シリア問題は、ロシアが化学兵器の放棄をシリアに提案し、シリアはそれを大枠で同意し、オバマ大統領も提案に一定の評価を下す等、事態は大きく動き出しました。
もし、この流れが継続するのであれば、リスク回避時の資金の流れである、円買い、ドル買いへの圧力は相当低下するでしょう。
もう一つ、FRBの金融緩和政策がいつ縮小されるかについても、市場の大きな焦点になっています。
一つの判断材料とされていたアメリカ雇用統計は、予想よりも低い結果だったことから、縮小期待が一時的に後退し、ドルが売られました。緩和策の縮小は、金利上昇を連想させることから、縮小期待が高まる度にドルは利回り上昇期待で買われ、期待が後退するたびにドルが売られるという動きを繰り返してきました。
雇用統計発表後にも関わらず、一部の地区連銀総裁からは次回のFOMCで資産買入額を減らすことが望ましいとした発言が聞かれたり、資産買入額縮小と利上げとは意味が違うという類の発言が繰り返されたことを受けて、FRBによる資産買入額は、次回のFOMCで縮小されるとの見方が急速に高まっています。
それでもドルが買われないのは、先のシリアリスク後退に加えて、資産買入れ縮小と利上げは必ずしも一致しないとの思惑が大きくなり、縮小されても企業活動は阻害されないとの安心感も株高につながっているのかもしれません。
こうなると暫くドル高をけん引してきた要因が一気に解消されることになり、増々ドルを買う根拠が薄れてきたように思います。
シリア問題はまだ解決していないのは事実ですが、当面は個別の売り材料つまりドル買いとなる、例えば豪ドルの追加利下げや中国経済の低迷などに注意していれば、良さそうな展開になってきました。
個人的にはドル高にならないと大きな相場には成りにくいと考えていますが、少なくともドル円を除いた安易なドル買いは、しにくくなった印象です。今後、シリア問題の出口が見えてきた場合、円に逃避していた資金も解放されるはずだとすれば、クロス円が上昇しやすいのも納得できます。
さて、震災関連やオリンピック特需を見込んだ内需株が注目されていますが、この流れで円安相場が増々底堅くなった場合、ついでに輸出関連までもが活気づく可能性が出てきました。こうなるとやはり、今回は変な海外投信などは避けて、為替リスクもない国内投資が最も安全で有利だとしか思えない展開になってきました。
為替はどうしてもこのままトレンドが出るとは思えず、どうにか最後のチャンスをものにしたいと、もがいている次第です。
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