人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

日本の人類学者51.小金井良精(Ryosei KOGANEI)[1859-1944]

2014年12月31日 | H5.日本の人類学者[Anthropologist of J

Ryoseikoganei 

小金井良精(Ryosei KOGANEI)[1859-1944](『人類学研究・続編』より改変して引用)[以下、敬称略。]

 小金井良精(こがねい よしきよ)は、安政5年12月14日に越後長岡藩士の小金井儀兵衛良達と小林 幸の間の次男として生まれました。旧暦では安政5(1858)年12月14日になりますが、新暦では1859年1月17日生まれとなります。印刷物では、小金井良精の生年に、1858年と1859年との2つが認められます。実際、小金井良精の生誕百年を記念して出版された『人類学研究・続編』は、1958年12月11日に出版されています。

 1868(慶応4・明治元)年には戊辰戦争に巻き込まれ、約半年間、長岡・会津・仙台と流浪生活を送っています。ちなみに、長岡藩を率いて戊辰戦争を戦った河井継之助[1827-1868]や米百俵で有名な小林虎三郎[1828-1877]は、親戚だそうです。

 上京すると、1870(明治3)年に大学南校・1872(明治5)年に第一大学区医学校と東京大学医学部で医学を学び、1880(明治13)年に卒業します。ちなみに、入学当初は、年齢を偽って入学したと言われています。

 卒業した年の1880(明治13)年11月14日に、3年のドイツ留学を許可され、1881(明治14)年にベルリン大学で学び、1882(明治15)年にストラスブルグ大学[現・ストラスブール大学]で学びます。ドイツでは、解剖学者のハインリッヒ・ヴィルヘルム・ゴットフリード・ワルダイエル-ハルツ(Heinrich Wilhelm Gotfried WALDEYER-HARTZ)[1836-1921]に学んでいます。

 

 


日本人の起源の本55.日本人の起源

2014年10月13日 | F1.日本人の起源の本[Origin of Japane

日本人の起源 (別冊宝島 2233) 日本人の起源 (別冊宝島 2233)
価格:¥ 1,501(税込)
発売日:2014-08-08

 この『日本人の起源』は、東京大学の人類学者・近藤 修さんによる監修で、日本人の起源について最新の成果が書かれたものです。2014年に、別冊宝島2233として、宝島社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全6章からなります。

  1. 白保竿根田原洞穴遺跡最新レポート
  2. 出アフリカから、世界への拡散
  3. ホモ・サピエンスはいつ日本にやってきたのか
  4. 縄文時代人と弥生時代人のルーツを探る
  5. 日本人の特徴はこうしてできた
  6. 最新技術で探る「われわれの祖先」

 本書は、A4版でオールカラーで多くの写真と文章で最新の日本人の起源について書かれており、大変、参考になります。特に、沖縄県の石垣島から発見された、白保竿根田原洞穴出土人骨について詳細に紹介されており、参考になります。

Kondo2014


日本人の起源の本53.縄文人からの伝言

2014年10月12日 | F1.日本人の起源の本[Origin of Japane

縄文人からの伝言 (集英社新書) 縄文人からの伝言 (集英社新書)
価格:¥ 778(税込)
発売日:2014-07-17

 この『縄文人からの伝言』は、元奈良文化財研究所の岡村道雄さんが、日本人のルーツは弥生人ではなく縄文人だと説いた本です。2014年に、集英社新書0746Dとして、集英社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  • はじめに:私が目指す縄文的な生活
  • 第1章.数百年から千年以上も続いた縄文集落
  • 第2章.海・山の幸と自然物の利用
  • 第3章.定住を支えた手作り生産と物の流通
  • 第4章.縄文人の心と祈り
  • 第5章.墓・埋葬とゴミ捨て場・「送り場」
  • 第6章.縄文的生活文化の終わり
  • おわりに:歴史に学ぶべき現代

 人類学の成果からは、現代日本人は、西日本では渡来系である弥生人が主であり、東日本では在来系の縄文人と弥生人の混血または縄文人の系統が濃いとされています。一方、在来系の縄文人の系統を色濃く残しているのは、北海道のアイヌと琉球地方だと考えられています。ただ、これは、形質の問題であり、著者が提起している文化や物に関しては、多くのものが現代に引き継がれています。

Okamura2014


アクセス20万到達!

