ダライラマは先月来日され、10月末大阪で講演、高野山で灌頂を授けられ、東北行脚されたあと11月4日横浜で法話と講演をされました。その横浜での法話と講演のポイントを記録しておきます。(スケジュールは11月4日10時からパシフィコ横浜で法話「心の変容に関する八詩頌」、13時から各國の声明、14時から講演「心を育む、絆を深め豊かな社会へ」「質疑応答」というものでした。会場には約1万5千人の老若男女が集まっていました。9割は若い女性だったように思います。日本や韓国等の僧侶の方たちや外国人も見受けられました。)
最初の「心の変容に関する八詩頌」では法王は
・タントラには仏教系と非仏教系とがある。いずれもマントラを用いることは共通だが空の瞑想を経ているかどうかで違ってくる。仏教(密教)タントラは空の瞑想の上に成り立っている。
・「菩提心」とは「空」の智慧と「利他心」である。利他行のためには形ある体が必要であり、また空を理解するためには真理の体が必要である。この2つを分けないで成就する必要がある。そうすれば釈尊の体になれる。
・各宗教は『自我』を抑えることに腐心した。キリスト教は神を立て自分は小さなものと思わせるようにした。仏教は『無我』といい一切の存在している者の実態はないとした・・
・仏教では自我(意識)に始めも終わりもないとする。キリスト教では神によりつくられ、最後の審判があるので「自我」には始めも終わりもあることになる。仏教では悟れば自我はなくなるとすることもある。
・「心の訓練する8つの教え」(ゲシェ・ランリタンバ・ドルジェ・センゲ)とは以下のようなものである。
1「私は、すべての有情のために 最高の目的を達成しようという 如意宝珠にもまさる決意によって 常に有情を慈しむことができますように」
2「誰と一緒にいるときでも 自分を誰よりも劣った者とみなし 他者を最もすぐ
れた者として 心から大切に慈しむことができますように」
3「いかなる行いをするときも、自分の心をよく調べ 自分と他者を害するだけの煩悩が 生じるやいなや真っ向から立ち向かい すぐさま力づくで退治することができますように」
4「悪い性質を持った有情たちが 悪行や辛苦に苛まされているのを見たとき 貴重な得がたい宝を見つけたかのように 得がたいものとして大切に慈しむことができますように」
5「誰かが私に嫉妬して 罵倒し 侮辱するなどひどい目にあわせても 負けは自分が引き受けて 勝利を他者に譲ることができますように」
6 「私が助けてあげて 大きな期待を寄せていた人が 理不尽にも私をひどい目にあわせたとしても その人を 聖なる師とみなすことができますように」
7「要約すると 直接的にも 間接的にも 母なるすべての有情たちに利益と幸せを捧げ 母なるすべての有情たちの 被害と苦しみを みな密かに私が引き受けられますように」
(以上7つは菩提心の章、)
8「これらのすべての修行が 世俗の8つの思惑にけがされることなく すべての現象は幻のごとき者と知って 執着を離れ 束縛から解放されますように」(これのみは「空」の章)
このあと13時より、インド、台湾、韓国、モンゴル、チベット、日本の僧俗の方々が声明等を中央のタンカに供養されました。韓国は100人くらいの法衣をきた僧侶の方たちが勢ぞろいされ、日本は曹洞宗青年会の10人ほどの僧侶な方々が力強い般若心経を3回読経されその迫力に思わず涙が出ました。それにしてもダライラマ法王の世界的力に改めて感服しました。
14時からの「心を育む」ではエゴイスチックの感情は教育により抑えていくべき。人の倫理観をもっと世界にひろめていくべき、という趣旨のおはなしでした。
最初の「心の変容に関する八詩頌」では法王は
・タントラには仏教系と非仏教系とがある。いずれもマントラを用いることは共通だが空の瞑想を経ているかどうかで違ってくる。仏教(密教)タントラは空の瞑想の上に成り立っている。
・「菩提心」とは「空」の智慧と「利他心」である。利他行のためには形ある体が必要であり、また空を理解するためには真理の体が必要である。この2つを分けないで成就する必要がある。そうすれば釈尊の体になれる。
・各宗教は『自我』を抑えることに腐心した。キリスト教は神を立て自分は小さなものと思わせるようにした。仏教は『無我』といい一切の存在している者の実態はないとした・・
・仏教では自我(意識)に始めも終わりもないとする。キリスト教では神によりつくられ、最後の審判があるので「自我」には始めも終わりもあることになる。仏教では悟れば自我はなくなるとすることもある。
・「心の訓練する8つの教え」(ゲシェ・ランリタンバ・ドルジェ・センゲ)とは以下のようなものである。
1「私は、すべての有情のために 最高の目的を達成しようという 如意宝珠にもまさる決意によって 常に有情を慈しむことができますように」
2「誰と一緒にいるときでも 自分を誰よりも劣った者とみなし 他者を最もすぐ
れた者として 心から大切に慈しむことができますように」
3「いかなる行いをするときも、自分の心をよく調べ 自分と他者を害するだけの煩悩が 生じるやいなや真っ向から立ち向かい すぐさま力づくで退治することができますように」
4「悪い性質を持った有情たちが 悪行や辛苦に苛まされているのを見たとき 貴重な得がたい宝を見つけたかのように 得がたいものとして大切に慈しむことができますように」
5「誰かが私に嫉妬して 罵倒し 侮辱するなどひどい目にあわせても 負けは自分が引き受けて 勝利を他者に譲ることができますように」
6 「私が助けてあげて 大きな期待を寄せていた人が 理不尽にも私をひどい目にあわせたとしても その人を 聖なる師とみなすことができますように」
7「要約すると 直接的にも 間接的にも 母なるすべての有情たちに利益と幸せを捧げ 母なるすべての有情たちの 被害と苦しみを みな密かに私が引き受けられますように」
(以上7つは菩提心の章、)
8「これらのすべての修行が 世俗の8つの思惑にけがされることなく すべての現象は幻のごとき者と知って 執着を離れ 束縛から解放されますように」(これのみは「空」の章)
このあと13時より、インド、台湾、韓国、モンゴル、チベット、日本の僧俗の方々が声明等を中央のタンカに供養されました。韓国は100人くらいの法衣をきた僧侶の方たちが勢ぞろいされ、日本は曹洞宗青年会の10人ほどの僧侶な方々が力強い般若心経を3回読経されその迫力に思わず涙が出ました。それにしてもダライラマ法王の世界的力に改めて感服しました。
14時からの「心を育む」ではエゴイスチックの感情は教育により抑えていくべき。人の倫理観をもっと世界にひろめていくべき、という趣旨のおはなしでした。