外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ポンドドル 上昇相場とするには違和感 対ドルアウトルック

2009-06-30 20:05:19 |    -ポンドドル

それにしても、ものすごいポンドのショートカバーでしたね。ロンドン勢が来るまではどうにか耐えていた相場が、一気に吐き出されたという感じでした。
東京時間中にストレートがここまで動くのは滅多にない相場だと思いますが、材料を探したものの特に見当たらず、テクニカル要因が強かったのかも知れません。
確かに東京株式市場が、前日比で高く引けたことも、続く欧州市場への期待感となってドル売りが強まったということもあり得たのでしょう。

本日は、主要3通貨ペアの現状を簡単に把握し、明日から始まる7月相場を想定して見ます。
ではまずは、お騒がせのポンドドルから。
左が週足、右が時間足です。


週足では2番底以来、概ね上昇トレンドを継続していることがわかります。上げそうで上げなかったのは、一目均衡表の雲が迫っており、抵抗となっていた様子がわかります。先週はかろうじて雲の中で終了しているだけに更なる上昇期待があったのかもしれません。

時間足では、ここ数日の変動が見て取れますが、上昇トレンドを否定する材料はありません。今日は高値を更新したということで、上昇の目が残っています。
ただ、週足での雲入りは、一概に続伸を意味できません。つまり、短期での雲は比較的相場転換として捕らえられる傾向がありますが、週足となると、雲はニュートラル、つまりこの間はどちらに行くかわからないゾーンと言う事もできます。さらに先行スパン上限は今後水平に推移していることから、9月以降の水準である1.6825あたりは上値として考慮する必要が出てきそうです。

次にユーロドルです。


こちらの週足は既に雲の中での推移となっており、乱高下する理由が先に述べたとおりです。
ここでも、水平に推移する先行スパン上限1.4180水準は上値抵抗となっています。時間足ではご覧のとおり上昇トレンドですが、基本を揉み合いと仮定すれば、目先の上値抵抗となる先行スパンが利用できそうです。たとえば、1.4180に引き付けて売り、越えてストップかドテン。うまく下落へつながれば先行スパン下限の1.3870手前で利食い。突き抜けて追いかけ売りなどです。短期トレンドを信用しすぎてのナンピン買い下がりは要注意と見ます。

最後にドル円です。


週足では雲に入りかけたものの、居心地が悪かったのでしょうか、直ぐに下方へと雲抜けしています。雲の下方にいるということは、下落バイアスが維持されていると見受けられ、時間足では揉み合い相場にみえます。雲の上限は前述に違わず98.87円で水平推移しており、しばらく相場は揉み合いを継続しそうな気配です。直ぐにでも揉み合いを90~95円にシフトしてもよさそうですが、基本は現状から上下どちらにも大きく変動しそうもありませんから、対円取引にこだわる向きには、ストレートを横に見ながら同じ通貨の対円取引が妥当に見えます。


外国為替相場 先週末29日の海外市場からこれまでのまとめ

2009-06-30 14:30:48 | ☆外国為替を読む

弱気地合いを継続した為替相場は、特に欧州通貨が売られやすい展開で、ドル円ではドル買い円買いとなって、95円台前半から半ばでの揉み合い相場。東京株式市場の日経平均が前日比で下落して終わったことに加え、中国筋からは昨日とは一転し、準備通貨への即時移行はないとの発言が伝わると、ドル買いが強まりました。対ドルで一時ポンドが1.6425水準、ユーロが1.3985水準まで下落しています。

ヨーロッパ時間に入って発表された、ユーロ圏の経済指標が改善された内容となり、欧州通貨が対円で買われる展開となりました。

数日前に、ECBの低金利政策に対して、ドイツ首脳筋より利下げの目は使い果たしたとするコメントがあり、先高感が根強かった可能性があります。
しかし昨日は、政策金利がしばらく据え置かれるとの見通しが、政府筋より発せられるなどで債券市場も堅調に推移。利回り低下が株式市場に好感された形となって、株式相場も堅調に推移した結果、為替相場は対円対ドルで欧州通貨が底堅く推移ました。

NY時間に入っても、株式市場が堅調を維持。途中、地区連銀が発表した企業活動報告が悪化した内容となり、ドルが買い戻される局面もありましたが、為替相場は底堅い株式市場に牽引されて概ねドル売りを継続して終値を迎えています。円も、底堅い株式市場に牽引されて夜半以降は終始安く推移し、一時ドル円は96.15水準まで上昇。ポンド円は159.25水準、ユーロ円は135.45水準まで上昇しました。

今日の東京外国為替市場これまでの動きですが、昨日から継続しているドル売りの流れが強まっています。特に欧州通貨は、対ドルで昨日の上値を更新し、クロス円も上値を拡大する相場展開です。
ドル売り圧力に押され、ドル円は一時下落する局面もありましたが、欧州通貨の上昇力が勝っている模様で、ユーロ円が135.90、ポンド円が159.85水準の高値を付けています。
東京株式相場も月末、期末を迎えて強気を維持しており、総じて投資意欲が向上している相場つきとなっています。

昨日の各市場は、月末と期末を控えて総じて活況相場となりました。チャート的にも上値を追う展開が散見できますが、流動性が不十分な中で見せかけ的な買い物が上昇原因との見方があります。

現に、昨日のNY株式市場は、ダウが前日終値に比べて90ドル近い上昇で引けている一方で、出来高は前日の50%程度にとどまっているとの情報もあり、ダイバージェンスの要素を含んでいます。決してしっかりとした上昇だといえない中、日替わりで投資意欲が高低入れ代わる相場には、思い込みは禁物と見たほうが良いかもしれません。