長)
  • 国内の遺骨収集事例・沖縄:染田英利・譜久嶺忠彦・石田 肇
  • 海外の遺骨収集事例・マーシャル諸島とキリバス:片山一道
  • 海外の遺骨収集事例・マーシャル諸島とサイパン:楢崎修一郎
  • 海外の遺骨収集事例・ペリリュー島:坂上和弘
  • 海外の遺骨収集事例・キリバスとサイパン:土肥直美
  • 海外の遺骨収集事例・フィリピン:橋本正次
  • DNA鑑定による戦没者遺骨の身元確認:梅津和夫

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シンポジウム「戦没者遺骨収集事業と人類学」(*画像をクリックすると、拡大します。)

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シンポジウムでの発表風景

2日目:2012年11月3日(土)

 この日は、ポスター発表を見学したり、17:30から開催された懇親会に出席し、情報交換を行いました。

3日目:2012年11月4日(日)

 この日は、一般口演で10:35から10:50まで、「群馬県出土中近世人骨の頭蓋骨縫合早期癒合症」の発表を行いました。

 この発表の抄録は、以下の通りです。

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「群馬県出土中近世人骨の頭蓋骨縫合早期癒合症」抄録(*画像をクリックすると、拡大します。)


日本人類学会5.第66回日本人類学会大会

2012年09月15日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

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第66回日本人類学会大会ポスター(*画像をクリックすると、拡大します。)

 第66回日本人類学会大会が、2012年11月2日(金)・3日(土)・4日(日)の3日間、慶應義塾大学の日吉キャンパスで開催されます。

・日時: 2012年11月2日(金)~同11月4日(日)

・場所: 慶應義塾大学日吉キャンパス

・名誉大会長: 山崎信寿(慶應義塾大学理工学部)

・大会会長: 高山 博(慶應義塾大学文学部)

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公開シンポジウム『「猿の惑星」から学ぶヒトとサル』(*画像をクリックすると、拡大します。)

 第66回日本人類学会の中で、公開シンポジウムが、11月3日(土)に慶應義塾大学日吉キャンパスで開催されます。

『「猿の惑星」から学ぶヒトとサル:映像・シナリオに秘められたメッセージを読み解く』

・日時: 2011年11月3日(土)、14:30~17:00(開場14:00)

・場所: 慶應義塾大学藤原洋記念ホール(協生館2F)

・入場料: 入場無料


日本人類学会4.第65回日本人類学会での発表

2011年11月07日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

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 第65回日本人類学会大会が、2011年11月4日(金)~同11月6日(日)まで、沖縄県立博物館・美術館で開催されました。大会会長は、琉球大学医学部の石田 肇先生です。沖縄での人類学会は、初めてのことでした。前回の第64回日本人類学会大会には参加できなかったのですが、今回は2年ぶりに参加して発表しました。

1日目:2011年11月4日(金)

 飛行機の関係で、この日は夕方に那覇に着いて懇親会だけ参加しました。久しぶりに多くの人類学者と会って、情報交換をしました。また、2次会は翌日のシンポジウム参加者と飲みました。

2日目:2011年11月4日(土)

 9:30~11:30にかけて開催された、シンポジウム5『古病理学の新たな展開』で、「鍋被り葬・鉢被り葬と古病理:群馬県出土中近世墓坑の事例」を発表しました。20111105

シンポジウムで発表中の私[藤田 尚さんが撮影] 

 この発表の抄録は、以下の通りです。

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「鍋被り葬・鉢被り葬と古病理」抄録(*画像をクリックすると、拡大します。)

 また、この日の夕方は、博物館の屋外展示場で「ゆんたく会」という飲み会が設定されており、沖縄の美味しい焼酎をいただきました。

3日目:2011年11月5日(日)

 この日は、午前に一般口演発表・午後にシンポジウムの発表を行いました。

(午前)

 一般口演12『先史・考古』で、9:42~9:52にかけて「群馬県有笠山遺跡出土弥生時代再葬墓人骨の追加発見」を口頭発表しました。(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団の菊池 実さんとの共同発表です。

 この発表の抄録は、以下の通りです。

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「群馬県有笠山遺跡出土弥生時代再葬墓人骨の追加発見」抄録(*画像をクリックすると、拡大します。)

(午後)

 12:30~14:30にかけて開催された、シンポジウム『骨鑑定の現状と可能性』で、「焼骨から得られる法医人類学の情報」を発表しました。

 この発表の抄録は、以下の通りです。

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 今回、2日間で3つの発表を行いましたが、やはり、2つぐらいが丁度良いなと感じました。3つの内、どれかは採択されない可能性があると思っていたのですが、すべて採択されたためにこうなりました。でも、色々な発表を聞き、討論の中で多くを学ぶことができました。


