外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

外国為替相場 昨日23日の海外市場まとめ

2009-06-24 14:45:17 | ☆外国為替を読む

金融機関の追加損失予想や、相次ぐ格付けの引き下げなどに端を発したと見える、今回の景気後退懸念が、やや唐突気味に再燃。昨日の海外市場序盤までは、投資意欲の減退傾向を継続する展開でした。

ヨーロッパ時間に入り、ドイツのPMI(購買担当者景況感指数)が悪化した内容が発表されると、ドル買い・円買いが強まり、ドル円は一時、94円台を覗き込むところまで下落。ユーロドルは1.3830、ポンドドルは、1.6210水準までドル買いが進みました。

その後ユーロ圏PMIが発表されましたが、横ばいかやや悪化した内容にも、反応は限定的となりました。またユーロドルで、22日安値となる1.2825水準を割り切れなかったことなども影響してか、相場はやや買い戻し気味に推移しました。

円高が進んだこの数日で、クロス円での下落がユーロやポンドの下落をかなり後押ししていたと思われ、調整気味に進んでいたドルの売戻しが、短期的な下落トレンドを上抜けると、調整の動きが加速しました。

上昇理由に決め手を欠くこの反転上昇でしたが、途中ウェーバー・ドイツ連銀総裁から、ECB(ヨーロッパ中央銀行)政策金利の下げが限界にあるとの談話が材料視された模様です。各相場はユーロドルを中心に、これまでのトレンドから急反転。一気にポジションを吐き出すような動きとなりました。

NY時間に入って、アメリカ国債の入札が好調となり、利回りが低下するとドルのキャッシュ離れが加速しました。
また、その後発表された、リッチモンド連銀・製造業景況指数が前回値、予想値ともに上回ったことも株式市場に好感された模様です。底堅い株式市場がドル売りの追い風となり、ユーロドルは一時1.4105水準の高値を付けました。
ドル円はその前に95.85円の高値を付けましたが、その後のドル圧力が勝り再び円高へと反落しています。

概ねドルの安値圏で迎えた東京市場は、アメリカFOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利決定会合を明日に控え、基本的には様子見。ドル円はややドル買戻し気味で緩やかに上昇しています。

それにしても、意外性を伴ったせいか、ユーロドルを中心とした反転相場には、相当参りました。
重いと仮定していた1.4000が、いとも簡単に上抜けてしまいましたね。しかも上値が1.41台とはさらに驚きました。トレンドチャンネルを上に抜けたタイミングしか、ユーロショートを手仕舞えるチャンスは無かったように感じており、ユーロを売り気で展開してきた中、一時的にはかなり有利な動きをしていただけに、残念です。

ドイツ中銀総裁による、追加景気刺激策の不要論は、ユーロショートを巻き戻すトリガーになっていたのは間違いなさそうですが、ファンダメンタルを考えると、ユーロ買いにはどうしてもたどり着きません。

要するに、下げ止まりと上昇基調への移行とは、似ているようでまったく意味が異なる内容だからです。雇用は今後悪化するとまで言っているのですから、ユーロドル上昇=投資マインドの向上と結びつけるのは早計に見えます。

出口論からもハイパーインフレを警戒する気持ちは察するとして、米国債が好調だったことに助けられた観があるドイツ債券相場にとって、自国債券を売り推奨したようにも聞こえるBUBAの発言は、ECBとのズレをも感じさせ、今後論議をかもし出しそうです。個人的には、米ドルの金利が上昇基調へ入る前に、ユーロが先に利上げすることなどはあり得ないと考えています。あとで謝るくらいなら、何も言わないでほしいですね(←想像)。