噺家の師匠・椿家團路(笹野高史)と弟子たちのやり取りや、突然死に介入してきた右京と弟子たちの駆け引きなどは、面白かった……かもしれない。
パワハラ・セクハラ師匠がこれ以上晩節を汚す前に、一門全員で殺害したというのが真相。
でも、その動機が弱いし、師匠の人徳や求道心や話芸の巧妙さなど、尊敬できる点が感じられなかった。
いつか誰かに殺されるかもしれないが、弟子全員で罪を犯すとは考え難い。
高齢でがんを患っているのなら、殺人を犯すリスクの方がはるかに大きい。一門で相談するなかで、誰かが制止するのではないだろうか?高弟の小ん路(林家正蔵)に逆らえないなどの事情はあるかもしれないが…
それとも、よほどトリックに自信があったのだろうか?
でも、解剖されたら毒殺であることが明らかになる。確かに、《高座の最後、衆目の前で倒れたのだから怪しまれない。毒殺の可能性はあるが、演目のラストなので、カプセルを使用したとしてもタイミングが合わない》と考えたのかもしれない。しかし、本人が合意して倒れる振りをしたとは考えにくいが、一応、変死なので、解剖はするだろう。
今話の場合は、正義に目覚めた刑事部長が、「根拠のない司法解剖は許さない」とした為、行政解剖となったが、もしかしたら、今話のために、第10話の乱闘→仮死→新生があったのかというのは、深読みしすぎか?
でも(今回、「でも」が多いなあ)、行政解剖だと毒殺が判明しないの?犯罪による死亡とは考えていないだけで、死因を究明するのは同じなので、毒殺かどうかは分かるように思えるのだが。
そもそも、小ん路たちは、刑事部長が正義に目覚めたことは知らず、司法解剖されないとは考えないはず。
さて、今回、師匠に死んだふりの悪ふざけをさせ、それに乗っかって本当に殺害するという“被害者自身に協力させるトリック”だが、こういったトリックはよくある気がするが、こういうトリックの被り(ダブり)は仕方がないだろう。
ただし、今話においては、上記の殺害動機の弱さに加え、その他の推理も貧弱だった。
カビの生えた和菓子が1か月も放置されていたことから、女性にセクハラで訴えられていたことにたどり着いたが、普段の動線とは外れた位置に置かれていたとはいえ、1、2日ならともかく、普通部屋の掃除をするはずで、気がつかないのが不思議。
怪路(遠山悠介)の師匠の死の悲しみ方が臭い芝居だとか、駄々々團(水沢林太郎)の破門の理由が食い違う云々のやり取りもモタモタしていたし、右京の想像のみで一門たちを追い詰めていただけだったのも不満。師匠の死が他殺だと疑う根拠もなかったような……
今回、笹野高史さんが演じた椿家團路の良いところを描かずパワハラ・セクハラ三昧というクズ。その上、噺家の世界の古い気質・体質を描いていたが、落語協会からクレームがつかないのだろうか?
第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話、第8話、第9話、第10話、第11話(元日SP)、第12話
【ストーリー】番組サイトより
人気落語家が高座のさなかに客前で絶命
ただ一人、事件性を疑う右京の勝算とは?
噺家の椿家一門の師匠である椿家團路(笹野高史)が、公演中、高座で古典落語『死神』をやっているさなか、突然倒れ、そのまま息を引き取った。
『死神』は、今にも消えそうなろうそくが、「お前の寿命だ」と死神に宣告された男が、死神から渡された新しいろうそくに火を移そうとするが、うまくいかず、そのまま命を落とすという演目。團路は、そのオチの部分で、高座に倒れ込む“仕草”をしたまま、動かなくなってしまったのだった。
團路は高齢の上、がん闘病中で余命宣告を受けていたことから、病死と判断されたが、たまたま現場に居合わせ、一部始終を目撃した右京(水谷豊)は、事件性を疑う。亘(反町隆史)や捜査一課の面々は、右京の見立てに半信半疑だったが、それでも右京には確信があるようで、独自の捜査を始める。
調べると、團路の周囲には、弟子たちをまとめる小ん路(林家正蔵)、團路のセクハラに悩んでいた路里多(立石晴香)のほか、テレビでの活躍に苦言を呈されていた弟子や破門されたばかりの若手など、クセモノ揃いの弟子たちがいて…!?
舞台上で倒れた落語家の死は、病死か殺人か!?
疑惑の渦中には、それぞれに動機を抱えた弟子たちが…
右京が落語になぞらえた“死神”の正体を暴き出す!
ゲスト:林家正蔵 立石晴香 笹野高史
脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
パワハラ・セクハラ師匠がこれ以上晩節を汚す前に、一門全員で殺害したというのが真相。
でも、その動機が弱いし、師匠の人徳や求道心や話芸の巧妙さなど、尊敬できる点が感じられなかった。
いつか誰かに殺されるかもしれないが、弟子全員で罪を犯すとは考え難い。
高齢でがんを患っているのなら、殺人を犯すリスクの方がはるかに大きい。一門で相談するなかで、誰かが制止するのではないだろうか?高弟の小ん路(林家正蔵)に逆らえないなどの事情はあるかもしれないが…
それとも、よほどトリックに自信があったのだろうか?
