HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

The Afterglow Tour 2012 by the HIATUS at 名古屋センチュリーホール

2012年11月20日 | 細美武士/the HIATUS
2012年11月18日(日)晴

この日は本当に本当に他の日と違った。
今まで生きて来た結構な長さの人生において
これほど「人生」というものを感じるライブは
あっただろうかと思えた日だった。

まだツアー中なのでセットリストとか
ステージの雰囲気とかは書かないけれど
(終わったらまた改めて書くつもりですが)
この名古屋でしかなかったことについて書こうと思う。

まず、私のライブ人生において自分の住んでいるところから
特急を使わないと行けないような遠方でのライブに行くことは
今まで一度もなかった。ふつうのきっぷで行ける
せいぜい大阪までだった。

なのに今回なぜ名古屋まで行く事ができたのか!

実は私にはかなり長い年月いっしょにいる人がいて
その人は私にとってはとても大事な人なんだ。
その人はクラシック畑の人で声楽科卒業の人で
出会った頃は「モーツアルトがすべて」のような人だった。

ところが、私が細美武士という人と出会い、
ELLEGARDENの音楽を聴くようになり
それをある日その彼が聴くと
彼に何かが降りて来たかのようにエルレそして細美氏の
ファンになったんだ。

モーツアルトから細美武士へと彼は愛すべきアーティストを
チェンジしたんだ。

それからthe HIATUSになってもその気持ちは変わることなく
むしろクラシックをやっていた人間だからますます
the HIATUSの素晴らしさに日々感動し続けていた。

毎日エルレやthe HIATUSの曲をピアノで弾きそして歌い
一時は多くの人に聴かせていた。

残念ながら今は仕事が変わり、そのようなことは
なかなかできなくなってしまった。
しかも平日にライブなど行けなくなってしまった。

だけど、彼はどうしてもこの管弦楽と融合する
the Afterglow Tourのライブを見たかったんだ。

そこで私に日曜にあるところを探してと頼み
そしてなんとか日帰りで行ける名古屋のチケットを
取った。

こうして私は彼と名古屋で生まれて初めてライブを
見たんだ。


そのライブで細美くんがへんなこと言っていい?
って言ってこんなことを言ったんだ。
もちろん記憶の断片なので少し違っているけれど
こんなことだ。

「子どものときはさ。なんでも信じられるかんじだったけれど
大人になったら何かすごくわかんない気持ちになっても
それはただの偶然だと思うだけなんだよね。
でも、今日のこのなんだかわかんない気持ちは運命だと信じられる。
この場所にこうして今日来るためにみんなは生まれて来て
俺もメンバーもスタッフもこうしてここに来て
この日をいっしょに過ごすということは運命だったんだって。
集まってくれてありがとう。」

私は泣けました。
ほんとそうだとこの時は思いました。
私と彼がなぜここに来たのかも
みんながなぜここに来たのかも
一瀬くんの代わりになぜマキシマム・ザ・ホルモンのナオちゃんが来たのかも

みんなみんなこの日に集まることは最初から生まれ落ちたその日から
決まってたんだよ。

年齢は様々で私たちなんかかなり上のほうだけれど
それでも決まってたんだ。


名古屋センチュリーホールはこの日the HIATUSのメンバースタッフ全てと
ナオちゃんと会場のすべての人たちが集まるためにだけ本当は作られたんだよと
細美くんが言った言葉をこの日は信じられた。他の人たちがなんといおうとね。
明日からセンチュリーホールはエピローグになっても
その本編であった昨日のライブは永遠に語り継がれる名作になった。

また彼はこんなことも言った。
「生きて行く上で大事にしないといけないもの。そのひとつは友達。
いや友達につきるかな。俺はおまえらのことも仲間だと思っているからな。
そしてこんな風にこうして集まってるおまえらを見ていると
変わらないというこの世界も変えられると思うんだ。みんなで変えていこうぜ!」

the HIATUSのステージセットは今は語る事はできなけれど
素晴らしいものだった。きっと他のバンドとかがやると
「俺たちはこんなに素晴らしいんだ。」となんか押し付けられそうな
ところだけれど、the HIATUSにおいては一切そういうことがない。
みじんも無い。