2014年10月11日 | A3.お知らせ[Notice]
         アクセス20万到達!                    本日、10月11日(土)にこのブログ「人類学のすすめ」へのアクセスが20万に到達しました。これも、今までこのブログを訪問していただいた皆様のおかげです。どうも、ありがとうございました。ただ、OCNのブログ人が11月30日でサービスが終了するため、このブログも移転する予定です。

人類学史の本48.坪井正五郎

2014年10月10日 | H1.人類学史の本[History of Anthropol

坪井正五郎―日本で最初の人類学者 坪井正五郎―日本で最初の人類学者
価格:¥ 5,400(税込)
発売日:2013-09-12

 この『坪井正五郎』は、編集者の川村伸秀さんが、東京帝国大学の人類学者・坪井正五郎[1863-1913]について生涯をまとめた評伝です。副題には、「日本で最初の人類学者」とあります。2013年に、弘文堂から出版されました。

 坪井正五郎は、1863年1月5日に生まれました。正月の五日に生まれたため、正五郎と名付けたと言われています。やがて、東京英語学校・東京大学予備門・帝国大学理科大学理学部動物学科を卒業し、大学院に進学します。在学中には、現在の日本人類学会を設立しました。その後、ヨーロッパへ留学し、帰国後は帝国大学理科大学教授に就任します。しかし、1913年5月26日に、ペテルブルクで開催された「第5回万国学士院連合大会」出席中に体調を崩し、ドイツのアレクサンドル病院で死去しました。まだ、50歳という若さでした。しかし、人類学会の基礎を築き、人類学を広く広報し、人類学教室という日本で初めての教室を築いたという功績は大きいと考えられます。

 本書の内容は、以下のように、全2部全18章からなります。なお、「第1部.人類学へ」は1章から9章、「第2部.人類学から」は10章から18章となります。

  1. 誕生
  2. 学会設立
  3. 独学
  4. 風俗測定
  5. 横穴発掘
  6. 看板考
  7. 予備調査
  8. 論争
  9. 留学
  10. 講義
  11. 趣味仲間
  12. 実録笑話
  13. 人間展示
  14. 遠足
  15. 三越
  16. 湖底遺跡
  17. 世界一周
  18. 客死

 本書は、著名な人類学者・坪井正五郎について初めてまとめられた評伝で、坪井正五郎没後100年に出版されました。

Kawamura2013


戦争遺跡の本9.歩いて見た太平洋戦争の島々

2014年10月09日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

歩いて見た太平洋戦争の島々 (岩波ジュニア新書) 歩いて見た太平洋戦争の島々 (岩波ジュニア新書)
価格:¥ 1,058(税込)
発売日:2010-04-21

 この『歩いて見た太平洋戦争の島々』は、吉田 裕さんによる監修・安島太佳由さんによる著で、硫黄島と南太平洋の島々の戦争遺跡について書かれたものです。2010年に、岩波ジュニア新書652として、岩波書店から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全2部からなります。

第1部.硫黄島

第2部.南太平洋の激戦の島々

  1. ガダルカナル島:「餓島」と呼ばれた悲劇の島
  2. ラバウル、ニューギニア東部:もっとも過酷な戦場
  3. ビアク島:ニューギニア西部の激戦地
  4. トラック諸島:日本海軍の太平洋における一大拠点
  5. マリアナ諸島:絶対国防圏の要衝
  6. パラオ諸島:ペリリュー島洞窟持久作戦が始まった島
  7. フィリピン:最大の戦死者を出した戦場

 本書は、硫黄島と南太平洋の激戦地について写真と文章で解説されており、大変、参考になります。

Yasujima2010


戦争遺跡の本8.戦争遺跡から学ぶ

2014年10月08日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

戦争遺跡から学ぶ (岩波ジュニア新書) 戦争遺跡から学ぶ (岩波ジュニア新書)
価格:¥ 886(税込)
発売日:2003-06-21

 この『戦争遺跡から学ぶ』は、戦争遺跡保存全国ネットワークによる編で、日本国内の戦争遺跡について書かれたものです。2003年に、岩波ジュニア新書436として、岩波書店から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全4部からなります。

