カンボジア経済

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フン・セン首相 日本に高架鉄道建設支援を要請へ

2017年08月15日 | 経済
 新聞報道等によりますと、日本を訪問したフン・セン首相は、プノンペン中心部とプノンペン空港を結ぶ高架鉄道「スカイトレイン」の建設への支援を日本に要請したいと述べたとのことです。この事業については、今年中にも国際協力機構(JICA)の支援でフィージビリティ調査が開始される予定となっており、約1年で調査が完了する見込みです。フン・セン首相としては、カンボジアで東南アジア競技大会(SEA Games)が開催される2023年までに建設を完成させてほしいと希望している模様です。
 現在の案では、プノンペン中心部のセントラルマーケット付近から、シャルルドゴール通りを南西に向かい、オリンピックスタジアム前からインターコンチネンタルホテル近くを通り、ストゥン・ミエンチェイからヴェン・スレン通りを西に向かい、空港の南から西を通って、国道3号線と4号線が分岐するチャムチャオ・ロータリーで4号線に入って北東に向かい、プノンペン空港に至る路線を、自動案内軌条式旅客輸送システム (Automated Guideway Transit: AGT)で結ぶものです。AGTは、東京のゆりかもめのようなシステムで、普通の鉄道に比べて輸送力は見劣りするものの、建設コストや運営コストが安く済むという利点があります。事前調査では、建設総コスト8億ドル程度(約880億円)と見積もられています。
 プノンペンでは、公共交通手段としてバス路線の拡充が進められていますが、渋滞対策の観点からは、高架鉄道は効果的な対策と見られます。ただ、総コストが大きいため、運賃収入だけで建設コストまでフルリカバリーすることは、簡単には達成できないものと見られます。このため、日本の地下鉄やJRで導入されて効果をあげている「駅ナカ」(駅構内の商店街)や広告収入の活用等の対策も重要となるものと見られます。
(写真は、ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線)

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