でも、解剖されたら毒殺であることが明らかになる。確かに、《高座の最後、衆目の前で倒れたのだから怪しまれない。毒殺の可能性はあるが、演目のラストなので、カプセルを使用したとしてもタイミングが合わない》と考えたのかもしれない。しかし、本人が合意して倒れる振りをしたとは考えにくいが、一応、変死なので、解剖はするだろう。
今話の場合は、正義に目覚めた刑事部長が、「根拠のない司法解剖は許さない」とした為、行政解剖となったが、もしかしたら、今話のために、第10話の乱闘→仮死→新生があったのかというのは、深読みしすぎか?
でも(今回、「でも」が多いなあ)、行政解剖だと毒殺が判明しないの?犯罪による死亡とは考えていないだけで、死因を究明するのは同じなので、毒殺かどうかは分かるように思えるのだが。
そもそも、小ん路たちは、刑事部長が正義に目覚めたことは知らず、司法解剖されないとは考えないはず。
さて、今回、師匠に死んだふりの悪ふざけをさせ、それに乗っかって本当に殺害するという“被害者自身に協力させるトリック”だが、こういったトリックはよくある気がするが、こういうトリックの被り(ダブり)は仕方がないだろう。
ただし、今話においては、上記の殺害動機の弱さに加え、その他の推理も貧弱だった。
カビの生えた和菓子が1か月も放置されていたことから、女性にセクハラで訴えられていたことにたどり着いたが、普段の動線とは外れた位置に置かれていたとはいえ、1、2日ならともかく、普通部屋の掃除をするはずで、気がつかないのが不思議。
怪路(遠山悠介)の師匠の死の悲しみ方が臭い芝居だとか、駄々々團(水沢林太郎)の破門の理由が食い違う云々のやり取りもモタモタしていたし、右京の想像のみで一門たちを追い詰めていただけだったのも不満。師匠の死が他殺だと疑う根拠もなかったような……
今回、笹野高史さんが演じた椿家團路の良いところを描かずパワハラ・セクハラ三昧というクズ。その上、噺家の世界の古い気質・体質を描いていたが、落語協会からクレームがつかないのだろうか?
第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話、第8話、第9話、第10話、第11話(元日SP)、第12話
【ストーリー】番組サイトより
人気落語家が高座のさなかに客前で絶命
ただ一人、事件性を疑う右京の勝算とは?
噺家の椿家一門の師匠である椿家團路(笹野高史)が、公演中、高座で古典落語『死神』をやっているさなか、突然倒れ、そのまま息を引き取った。
『死神』は、今にも消えそうなろうそくが、「お前の寿命だ」と死神に宣告された男が、死神から渡された新しいろうそくに火を移そうとするが、うまくいかず、そのまま命を落とすという演目。團路は、そのオチの部分で、高座に倒れ込む“仕草”をしたまま、動かなくなってしまったのだった。
團路は高齢の上、がん闘病中で余命宣告を受けていたことから、病死と判断されたが、たまたま現場に居合わせ、一部始終を目撃した右京(水谷豊)は、事件性を疑う。亘(反町隆史)や捜査一課の面々は、右京の見立てに半信半疑だったが、それでも右京には確信があるようで、独自の捜査を始める。
調べると、團路の周囲には、弟子たちをまとめる小ん路(林家正蔵)、團路のセクハラに悩んでいた路里多(立石晴香)のほか、テレビでの活躍に苦言を呈されていた弟子や破門されたばかりの若手など、クセモノ揃いの弟子たちがいて…!?
舞台上で倒れた落語家の死は、病死か殺人か!?
疑惑の渦中には、それぞれに動機を抱えた弟子たちが…
右京が落語になぞらえた“死神”の正体を暴き出す!
ゲスト:林家正蔵 立石晴香 笹野高史
脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
最近の輿水氏は、この手のイロモノというかネタ回的な話が多いですね。私は『相棒』以外の輿水氏の作品はほとんど見ないので、全般的にこの傾向なのかは分からないのですが。
今回の話に関しては、途中で「クリスティの某有名作品」同じオチだなというのは何となく予想できました。
ただ本編を見る限り、師匠はろくでもない人間で、弟子たちがいくら師匠へのリスペクトを口にしても嘘っぽく感じられました。
ちなみに、昨日は放送がお休みだったのですね。『ミラクル9』がなかなか終わらないので、おかしいなと思っていました。
>今回の話に関しては、途中で「クリスティの某有名作品」同じオチだなというのは何となく予想できました。
ええ、私も同様でした。
他作品と同展開と言えば、season17 第1話(https://blog.goo.ne.jp/ei666/e/51d55988e8b7d7348d3815694fe5e144)、2話(https://blog.goo.ne.jp/ei666/e/8ef60bb5077153e03c6cc9b567f80f59)「ボディ」もそうでしたね(『刑事コロンボ』の「パイルD3の壁」)。
長期に亘るシリーズなので仕方がないのかもしれませんし、トリックなどが同様でも、ドラマとして素晴らしければ、OKのような気もします。(故意のパクリはダメですが)
輿水氏は、ここ数年、さえない作品が多いです。
season16 第20話(最終回SP)「容疑者六人~アンユージュアル・サスペクツ」で言及していますが、(https://blog.goo.ne.jp/ei666/e/a3fdeda993acf6c6c0a3c82fa94f354e)
その後も低空飛行で、重大インシデントに相当しそうな回もありました。