Ⅰ.いま、戦争遺跡が語りかける

Ⅱ.きみの街にも戦争遺跡がある

Ⅲ.戦争遺跡を訪ねる

  1. 地下壕は語りかける
  2. 沖縄戦と民衆
  3. 秘密に進められた兵器開発
  4. 原爆と空襲
  5. 街にある軍施設
  6. 要塞はいま
  7. 掩体壕・飛行場・特攻基地
  8. 軍生産工場跡
  9. 戦争遺跡としての神社・墓地・碑
  10. 全国の戦争遺跡

Ⅳ.戦争遺跡の学びかた

 本書は、日本国内の戦争遺跡についてコンパクトにまとめられており、大変、参考になります。

Sensouisekihozonzennkokunetwork2003


戦争遺跡の本7.訪ねて見よう!日本の戦争遺産

2014年10月07日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

訪ねて見よう!日本の戦争遺産 (角川SSC新書) 訪ねて見よう!日本の戦争遺産 (角川SSC新書)
価格:¥ 1,188(税込)
発売日:2009-03

 この『訪ねて見よう!日本の戦争遺跡』は、安島太佳由さんが、日本の戦争遺跡についてまとめたものです。2009年に、角川SSC新書065として、角川SSコミュニケーションズから出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全10章からなります。

  • はじめに
  • 序章.日本各地に残っている戦争の痕跡
  • 第1章.沖縄・九州地方に残る戦争遺産
  • 第2章.中国・四国地方に残る戦争遺産
  • 第3章.近畿地方に残る戦争遺産
  • 第4章.中部地方に残る戦争遺産
  • 第5章.東京都に残る戦争遺産
  • 第6章.関東地方に残る戦争遺産
  • 第7章.東北・北海道地方に残る戦争遺産
  • 最後に「戦跡を訪ねる旅を終えて」

 本書は、北海道から沖縄にかけて、日本全国の戦争遺跡について写真と文章で紹介されており、大変、参考になります。

Yasujima2009


戦争遺跡の本6.サイパン&テニアン戦跡完全ガイド

2014年10月06日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

サイパン&テニアン戦跡完全ガイド―玉砕と自決の島を歩く サイパン&テニアン戦跡完全ガイド―玉砕と自決の島を歩く
価格:¥ 1,728(税込)
発売日:2011-02

 この『サイパン&テニアン戦跡完全ガイド』は、小西 誠さんが、サイパン島とテニアン島の戦争遺跡について書いたものです。2011年に、社会批評社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全2部からなります。

  • パートⅠ.玉砕と自決の島・サイパン
  • パートⅡ.この世の楽園と謳われたテニアン

 本書は、玉砕の島として有名なサイパン島とテニアン島の戦史と戦跡の詳細な紹介が行われており、大変、参考になります。

Konishi2011


戦争遺跡の本5.太平洋戦跡紀行ペリリュー・アンガウル・トラック

2014年10月05日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

太平洋戦跡紀行 ペリリュー・アンガウル・トラック 太平洋戦跡紀行 ペリリュー・アンガウル・トラック
価格:¥ 2,376(税込)
発売日:2007-06

 この『太平洋戦跡紀行ペリリュー・アンガウル・トラック』は、西村 誠さんが、パラオのペリリュー島とアンガウル島とトラック諸島の戦争遺跡について書いたものです。2007年に、光人社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  • ペリリュー
  • アンガウル
  • パラオ本島
  • トラック・パラオ戦記
  • トラック諸島・夏島
  • トラック環礁&竹島
  • トラック諸島・春島
  • トラック・パラオ訪問記

 本書には、多くの写真が掲載されており、大変、参考になります。

Nishimura2007b


戦争遺跡の本4.太平洋戦跡紀行サイパン・グァム・テニアン

2014年10月04日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

サイパングァム・テニアン (太平洋戦跡紀行) サイパングァム・テニアン (太平洋戦跡紀行)
価格:¥ 2,376(税込)
発売日:2007-01

 この『太平洋戦跡紀行サイパン・グァム・テニアン』は、西村 誠さんが、サイパン・グァム・テニアンの戦争遺跡について書いたものです。2007年に、光人社から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全6章からなります。

