エルダーBP

登山 写真撮影等多趣味ですが最近は卓球で登山のためのトレーニングして 山岳写真撮影に励んでいます。

私の仕事遍歴ー6 石油ショックの巻

2011-03-07 | 日記
私がA社に入社して約2年後第一次石油ショックが発生、急遽それに対応した特別プロジェクトが発足し、技術開発研究所(所謂技術部)内の技術企画室に、技術部だけでなく各工場の生産技術からもメンバーが集結しました。
その頃は近くに住んでいる方と同乗で通勤するなど、かなり、異常事態でした。
そして最初はかなりパニックな判断をし、出来るだけ石油から出来ている、樹脂部品を廃止しようと言う意見も有りましたが、徐々に、冷静になり、結局はVE(バリューエンジニアリング)やVA(バリューアナリシス)を行うことに成りました。
各設計部署や仕入先と相談し、設計の見直しや工法の改善提案を行い、その試作部品の評価を実施し、OKなら顧客に提案し設計変更を承認して頂く活動でした。
こんな活動も約1年続くと、日本経済も冷静になり、プロジェクトは解散し、工場から来た方は元の部署に戻りましたが、私は技術企画室に残り、新たな活動を開始しました。
当時A社は自動車部品以外に、家庭機器の製造販売もしており、その現状分析とビジョンを作る企画でした。
私は家庭用ミシンを担当し、当時製造していた、安城工場に常駐し、調査、企画を行いました。
その頃、米国のS社がコンピュータミシンと称し、電子化されたミシンを市場に投入し、それが、業界で大きなインパクトになっていました。
そしてA社は米国や欧州のディストレビューター(自社ブランドを持つ現地販売会社)に対するOEM生産が中心でした。
自動車部品もOEMでしたので、A社にはマーケッティングに関するノウハウが大変貧弱で、そこに大きな問題を抱えていました。
私はこの分野を初めて勉強しましたが、得意先から提供される、仕様に従い、設計するだけでなく、自ら市場調査行い、ユーザーが求める商品を企画する考え方の重要性を経営者に説いて回りました。
そしてマーケットセグメンテーション(幾つかに分類される、それぞれの顧客が求める商品を明確にする)という考え方をミシンにも応用する提案をしました。
しかし大手の広告代理店に市場調査を依頼すると高額になるため、私は、自分でユーザーの要求を調べるアンケートを作成しこの結果を分析することにしました。
丁度その頃、T社のグループ企業で、GE社の企業戦略を研究する、プロジェクトがあり、私はその事務局を担当していました。
当時GE社(エジソンの発明を事業家することでスタートした、巨大総合電気メーカー)ではポートフォリオ戦略と称し、自社が展開していた、事業の見直しをし、業績を向上させたことで、有名でした。
そしてその頃、GEは大形コンピュータ製造販売から撤退し、大型コンピュータを通信回線を通して賃貸しするマークⅢと言う新事業を展開していました。
私は米国に有るGEの大型コンピュータシステムを使い、高額な多変量解析ソフトを購入しないでもアンケートを解析することに成功し、ユーザーが求める、家庭用ミシンのコンセプトを明確にし、A社の電子ミシンに反映しました。