近くの熊野神社に「先祖の魂は子孫に伝わる」という掲示がありハッとしました。林羅山の言葉のようです。
我々は本当に先祖のすばらしい魂を自覚しているでしょうか。
私自身についていえば、私は亡父が怒った顔を見たことがありません。寒村の山寺で私生活でも、難しい檀家との間でも、筆舌に尽くしがたい苦労をしましたが一度として怒ったり、嘆いたりしたことはありませんでした。檀家の心ある人々は「今良寛さんだ」と言っていたということが死後に分かりました。
しかしこの魂を自分がしっかり受け継いでいるかといえば、慙愧に堪えないところですが、毎夕勤行時の亡父の位牌にその「魂」を感じることができる事も確かです。
また先祖の徳も子孫に伝わり、子孫の善行も先祖に伝わると言われています。
『善行は、七代先の先祖を仏にし、七代先の子孫に徳を積む。』