英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season15 第12話「臭い飯」 【追記あり】

2017-01-19 20:49:01 | ドラマ・映画
臭い飯を食う………
 一般に、 「囚人となり刑務所の飯を食う」(意訳的に)「刑務所に入れられる」こと。(by 「コトバンク」など)
 「臭い飯」という訳は、簡易トイレしかない服役囚の部屋のにおいが漂う中で食事をすることから来ているようだが、実際に「麦飯と白米」のブレンド米は独特の匂いがするらしい。ホリエモンによるとホリエモン「ヘタなシャバの飯よりよっぽど美味い」らしい。


★冠城と亀井(笹野高史)の食事論
「“刑務所の飯を臭い飯”って言うだろ。あれ、俺から言わせたらウソ。
 本当の臭い飯は、一人で喰うわびしい飯のこと」(by 亀井)
「上手いモノは独りで食っても旨いです。いや、むしろ一人の方がしっかり味わえます」(by 冠城)

この論議に、幸子がオチを付ける。
「何を食べるのかも大事ですが、誰と食べるのかも大事だと思いますよ」

 亀井が本当に食べたかったのは、おはぎ。
 しかも、妻が作ったおはぎを家族揃って食べることだった。



★シャバ(娑婆)は地獄か?
(上述の≪“臭い飯”…“孤独”を感じて食べる飯は不味い≫は、“娑婆は地獄”に繋がる)

「俺にすりゃあ、シャバは地獄だぁ。前科者の烙印を押されてみりゃあ分かるよ。
 家族からも目の敵にされるんだぜえ。就職すりゃあ色眼鏡で見られて、前科があるとわかれば、まともに息も吸わせてもらえねえ」(by 亀井)

「確かに、刑務を終えた前科者をこの社会が受け入れる余裕を持てずにいることは事実でしょう。
 しかし、あなたの家族や、何より、犯罪の被害者となった方々は、もっと苦しんでいるかもしれませんよ。彼らには刑務所と言う逃げ場もなく、このシャバで苦しみながら生き行くしかないんですよ。
 彼らのことを思えば、すべてを社会の不寛容のせいにして済む話ではありません
 塀の中に逃げていては、何にも変わりませんよ。前科者だからこそ、塀の外で強く生きなければならないんです。前科者だからこそ、必死に生きなければならないんですよ」(by 右京)


 亀井の取り調べが始まったのは昼下がり。日が傾き、夕陽が部屋に射し込み、右京の言葉が、亀井の心に突き刺さった時には、部屋が薄暗くなっていた。
 冠城がスイッチを入れ灯りを点ける。(ちょっと、時間の経過が速過ぎ)

「今度、シャバに戻ったら、また僕のところに来てください。
 僕で良ければ食事ぐらい、つき合いますよ。その時は、あなたの好きなおはぎでも一緒に食べましょう」


 ドラマの核心部分は、非常に良かった。
 しかし、刑期を終えて社会に復帰しようとした時、前科者への社会の不寛容さによるアリ地獄感の描写がなく、亀井の言葉のみだったので“シャバは地獄”感は薄かった。躊躇なく無銭飲食を繰り返している様子には、まったく共感できなかったし。
 思うに、冠城と女性オーナーシェフ・しおり(入山法子)の恋話は不要で、しおりの食品偽造告発は簡単に流して、その分を亀井の過去を掘り下げた方が良かった。
 そのうえ、しおりの一連の行動は、ストーリー(社長のアリバイ証明や冠城の失恋)のため、“取って付けた”感が強かった。 


 今回の脚本は池上純哉氏
 氏は、season14 第18話「神隠しの山」season14 第19話「神隠しの山の始末」によって、“要注意脚本家”から“警戒脚本家”に格上げされている。
 氏の脚本は、たまに“まずまず”の時がある。今回は“まずまず”の回(上から目線で申し訳ありません)。笹野さんの演技に助けられた感もある。
 

【疑問に感じた台詞】
「素行の悪い者も中にはいたかもしれませんが、それは元受刑者に限った話ではないでしょう。
 一般社会にも同等な確率で、不届き者がいるものです」……“素行の悪い者”と“不届き者”と程度は違うかもしれないが、“同等な確率”と言ってしまうのは乱暴。

