衆議院の定数削減問題が先延ばしされようとしています。 民主党野田党首(トウシュ)が自民安倍総裁(キャッチャー)にボール(衆院解散)を投げた際(3年前の2012年11月)の条件だったにもかかわらず…
衆議院定数削減の最近の動きは、1月14日、衆院議長の諮問機関、衆議院選挙制度に関する調査会、が衆議院議長に下記の答申をしたことに始まりました。
内容は、
・定数は10減の465(小選挙区6減+比例区4減)とする
・10年ごとにアダムズ方式で都道府県別の定数を算出する
・5年ごとにも一票の格差をチェックし 格差が2倍以上あれば 各選挙区の境界を2倍未満にまで調整する とするものでした。
注)アダムズ方式とは、米第6代大統領だったアダムズ氏が唱えた、人口に何議席を配分するかを算出する方式で、人口をある定数(ある定数とは各選挙区の人口をある数Xで割り、商の小数点を切り上げて合計が総定数に等しくなるようなXを見つけてこれを‘ある定数’とするもの)で割って議席数を計算するもの。
国民の意見の意味ということで 最重要な事案にもかかわらず、現在この答申案の扱い方は中途半端に置かれてる。
・自民党は、人口の少ない地域の議席数が減るとして賛成できない、とする一方、
・直近(2010年)の人口調査は震災で変わっていて次期国勢調査まで人口比をかぞえる定数の見直しを先延ばしすべき、としているようだ。
・マスコミは、そもそも現行の衆議院定数ベースは、一人別枠方式(人口比の議席数を算出する前に先ず各都道府県に1議席を与える方式)で配分されていて、これが2011年の最高裁判決で見直されているもの故、小数点切り上げ方式の算出方法は、あとから1議席を与えるようなもので、先に1議席を与える一人別枠方式と何ら変わらず、法の趣旨に合わないとしているようだ。
・公明党は、次期国勢調査を反映した定数の改定は 2022年になるとして、これでは遅すぎだとし 独自案を出すとする。
何で独自案なのか?
そもそもの定数の削減目標は?
一票の格差の目標値は?
衆院議員定数が地域への公平性と人口への公平性をまぜこぜにしているのでは?
現 国会でなぜ取り上げられていない?
現 議員(国民の代表者)は なぜ皆 定数見直しに逃げ腰なのだろうか?
米国議会のように 地域別選出議員(上院=外交・軍事担当)と 人口別選出議員(下院=福祉・税制担当)に分け、 衆参も同様にしたらどうだろう。
ごちゃ混ぜで 解きづらい現行定数より 定数の見直しが容易になり、定数削減にもつながり、財政赤字削減にもなるような気がする。
取りあえず、せっかくの諮問機関の答申案、各党の‘公式’な見解を TV 中継(衆院予算員会)で是非聞きたいもの…