外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

外国為替 本日11日の主なヨーロッパ経済指標を読む

2009-06-11 16:19:25 | ☆外国為替を読む

17:00(日本時間予定) ユーロ圏 6月ECB(欧州中央銀行)月報
17:30(日本時間予定) イギリス BOE(イングランド中央銀行)四半期インフレ報告

本日はヨーロッパ時間での主だった経済指標発表はありませんが、ECBおよびBOEから、定例のレポートが公開される予定です。インフレレポートはさておき、月報からはヨーロッパ最新の実情が明らかになる可能性もあり、聞こえてくる内容に、市場は一喜一憂しそうです。また、今週末に控えているG8(主要8カ国財務相会合)に絡んだ首脳陣の発言などで、為替はコメント相場となる懸念がありますので、注意が必要です。

今日のイベントは、何んと言っても米国時間の小売売上高ですね。



右端の前回値は-0.4%で、予想はなんとプラス転の0.4~0.5%程度のようです。
予想より強ければ、ドル買いが想定できるものの、ネットで0.8%近くの改善予想は、やや無理がありそうな印象です。ならば改善しても、0.4%を上回らないと失望売りの展開かというと・・・それも疑問ですね。予想に届かなくても、プラスに転じるだけで良しとすべきに見えますが。

問題は為替への影響は、どうなるでしょう??
結果を株式市場が好感してくれれば、キャッシュから投資先へ資金が向くので、ドルは売られ気味に推移する・・・というのがこれまでのシナリオですが、このところ債券相場の影響が強いだけに、万が一にもついでに債券価格が下落した(債券の資金も株式へと向かった)場合は、ドル安→ドル高・株高・債券安(金利高)という展開もありそうですね。

横ばい、もしくは悪化などという結果になれば、消費を占う指標だけに株安は回避しにくそうです。問題はその売却資金がどこに向くのかですが、このところの流れから、債券には向きにくくなっている印象があります。だと仮定すると、金利低下も回避されることになり、一気に為替へとなだれ込んでくることも予想されます。

いずれにしても、各市場が反応した順番に津波のように波及し、後には相場の乱高下という余波だけが残ってしまうとも限りません。相場には絶対はありませんので、ご注意ください。


外国為替 昨日10日の海外市場まとめ

2009-06-11 15:13:09 | ☆外国為替を読む

昨日のドル円は、前日のドル売りの流れから、一転してドル買い基調となりました。

東京時間中は、日経平均が1万円台乗せに向かって活気付くなかで、中国の経済指標が、予想に反して好調を維持している内容だったことが、株式市場にとってはさらなる追い風となった模様です。この株高円安の流れは欧州時間に入っても継続して欧州買い・円売りの展開となり、クロス円が軒並み上昇しました。

NY市場を迎え、ロシア政府筋から「債券のポートフォリオからアメリカ国債の比率を下げる」とのニュースが伝わると、このところの債券市場に対する安心感に水を差した形となり、債券相場は下落して、利回りは再び上昇しました。

それまで堅調に推移していた株式市場も、資源高金利高の流れを嫌気してか、下落相場へと反転。引けにかけて発表された、アメリカ地区連銀経済報告(いわゆるベージュブック)の内容も、期待に応えるものではなかった模様で、結局相場は株安の流れを変え切れていません。

株安・債券安となったアメリカ市場は、資金の行き場がなくなり、結局は上昇した金利目当てに、キャッシュのドル買いとなっています。

ヨーロッパ通貨は対ドルで値を下げ、対円となるクロス円でも安く推移しましたが、ドル円相場はドル買い圧力と相殺された形となり、その後は小動きに推移しています。

今日11日午前の東京市場ですが、
朝方発表された本邦GDP(国内総生産)は、若干の改善内容となりました。昨日の海外株式市場が下落傾向で引けているにもかかわらず、日経平均は1万円台を目前にして底堅く推移。無事1万円台乗せを達成しています。

一方、為替市場は昨日のNY市場で進んだドル買いに対して、調整気味なドル売りで推移しています。10時半に発表された、オーストラリアの経済指標は、おおむね横ばいの、予想通りとなりました。ただ、新規雇用者数が予想より小幅改善となったことで、オーストラリアドルが対円で買われる場面もありましたが、市場全体への影響はほとんど見受けられていません。

日経平均は結局1万円台を維持できずに前場を終了。やや萎えた市場の雰囲気が、調整のドル売り相場へ若干の追い風になっている模様です。