「あの人、ちょっと傲慢なところはありますけど、根はやさしくて、虫一匹殺せないような人なんです。
 偽装だって、会社の為を思って、泣く泣くやったことです」……“恋は盲目”とは言え、あの社長の所業を見ていると、とても“根はやさしい”とは思えない。


【追記】
 前話では「目撃情報なし」、今話は「遺体が白骨」で、捜査一課のイタミン達は、ほぼ立っているだけ。
 『科捜研の女』を観ると、一課の無能さを激しく感じてしまう。
  

【ストーリー】番組サイトより
大手企業の食品偽装疑惑を白骨化した遺体が告発!?
カギを握るしたたかな累犯受刑者が右京と亘を翻弄する!


郊外の廃倉庫で白骨化した遺体が発見され、捜査一課に捜査要請が入るが、骨だけでは調べようがないため、特命係が捜査を押しつけられる。骨の発見現場にやってきた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、廃品に紛れた遺留品から米の入った袋と紙片を発見。その紙片には、「大手米穀販売会社・タキガワが、主食用の米に加工用米を混ぜて販売している」という主旨の告発が書かれていた。また、骨髄から摘出したDNAの型から、遺体の人物に前科があったことが判明。遺体は、蜂矢(稲健二)という中年男性で、3年の服役の後、協力雇用主制度を利用してタキガワに再就職した人物だった。協力雇用主制度とは、元受刑者の社会復帰を促すために、彼らを雇用した企業に補助金が支給される仕組み。亘が法務省時代、策定にかかわった制度でもあった。

蜂矢は、タキガワの不正を告発しようとして殺されたのではないかという疑惑が浮上する中、右京はタキガワで雇用されていた元受刑者のリストから、蜂矢の失踪と同時期に「逮捕による懲戒処分」という理由で退職している人物を発見。問題の男は、塀の中と外を行ったり来たりしている、亀井(笹野高史)という年老いた累犯受刑者だった。右京と亘は、刑務所を訪れて亀井から話を聞くが、「自分は殺しとは関係ない」と言うばかりで要領を得ない。いっぽう、亘が行きつけにしているレストランの女性オーナーシェフ・しおり(入山法子)にも疑惑が。しおりは、食材アドバイザーとしてタキガワの経営にもかかわっていたのだが、食品偽装の疑いが持ち上がる直前、タイミング良くタキガワから身を引いていた。そんな中、右京と亘は刑期を終えて出所してきた亀井に接触。しかし、亀井は特命係の2人ですら手を焼く老かいな人物で…!?

元受刑者の死と食品偽装疑惑の繋がりとは?
亘が入れあげる女性シェフにも“ある秘密”が!?
特命係が社会のひずみでもがく人々の思いに切り込む!


ゲスト:笹野高史 入山法子

脚本:池上純哉
監督:杉山泰一
コメント (2)
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2017都道府県対抗女子駅伝 その3

2017-01-19 00:19:01 | スポーツ
「2017都道府県対抗女子駅伝 その1」「その2」 の続きです。

 2区終了時、京都がトップ。3秒差で2位神奈川、3位千葉22秒差、4位埼玉29秒差、5位茨城30秒差、6位長野31秒差、7位山梨33秒差と僅差で続き、以下8位岐阜38秒差、9位愛知40秒差、10位静岡42秒差。
 群馬は59秒差の19位、兵庫は1分17秒差の22位、大阪は1分49秒差の33位。

【3区】3km
 経験の少ない中学生にとって、沿道の観客の多さ、中継地点の関係者の混雑など危険要素が多く、中継ミスやペース配分を間違えるケースも多い。また、勢いに乗って爆走する選手も多く、3kmと短い区間ながら、思わぬ差がつく区間である

 中継地点での雪は白の密度を増してきている。
 3位でタスキを受けた千葉・風間の3000mのベストタイムは9:24:42。このタイムは2016年の中学女子のランキング2位(出場した中学生ランナーではトップ)。昨年は8区で2位。追い上げが期待されるが、走り始めた直後にアクシデント。先着した2区の選手が毛布にくるまれて運び出されていたが、それに行く手を遮られる形で接触。軽い接触で肉体的ダメージはなかったようだが、タイムは2秒弱ロス、動揺もあったかもしれない。
 「ラストぉ~、ラストっ!」とひときわ大きい声で先輩ランナーに声を掛けていたのは、愛媛の西原。走る前に疲れてしまわないかと危惧してしまったが、09:27.56の持ちタイムはランキング3位らしい。タスキを受け取ると、勢いよく飛び出していった。

