往生要集上 (十楽) 四、五妙境界の楽とは、四十八願もて浄土を荘厳したまへば一切の万物、美を極め妙を極めたり。見るところ悉くこれ浄妙の色にして聞くところ解脱の声ならざることなし。香・味・触の境もまたかくの如し。・・かの世界は瑠璃をもって地となし、金の縄にてその道を界す。。。もろもろの妙衣をもって遍くその地に敷き、一切の人、天これを踏みてゆく。 ・・衆宝の国土の一々の堺の上には五百億の七宝よりなるところの宮殿・楼閣あり。・・・黄金の池の底には白銀の沙あり。白銀の池の底には黄金の沙あり。水精の池の底には瑠璃の沙あり。瑠璃の池の底には水精の沙あり。珊瑚・虎魄・車磲・馬瑙・白玉・紫紺もまたかくの如し。八功徳水の水、その中に充満し、宝の沙の映徹して深く照らさざるなし。
四辺の階道は衆宝もて合成し、種々の宝花は池の中にあまねく覆ふ。青蓮には青光あり、黄蓮には黄光あり、赤蓮・白蓮にもおのおのその光ありて、微風吹ききたれば、華の光、乱れ転く。一々の光の中にもろもろの化仏あり。微かなる瀾、廻り流れて転た相灌注す。安詳として徐に逝き、遅からず疾からず、その声微妙にして仏法ならざるはなし。或は苦、空、無我、もろもろの波羅密を演説し、あるいは十力、無畏、不共法の音を流出す。或は大慈悲の声、或は無生忍の声なり。・・・いまだ須陀洹を得ざるものは則ち須陀洹を得、乃至、いまだ阿羅漢を得ざるものは阿羅漢を得、いまだ阿惟越致をえざるものは阿惟越致を得、皆ことごとく道を得て歓喜せざるものなし。・・・もろもろの宝の羅網は虚空にあまねく満ち、もろもろの宝鈴を懸けて妙法の音を宣ぶ。・・・また如意の妙香・塗香・抹香・無量の香、芬馥としてあまねく世界に満つ。・・・菩薩にして聞ぐものは皆仏の行を修す。・・・
四辺の階道は衆宝もて合成し、種々の宝花は池の中にあまねく覆ふ。青蓮には青光あり、黄蓮には黄光あり、赤蓮・白蓮にもおのおのその光ありて、微風吹ききたれば、華の光、乱れ転く。一々の光の中にもろもろの化仏あり。微かなる瀾、廻り流れて転た相灌注す。安詳として徐に逝き、遅からず疾からず、その声微妙にして仏法ならざるはなし。或は苦、空、無我、もろもろの波羅密を演説し、あるいは十力、無畏、不共法の音を流出す。或は大慈悲の声、或は無生忍の声なり。・・・いまだ須陀洹を得ざるものは則ち須陀洹を得、乃至、いまだ阿羅漢を得ざるものは阿羅漢を得、いまだ阿惟越致をえざるものは阿惟越致を得、皆ことごとく道を得て歓喜せざるものなし。・・・もろもろの宝の羅網は虚空にあまねく満ち、もろもろの宝鈴を懸けて妙法の音を宣ぶ。・・・また如意の妙香・塗香・抹香・無量の香、芬馥としてあまねく世界に満つ。・・・菩薩にして聞ぐものは皆仏の行を修す。・・・