カンボジア経済

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汚れたドル紙幣の交換問題 手数料無料で交換へ

2024年08月05日 | 経済
 7月21日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、シェムリアップ州の金融機関に対し、汚れたり切れていたりする状態の悪い米ドル紙幣について、手数料を徴収せずに交換するよう指示しました。金融機関には、NBCのシェムリアップ支店で、状態の悪いドル紙幣を無償で新札に交換できると通達しました。
 これまで、状態の悪い米ドル札を受け取ってもらえなかったり、交換時に高額の手数料を取られたりすることが問題となっていました。特に外国人観光客から不満が出ていたとのことです。この問題について、観光促進の観点から、フン・マネット首相が7月18日に対応策を検討するようNBCに指示していました。この指摘を受けて、7月21日にNBCのチア・スレイ総裁が手数料の無料化について、シエムレアプ州の銀行や金融事業者を集めた会合で発表したものです。
 NBCは金融業界に対し、両替商やホテル、飲食店、小売業者等に、米ドル札の無料交換について周知するよう要請しています。また、現金自動預払機に、100ドル札の代わりに20ドル札、50ドル札を多く準備するよう指示しました。
 8月2日、フン・マネット首相は、この対応策を評価するとともに、シェムリアップ州での試みが成功した場合には全国に対応を広げたいと述べています。また、国民に対しては、自国通貨リエルの使用促進を呼びかけました。
 カンボジアは高度にドル化された経済で、市中に流通する現金の8割がドルとなっています。リエルは、少額取引や農村部の取引で使用されています。NBCとしては、中央銀行デジタル通貨バコンの利用を拡大することにより、リエルの使用促進を進めたいとしています。なお、脱ドル化は、非常に難しい政策の一つであり、10年・20年といった時間をかけてゆっくりと進めることが重要であるというのが他国の事例からの教訓となっています。NBCも「脱ドル化」という言葉を避けて「リエルの使用促進」を使っており、慎重にドルからリエルへの転換を進める意図があるものと見られます。
(写真は、NBCのフェイスブックより)

カンボジア国立銀行の発表(クメール語です)
https://www.nbc.gov.kh/english/news_and_events/press_releases_info.php?id=207


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2024年08月05日 | 一般
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