カンボジア経済

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JETRO 世界貿易投資動向 カンボジア版発表

2020年12月04日 | 経済
 12月1日、日本貿易振興機構(JETRO)は、世界貿易投資動向シリーズ(旧世界貿易投資報告国別編)カンボジア版を発表しました。カンボジアの経済・貿易・直接投資動向を豊富なデータを用いて分析した年次レポートです。
 2019年については、「実質GDP成長率は7.0%となり、2010年以降7%前後の高い成長率を維持している。主要輸出品目である縫製品および履物、革製品の輸出拡大が高成長に寄与した。また、国内では高級ホテルや高速道路、新空港などのインフラ投資建設が相次いでいることや観光客が増加したことが経済成長を後押しした。」と分析しています。
 しかし、2020年は新型コロナの大きな影響を受けているとしています。「IMFによると、2020年のGDP成長率は10月時点でマイナス2.8%と予測されている。新型コロナウイルスによる世界経済の低迷と同年2月に発表され8月に実施されたEUによる特恵関税制度「武器以外全て(Everything But Arms:EBA)」の一部停止の影響を受け、カンボジア縫製業協会(GMAC)は、7月時点で、250の縫製工場が操業停止、13万人の労働者が失業していると発表、2020年の売り上げは前年比50~60%減少を予想している。観光業はGDP全体の12%を占めているが、新型コロナの影響で7月現在、観光関連企業約3,000社が閉鎖、4万5,000人が失業している。」としています。
 また、日本からの投資も落ち込みも顕著で、2020年1月~6月にかけて日系企業の投資はSEZ内ではQIP認可はなく、SEZ外では、カンボジアおよび米日3カ国による観光業関連の合弁事業が1件のみとのことです。
 カンボジア経済は輸出・観光・海外投資等が主力で、海外への依存度が高く、世界経済全体の回復がない限り、カンボジア経済も本格的な回復が望めない構造となっています。2021年後半と見られる世界経済の本格的回復まで、苦しい時期が続くものと見られます。

JETROのサイト
https://www.jetro.go.jp/world/asia/kh/gtir.html


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