彼らがどれほど純粋に音楽を愛し、音楽を聴く人を愛し、
音楽を奏でる人を愛しているかだけわかるステージだった。

ステージセットはそれをはっきり見せてくれる影のような役割すら
担っていた気がする。

まっすぐだ。
とことんまっすぐだ。
メンバーすべてがそうだ。
管弦楽のメンバーもそうだ。
女性ボーカルで参加していた坂本美雨さんもそうだ。
助っ人のナオちゃんもそうだ。

ナオちゃんが登場したときに会場があのホルモンポーズを
彼女がとったときに、即座に対応してやったのをみて
「おお!」って驚いてたけれど、
当たり前なんだよ。ナオちゃん!
だってホルモンのメンバーは細美くんにとっては
いつも仲間だもの。で、私たちも細美くんが仲間だって
言ってくれるから、ナオちゃんとも仲間なんだよ。
だからホルモンのライブに結構みんな行ってるんだよ。

そんなナオちゃんが「緊張する。中学の合唱コン以来な感じの
雰囲気!」って言って「失敗したらどうしよう」って
言ってたら細美くんは「楽しめばいいんだよ。友達は失敗はするもんだから。」

あとナオちゃんが髪の毛を名古屋巻きにカールしたと見せてたら
細美くんは「アンジェリーナ・ジョリーにしかみえねぇ。」って
言ってナオちゃん「いただきました!」って喜んでた。
ナオちゃんはこの日、美雨さんのおすすめでつけ睫毛もつけてたんだよ。

彼女とタカシ君との向き合ってのドラムセッションというか
演奏はすばらしかった。その後もナオちゃんはパーカッションとか
いろいろいそがしく演奏してたけれど、この日のために
仲間のためにいっぱい練習してくれたんだね。
それがすっごく見てて伝わって来て、そこでも泣きそうになった。

このツアーが終わったら堀江さんがthe HIATUSを去って行くんだけれど
今回の彼は今までみた中で一番楽しそうだった。
赤かオレンジかピンクかの(遠くだったのでライトの関係でよくわかんない)
シャツはとても彼を明るく若々しくみせた。あまり話さない感じのイメージだったのに
この日はマイクをもって細美くんに話しかけたりしていた。
ドラムの一瀬くんがいないから代わりに細美くんが叩くの?とかね。
細美くんは「叩けませんよ。」と言って、それからサプライズゲストのナオちゃんを
呼んだんだけどね。
堀江さんはある意味この日の指揮者みたいな存在でもあった。
グランドピアノもシンセもアコーディオンも演奏していた。
彼が去るかと思うと寂しい気がした。



アンコールの最初に細美くんがひとりで出て来たときに
マイクを置いて、生声で会場の2階席、3階席にも向かって
「聞こえますか~?」って言ったんだけれど
2階席にいた私にも十分聞こえた。
思わず「聞こえてる!」って言っちゃったけれど(笑)

そのときに細美くんは
「俺はお前らのこと本当に仲間だと思ってるから、
力合わせて(自分の掌と掌を合わせて)いろんなもんと戦ってこうね。
ほんとこんな幸せな夜はないです。生きててほんとうによかった。」って
(たぶんこんな感じ)言ってくれました。

泣かねえよって言ってた細美くんですが
アンコールの一曲目をやっているときにちょっとつまってたところが
あったんだ。でもそれでもいつもどおりに歌ってくれた。

その次のアンコールの曲との間に後ろを向いて回りにいるメンバーたちすべてに
「ほんとありがとうな。ほんとここにいてくれてありがとう。すばらしい演奏をありがとう。」というような
ことを言いながら、彼は泣いていた。ほんとうに彼はメンバーにもスタッフにも
会場にいるすべての人にありがとうを連発して、そして泣いていた。

それを見ていた私たちも泣いていた。
ほんと幸せすぎて泣いていた。
そしてここにいっしょにいる運命に感動していた。

きっと死ぬ間際に思い出すのはこのシーンなんだと思う。

ここにわたしたちは運命によって集まったというこの感覚をもった瞬間を。

大好きです。細美くん。
ほんとうに心からあなたの音楽と音楽への愛をリスペクトします。

最後に
Afterglowは「楽しい思い出、余韻」というような意味があるけれど
まさにそのタイトルを全身で受け取ったライブだった。






コメント (6)
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