キーホルダーを売るカンボジアの女の子_0001.wmv
アンコールワットの遺跡を訪ねると、
あちらこちらでこうした子供たちが寄ってくる。
中でもこの女の子はなぜか印象的だった。
ボクに、目で訴えかけてきている。
しかし、
いつものクセが出た。
外国へ行くと、
特に発展途上国では、妙にセコくなる自分がいる。
急に大阪のオバちゃんになったかのように
値切り倒す。
だいたい相手が最初にいい出した値段の半額を目安とする。
外国人観光客には、倍額で吹っかけてくる場合が多いからだ。
この時も、6個綴りのキーホルダーが
最初7ドルから始まって
あっという間に、4ドルまで下がった。
そして、件(くだん)の女の子が寄ってきた。
裸足(はだし)だった。
最初、買う気は全くなかったが、
不思議にこの子からなら買ってもいい、
イヤ、買ってあげなければならない、
という気になった。
ただ、
「3ドルだったら買うよ」 と
いつもの値切り癖で、
シビアな値段がボクの口から突いて出た。
女の子は、一瞬悲しそうな表情を浮かべたが、
3ドルで同意した。
そして、ボクが3ドルを渡すと、
彼女はか細い声で、
「4ダラー」
とつぶやいた。
「No!」
ボクは冷たく突き放して、
キーホルダーを受け取った。
そして、
してやったりと、
最初のいい値の半額以下に値切った自分を誇らしげに思いながら
待っていたトゥクトゥクに乗り込んだ。
そのあと、
急激な後悔の念が湧きあがってきた。
アー、ボクはなんてことをしたんだろう、と。
10歳だといったあの女の子は、
このキーホルダーを一体いくらで仕入れたんだろうか。
2ドルだろうか、3ドルだろうか。
3ドルだったら、彼女は原価でボクに売ったことになる。
最後に彼女が、4ダラーといったのは、
1ドルが彼女にとってのわずかな利益だったのかもしれない。
後で親に怒られはしないだろうか。
彼女の顔を思い出すと、
ボクは申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
なんとケチくさいことをしたんだろう。
この国は、
1ドルあればレストランで食事をすることだってできる。
ボクはゲーム感覚だったかもしれないが、
彼女にとっては、死活問題だったのだろう。
トゥクトゥクが切る風を受けながら
目頭が熱くなった。
ごめんね、
今度行って、
もしもまた会うことができたら、
お詫びをしたい。
イヤ、
彼女に会うために、
ボクはも一度ここへ戻らねばならないだろう。
アンコールワットの遺跡を訪ねると、
あちらこちらでこうした子供たちが寄ってくる。
中でもこの女の子はなぜか印象的だった。
ボクに、目で訴えかけてきている。
しかし、
いつものクセが出た。
外国へ行くと、
特に発展途上国では、妙にセコくなる自分がいる。
急に大阪のオバちゃんになったかのように
値切り倒す。
だいたい相手が最初にいい出した値段の半額を目安とする。
外国人観光客には、倍額で吹っかけてくる場合が多いからだ。
この時も、6個綴りのキーホルダーが
最初7ドルから始まって
あっという間に、4ドルまで下がった。
そして、件(くだん)の女の子が寄ってきた。
裸足(はだし)だった。
最初、買う気は全くなかったが、
不思議にこの子からなら買ってもいい、
イヤ、買ってあげなければならない、
という気になった。
ただ、
「3ドルだったら買うよ」 と
いつもの値切り癖で、
シビアな値段がボクの口から突いて出た。
女の子は、一瞬悲しそうな表情を浮かべたが、
3ドルで同意した。
そして、ボクが3ドルを渡すと、
彼女はか細い声で、
「4ダラー」
とつぶやいた。
「No!」
ボクは冷たく突き放して、
キーホルダーを受け取った。
そして、
してやったりと、
最初のいい値の半額以下に値切った自分を誇らしげに思いながら
待っていたトゥクトゥクに乗り込んだ。
そのあと、
急激な後悔の念が湧きあがってきた。
アー、ボクはなんてことをしたんだろう、と。
10歳だといったあの女の子は、
このキーホルダーを一体いくらで仕入れたんだろうか。
2ドルだろうか、3ドルだろうか。
3ドルだったら、彼女は原価でボクに売ったことになる。
最後に彼女が、4ダラーといったのは、
1ドルが彼女にとってのわずかな利益だったのかもしれない。
後で親に怒られはしないだろうか。
彼女の顔を思い出すと、
ボクは申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
なんとケチくさいことをしたんだろう。
この国は、
1ドルあればレストランで食事をすることだってできる。
ボクはゲーム感覚だったかもしれないが、
彼女にとっては、死活問題だったのだろう。
トゥクトゥクが切る風を受けながら
目頭が熱くなった。
ごめんね、
今度行って、
もしもまた会うことができたら、
お詫びをしたい。
イヤ、
彼女に会うために、
ボクはも一度ここへ戻らねばならないだろう。