 タスキを受けて1kmまでは、1位の京都・小林(09:37.20・ランク10位)と2位神奈川・矢野(10:09.60)の差は中継時とほとんど変わらなかったが、1kmを過ぎて差が開き始めてきた。小林は小柄だが、蹴りが大きく力感あふれる走りだ。3位の千葉・風間の姿は大きくなってきている。トップ京都との差は13秒差まで詰めてきている。
 4位は埼玉・高橋(09:58.49)で、その背後にぴったりと5位茨城・高橋(09:51.07)。
 6位には岡山・山本が11位から順位を上げてきている(5位茨城から目測50m)。山本は全国中学駅伝1区区間賞、昨年8区3位で、3000mは09:28.98のランキング5位。
 その後方20mには長野と熊本と愛知、やや離れて静岡の姿も見える。
 左折して丸田町通りに入る(残り750m)。2位神奈川・矢野との差は14秒に広がり、その背後に2mに3位の千葉・風間が付けている。
 
 雪が激しさを増してきた。目を開けているのも困難なようだ。

 残り500m地点で、千葉・風間が神奈川・矢野の前に出る。京都の小林をアップで捉えている第1放送車の画面には千葉・風間の足しか映っていないが、その足取りに強さを増してきているのが窺える。

 第3中継所でも、京都がトップでタスキを渡す。
 2位は千葉で10秒差。3位神奈川は20秒差
 岡山がさらに順位を上げ4位で26秒差(7人抜き)。5位は埼玉で31秒差、6位茨城は34秒差。7位熊本、8位群馬もその1秒遅れでなだれ込んだが、熊本・堤は8人抜き、群馬・不和(9:36:85・ランク9位)は11人抜きの快走だった。
 9位~12位もトップと38秒差の同タイムでなだれ込む。9位福岡(4人抜き)、10位鹿児島(7人抜き)、11位静岡、12位長崎。さらに、13位長野39秒差、14位愛知も40秒差と一団と言って良い状態。

 3区終了時
1位     京 都  41:46
2位 (▲1)千 葉  0:10
3位 (▼1)神奈川  0:20
4位 (▲7)岡 山  0:26
5位 (▼1)埼 玉  0:31
6位 (▼1)茨 城  0:34
7位 (▲8)熊 本  0:35
8位(▲11)群 馬  0:35
9位 (▲4)福 岡  0:38
10位(▲7)鹿児島  0:38


 順調に京都がトップに立っているという印象だが、14位の愛知まで40秒差の小差で、優勝の行方は全く分からない状況。10秒の僅差で2位千葉。3位は神奈川で20秒差。
 出遅れていた群馬が、不和の11人抜きの快走で8位に浮上。トップとの差も59秒から35秒差へと詰め、逆転の望みも大きくなってきた。
 兵庫も小林が7つ順位を上げ15位。1分12秒差と前区より6秒詰めたが、前を行く14位との差が30秒以上あるのが、追い上げ難さを増している。
 大阪は順位を一つ下げ34位。1分59秒差、優勝は相当難しくなった。

 3区区間順位  区間記録:髙松 望ムセンビ 9:10 31回(2013年)
1位 不破 聖衣来(大類中)群馬    9:23
2位 西原 愛華(新居浜西中)愛媛   9:27
3位 山本 晏佳吏(琴浦中)岡山    9:29
4位 原田 まりん(田崎中)鹿児島   9:30
5位 堤 好伽(山鹿中)熊本      9:34
6位 風間 歩佳(旭中)千葉      9:35
6位 木村 梨七(向陽台中)宮城    9:35
8位 小倉 稜央(海南中)和歌山    9:37
9位 河邊 茉琴(当仁中)福岡     9:39
9位 濵添 麻那(琴海中)長崎     9:39
9位 小林 璃々(羽ノ浦中)徳島    9:39


 群馬を優勝圏内にまで引き上げた不和が区間賞を獲得。2位は中継所で先輩に大きな声援を贈った愛媛の西原。3位の岡山・山本もチームを3位に浮上させる快走だった。
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