E-styleより

素敵な人、素敵なこと、素敵なもの…

お箸セミナーご報告

2012-08-12 | E+素敵セミナー
8/10、8/11と両日合わせて21名様のご参加を賜り、E-style+素敵セミナーvol.14を開催いたしました。
今回のテーマは「お箸」
JR六甲道にあるお箸のオーダーサロン「ことほぎや」さんに伺いました。
蔦の絡まる素敵な佇まい。ワクワクどきどき、テンション上がります。



一歩店内に入ると「凛」とした空気が流れる和のモダン空間。



冷たいおしぼりをご用意いただき、しばしクールダウン。
この時間と空間がなんとも言えないワクワク感を感じさせてくれます。
奥にあるスペースに移動、さぁいよいよセミナーがスタートします。







講師は神戸箸屋&ことほぎやのオーナーである大田淳子さん。



レジュメの1ページ目に書いてあった言葉が感動的です。

-お箸のこと-
 日本人にとってのお箸
  日本人の人生 ある意味で箸に始まり 箸に終わるとも言えます。
  生後まもなく お喰い初めの儀式で箸を使い  
  亡くなったあとの葬儀では箸を使ってお骨を拾います。
 
  今の時代にも 食事の前に両手を合わせます。
  その合わせた両手の親指と人差し指の間にお箸を挟むこともあります。
  そして「いただきます」と祈りを形にあらわします。

  この日本の文化を再認識するとともに
  毎日使うお箸の事に少し思いを寄せていただければと思います。

このお話からスタートしたのですが、すでにウルッとしてしまう感じです。
改めて色んなことに「気づかされ」「気づき」ました。
食べ物に感謝して残さないように大切に頂いてきましたが
それを口に運んでくれる食具=箸にどれほど心を込めて感謝してきたかというと
お恥ずかしい話ですが、日々の忙しさやひとりでの食事となると
簡単に割り箸で済ませていることも多々ありました。

お茶碗、湯呑みと一緒でお箸は
個々の人に所有される「属人器(ぞくじんき)」。
「お父さんのお茶碗、お母さんのお湯呑み、私のお箸…」というように…

めずらしい取り箸の数々。







大皿や大鉢にこの取り箸が添えられて出てきた時、
きっと「わぁ、何? これ? 面白い形ね。何でできてるの?」いろんな会話が広がると思います。
取り箸がトーキンググッズ、素敵なフィギュアーにもなります。

こちらは屋久杉の土埋木(どまいぼく)土埋根(どまいこん)でできた取り箸です。



土埋木とは?
江戸時代、屋久杉は屋根を葺く平木の状態で薩摩藩に年貢として治められました。
平木に割るには木目が素直でないといけないので、
木目が複雑に入り組んでいる根元の部分は避けて、地上2m程度のところから伐採されました。
その切り株は現在でも残っており、屋久島の森に独特な景観を生み出しています。
この切り株を土埋木(どまいぼく)といいます。
現在、屋久杉の伐採は禁止されているので、工芸ではおもにこの土埋木を使っています。

箸には丸、四角、五画…と形状も様々。
大田さんが持ちやすいですよとおっしゃたのが「小判形」と「亀甲形」




女性のたしなみとして「所作が美しいお箸の持ち方・扱い方」も教えていただきました。



90分のセミナー時間があっという間に過ぎてしまうほど興味深いお話ばかり。
まだまだ名残り惜しい気持ちですが、お時間となってしまいました。

「一客一箸 ことほぎや」
お誕生、結婚、銀婚式、金婚式、還暦…
大切な方への人生の節目のお祝いやさまざまなお祝いにお箸を誂え、
贈る新しい提案をさせているサロン。

店頭の方に移動しながら、棚のディスプレイなども見学させてもらいます。



オーダーサロンのお箸はプレゼントする時に
オリジナルの桐箱に入れ、風呂敷で包むそうです。



昨今、エコということで簡易包装が主流ですが
「特別なもの」は大切に包んで差し上げるというのが古来日本のよき文化。
ことほぎやさんはそんな物に込められた心を美しく包んで贈る風習や
日本の美意識を大切にしたいとおっしゃっていました。

-風呂敷について-
進物を「風呂敷」で包むのは、清浄であることを大切にする心があります。
包みを解き、汚れのない状態でお渡しするというしぐさが相手に対する敬意を表しているのです。
また「風呂敷」は、どのような形状や大きさのものも一枚の布で包むことができます。
何度でも使えるので、最近ではエコロジーの観点からも見直されています。

90分間、タイムスリップしたような錯覚にも陥る、そんなとっても貴重な時間でした。

暑い中、ご参加くださった皆様、有難うございました。
2011年夏の心洗われるような想い出の一日になりました。

大田様、オープランニングの皆様、本当にありがとうございました。





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