英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『嫌われる勇気』 第3話「人生は他者との競争ではない」

2017-01-27 19:41:08 | ドラマ・映画
大文字(椎名桔平)が青山(加藤シゲアキ)に謎を掛ける
~競争の中に、事件を紐解くヒントがある~

          …………だったが、ズレていた気がする……………………(2話までの感想はこちら

【今週の大文字の講義】
「アドラーは、より優れた存在であろうとする優越性の追求については、人間の普遍的な欲求だとして認めている」
「優越性の欲求とは、自ら足を前へ一歩踏み出す意志のことであって、他人よりも上を目指そうとする競争の意思のことではありません。
 つまり、誰とも比較せず、競争することもなく、ただ前を向いて歩いて行けばいいんです。

 今回の事件は、それが出来なかったことによって生まれた悲劇です」

 被害者の吉野沙織(数学教師)と真犯人の美子(恵の母親)は、恵に自分の価値観を押し付けていただけだった。それが高じて、殺人事件に至ってしまった………という図式
 沙織も美子も自分の劣等感を隠すため、なりたかった理想の自分を恵に重ねた。沙織は虚構の空しさを感じ、ネットで恵の悪口を吐き続け、美子は沙織に自分の低学歴をなじられ、娘はクラスメイトから嫌われていると否定され、逆上しナイフで沙織を突き刺してしまった。
 蘭子は
「恵を通して、自分の生き直しをしようとしていた。そのじゃまになる沙織をあまりに安易なやり方で除外しようとしただけだ」
と言及。

 しかし、沙織の部屋に貼られていた“恵と沙織が楽しそうに笑っている写真”を剥がし、握り潰したあと、ナイフを手にしたシーンからは、≪娘への独占欲の邪魔者の沙織を排除したい≫≪仲良く笑っている写真を見ての嫉妬心≫と私には感じられた。
 

【サブ講義】
「私の顔を気にしているのは、私だけ」(自分が思うほど、人は自分を見ていない)
 蘭子に苛立ちを感じる監察医・めい子に、大文字が贈った言葉。
 蘭子への対抗心を捨て、素直に蘭子に向き合うようになった…かな?

~嘘つき青山、優等生ぶる青山~
 めい子が青山に蘭子への不満をぶつけるのに対し
「確かに庵藤さんは身勝手だし、手が掛かります。一緒にいて腹が立つこともしょっちゅうです。
 でも、僕は庵藤さんに勝ちたいと思ったことはありません。だって、一緒に事件を解決していく仲間ですから」

 おいおい……蘭子に(柔道で)投げられ、ムキになって何度も挑んでいたぞ。
 大文字の講義(准教授・土方のフォローもあり)の受け売りだよね。


【今週のダメ押し】
「どうして、お母さん、助けちゃったんだろう?」
真犯人の母に捜査が及ばないよう、犯行現場に偽装を施し、嘘の証言をした恵の呟きに対し、

「それはあなたの弱さです。結局はお母さんと離れる勇気がなかったんです。
 お母さんに反抗していたのも、お母さんに認めてほしかったから。
 本当に自立していれば、反抗などしません」
と、ダメを押す蘭子。

う~ん………≪(理由はともかく)自分の為に一生懸命になってくれた母親を見捨てられなかった≫ではダメなんだろうか?

一応、優等生ぶりたい青山がフォロー。
「あの人はちょっと、言葉足らずのところがあってね。
 “あなたはこれから、誰のものでもない自分の道を選んで、まっすぐ前を向いて歩いて行けばいい”
 きっと、そう言いたかったんだと思うよ」(准教授の受け売り)


 脚本家が1、2話と違うせいなのか、蘭子(香里奈)がこなれてきたせいか、こちらが慣れてきたのかは、分からないが、視聴中の抵抗感は薄れてきた。
 でも、今回のタイトルもそうだし、「競争の中に、事件を紐解くヒントがある」という謎掛けも、内容とはズレている。大文字の講義内容は含蓄があるのだが………



【ストーリー】番組サイトより
 名門女子高の数学教師・吉野沙織(上野なつひ)が自宅マンションで殺害された。部屋は荒らされ、財布、パソコン、携帯電話などが持ち去られていることから、浦部(丸山智己)は強盗殺人だろうと推測。沙織の教え子で、遺体の第一発見者の仁科恵(高月彩良)は、犯人らしき男を見たと証言した。蘭子(香里奈)は、小宮山(戸次重幸)と浦部からの事情聴取を終えた恵に声をかけた。なぜ沙織のマンションを訪ねたのか、と聞く蘭子に、恵は、事件とは関係ない、と言い放つ。
 沙織を司法解剖しためい子(相楽樹)は、右の手のひらに赤いかぶれのようなものがあると報告。早急に原因を調べてくれ、とそっけなく返す蘭子に、それが人に物を頼む態度かと、いら立ちをあらわにする。めい子は、蘭子に不満を募らせていて、それを大文字(椎名桔平)に相談していた。
 蘭子は、青山(加藤シゲアキ)と沙織が勤めた高校へ行き、恵の同級生に話を聞いた。沙織が優秀な教師で生徒からも信頼されていたこと、特に恵と親しかったことなどを確認。一方、恵は入学以来学年トップの成績だが、同級生の誰とも交流をしていないことがわかった。
 その後、蘭子と青山は恵の自宅を訪問。母親の美子(霧島れいか)は、恵が学業でとった数々の賞状やトロフィーのに驚く青山に、恵が優秀なのは自分ではなく夫に似たせいだろうと話した。娘のため、自分にできることは何でもしてきたと話す美子に、蘭子はある違和感を抱く。

脚本:大石哲也
演出:及川拓郎
コメント (2)
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