  • サイパン島
  • グァム島
  • マリアナ玉砕戦の経過
  • テニアン島
  • ロタ島
  • マリアナ諸島訪問記

 本書には、多くの写真が掲載されており、大変、参考になります。

Nishimura2007a


戦争遺跡の本3.近代日本の戦争遺跡

2014年10月03日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

近代日本の戦争遺跡―戦跡考古学の調査と研究 近代日本の戦争遺跡―戦跡考古学の調査と研究
価格:¥ 4,644(税込)
発売日:2005-08

 この『近代日本の戦争遺跡』は、群馬県埋蔵文化財調査事業団の菊池 実さんが戦跡考古学の視点から国内の戦争遺跡について考察したものです。2005年に、青木書店から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全7章からなります。

  • 序章.近代戦争遺跡研究のために
  • 第1章.陸軍岩鼻火薬製造所の研究
  • 第2章.陸軍特殊毒ガス演習場の研究
  • 第3章.陸軍前橋飛行場の研究
  • 第4章.戦時地下工場の研究
  • 第5章.関東軍国境築城の研究
  • まとめ

Kikuchi2005


戦争遺跡の本2.続・しらべる戦争遺跡の事典

2014年10月02日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

続 しらべる戦争遺跡の事典 続 しらべる戦争遺跡の事典
価格:¥ 4,104(税込)
発売日:2003-06

 この『続・しらべる戦争遺跡の事典』は、山梨学院大学の十菱駿武さんと群馬県埋蔵文化財調査事業団の菊池 実さんによる編で書かれた戦争遺跡の事典です。2003年に、柏書房から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全4部からなります。

  • Ⅰ部.全国の戦争遺跡
  • Ⅱ部.戦争遺跡を歩く・見る・しらべる
  • Ⅲ部.海外の戦争博物館を訪ねる
  • Ⅳ部.都道府県別全国戦争遺跡リスト

 本書は、前回ご紹介した、『しらべる戦争遺跡の事典』と共に、戦争遺跡の事典としては国内ではこれだけしかありません。その点で、貴重な一冊です。

 ちなみに、私は、「サイパン島の戦争遺跡」を執筆しています。

Jubishikikuchi2003


戦争遺跡の本1.しらべる戦争遺跡の事典

2014年10月01日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

しらべる戦争遺跡の事典 しらべる戦争遺跡の事典
価格:¥ 4,104(税込)
発売日:2002-06

 この『しらべる戦争遺跡の事典』は、山梨学院大学の十菱駿武さんと群馬県埋蔵文化財調査事業団の菊池 実さんによる編で書かれた戦争遺跡の事典です。2002年に、柏書房から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全3部からなります。

  • Ⅰ部.戦争遺跡:調査・保存・学習の方法
  • Ⅱ部.戦争遺跡案内
  • Ⅲ部.調査・研究のための情報データベース

 本書は、次回にご紹介する、『続・しらべる戦争遺跡の事典』と共に、戦争遺跡の事典としては国内ではこれだけしかありません。その点で、貴重な一冊です。

 ちなみに、私は、「ペリリュー島の戦争遺跡」を執筆しています。

Jubishikikuchi2002


博物館全般の本23.博物館学を学ぶ

2014年09月30日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of

博物館学を学ぶ―入門からプロフェッショナルへ 博物館学を学ぶ―入門からプロフェッショナルへ
価格:¥ 2,052(税込)
発売日:2007-11

 この『博物館学を学ぶ』は、東京女子大学の水藤 真さんが、博物館学について書いた本です。2007年に、山川出版社から出版されました。博物館学の教科書です。

 本書の内容は、以下のように全9章からなります。

  1. 博物館の定義
  2. 博物館の本質と種類
  3. 資料と分類
  4. 資料の収集と整理・保管
  5. 資料の保存・分析・修理・製作
  6. 博物館の事業展開:博物館活動
  7. 博物館の情報
  8. 博物館の維持管理:運営
  9. これから博物館学を学ぶ人へ

 以前、ご紹介した、同じ著者による博物館を考えるⅠ・Ⅱ・Ⅲと併せて読まれることを、お勧めします。

Suito2007