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人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

日本人の起源の本・古典2.人種名彙

2012年06月03日 | F2.日本人の起源の本:古典[Origin of

A Gazetteer of Ethnology A Gazetteer of Ethnology
価格:¥ 2,900(税込)
発売日:2012-01-10

A Gazetteer of Ethnology A Gazetteer of Ethnology
価格:¥ 1,659(税込)
発売日:2012-05-14

 この本は、東京帝国大学の人類学者・松村 瞭[1880-1936]が、世界中の民族についてまとめた辞典です。英語と日本語で併記されている、珍しい本です。英語タイトルは『A Gazetteer of Ethnology』で、日本語タイトルは『人種名彙』となっています。直訳すると、「民族辞典」となるでしょうか。1908年に、丸善株式会社から出版されました。

 この本は、東京帝国大学の人類学者・坪井正五郎[1863-1813]の校閲となっています。また、この坪井正五郎と松村 瞭の父親で、東京帝国大学の植物学者・松村任三[1856-1926]に捧げられています。ちなみに、松村任三は、1915年に『植物名彙』を出版しており、息子の本に刺激されたのかもしれません。

 本書は、今と異なり情報があまり発達していない中、よくぞここまで網羅したと思えるような本です。「故松村瞭博士追悼号」として特集された、『人類学雑誌』第51巻第9号(1936)には、多くの人類学者・考古学者・民族学者が追悼文を寄稿しています。その中でも、台北帝国大学の人類学者・移川子之蔵[1884-1947]が留学中にハーヴァード大学大学院の研究室司書が、「こんな、重宝な字引があるので、大助かりです。」と言っていたというエピソードを紹介しています。

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