日本人類学会3.第63回日本人類学会での発表

2009年10月05日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

 第63回日本人類学会が、2009年10月3日(土)・10月4日(日)の2日間にわたって、東京都千代田区平河町のシェーンバッハ・サボー(砂防会館)で開催され、私も参加してきました。今回の大会会長は、国立長寿医療センター研究所所長の鈴木隆雄先生です。

1.大会初日(10月3日)

 午前中は、各分科会が開催されました。これらは、歯の人類学分科会、キネシオロジー・ヘルスサイエンス共同分科会、骨考古学分科会、進化人類学分科会の4つです。個人的には、聞きたいテーマが重なったプログラムで、少し残念です。

 午後は、一般口演で、形態学・古人骨、進化・歯牙・同位体分析、人類遺伝・DNAの3つのセッションが行われ、その後、学生会員大会発表賞が行われました。

 夕方からは、懇親会がシェーンバッハ・サボーの真向かいにある海運クラブで開催されました。学生会員大会発表賞がずれこんだため、予定された時間よりも少し遅れて始まりました。

2.大会2日目(10月4日)

 午前中は、一般口演で、発掘古人骨、人類学教育、運動・発達・生体、先史・考古、生態・進化・行動の5つのセッションが行われました。

 午後は、ポスター討論、評議員会・総会が行われた後、シンポジウム3つが行われました。

 私は、大会2日目の午前中に「元総社蒼海遺跡群出土中世人骨」を口頭発表し、それが終わるとすぐに、ポスター発表「津久田華蔵寺遺跡出土中世人骨の古病理」のポスター討論に参加しました。同じ日に2つ重なり、しかも、懇親会の翌日なので懇親会で飲み過ぎたことを後悔しながら発表と討論に参加しました。

 ちなみに、来年の大会は、北海道の伊達市で開催されることになりました。

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ポスター発表掲示の様子

 このポスター発表は、中世人骨の下顎や骨折についての古病理の発表なので、現日本人類学会会長で日本大学松戸歯学部の金澤英作先生と国立長寿医療センター研究所の鈴木隆雄先生にお願いして、連名での発表とさせていただきました。


日本人類学会2.骨考古学分科会

2009年09月10日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

 2009年10月3日(土)・4日(日)に、日本人類学会が、東京のシェーンバッハ・サボーで開催されることは、以前、このブログでもお知らせしました。この日本人類学会には、分科会がいくつかあるのですが、その内、『骨考古学分科会』が、10月3日(土)の午前9時~12時にかけて開催されます。

 一般の方が、この分科会のみに参加することが可能で、しかも、参加料及び参加登録は不要だそうです。詳細は、以下の通りです。

シンポジウム名:『骨考古学分科会シンポジウム:縄文生業の地域性と多様性を探る』

日時:2009年10月3日(土)、9:00~12:00

場所:『シェーンバッハ・サボー(旧砂防会館)』の「立山」

プログラム

  1. 物質文化からみた縄文生業の地域性: 山田康弘(島根大学)
  2. 動物組成からみた縄文生業の地域性: 鵜澤和宏(東亜大学)
  3. 同位体分析からみた現代日本人の食生態と地域生態系: 陀安一郎(京都大学)
  4. 同位体分析からみた縄文生業の地域性: 米田 穣(東京大学)
  5. 縄文時代人の齲歯率の地理差から生業を考える: 藤田 尚(新潟県立看護大学)
  6. 総合討論・分科会総会

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日本人類学会1.第63回日本人類学会

2009年06月29日 | A4.日本人類学会[Anthropological Soci

 日本人類学会は、1884年、明治17年に創立された日本でも最古の学会の1つです。毎年、1回、大会が開催されます。今年は、2009年10月3日(土)と10月4日(日)の2日間にわたって、東京都千代田区にある「シェーンバッハ・サボー」で開催されます。私も、久しぶりに学会発表をすることにしました。

 このシェーンバッハ・サボーの「サボー」とは、砂防会館の別館であることに由来しています。言うまでもなく、この砂防会館には、以前、故田中角栄さんの個人事務所や田中派の派閥事務所があったことで有名です。

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 大会会長は、古病理学の権威の鈴木隆雄先生です。このポスターでは、東京都老人総合研究所となっていますが、すでに、このブログでもお伝えしましたように、鈴木先生は今年の4月に国立長寿医療センターの研究所所長に転任されました。ちなみに、このポスターの図は、現代解剖学の創始者とも呼ばれる「アンドレアス・ヴェサリウス(1514-1564)」が描いたものです。

 この大会に興味がおありの方は、日本人類学会のホームページにアクセスしてみてください。また、学会への入会も随時受け付けています。