にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

新型コロナでは「症状がなくてもマスク着用」が良いかもしれません

2020-04-26 17:40:34 | 病気のはなし
これまで、インフルエンザをはじめとする感染症の流行時には、マスクの着用は鼻や喉の加湿効果と咳エチケットの観点からお勧めしてきました。
その理由は、インフルエンザでは、ウイルスの排出が発症直前から始まり、感染性のピークは発症後1日時点とされているからで、何の症状もない人がマスクを着用する必要は特にないと考えていましたが、今回の新型コロナウイルス感染症ではちょっと違うようです。

というのは、新型コロナでは、発症の2-3日前から感染性があり、発症直前がピークであることが分かってきたからです。
このことを言い換えると、潜伏期間から感染力がある=まだ症状が出ていない人からも感染する!ということです。

もちろん症状が出ていない人の大部分は新型コロナに感染していない人なのですが、潜伏期間中の人との区別は不可能なため、誰もが「自分も感染しているかも」と考えて行動することが大切であり、その意味から「症状がなくてもマスクを着用したほうが良い」という考え方ができるのです。

ただしこれは「周囲の人に感染させないため」の方策であって、「マスクを着用すれば自分が感染しない」ということではありません。
自分の感染を防ぐには、他者との接触(特に三密環境)を可能な限り避けることと、石鹸手洗いやアルコール消毒でウイルスを自分の中に入れさせないことが大切です。

まだまだ長い戦いになります。
不安も沢山あると思いますが、不安感を一人で抱え込まずに周りのみんなと支え合い、電話やSNSなどを賢く利用してコミュニケーションを取り合って、毎日を笑顔で過ごせるように工夫していきましょう。

こんな時だからこそ、五感を使った遊びを!

2020-04-26 10:03:42 | つれづれ
自分の回りの様々な情報を記憶したり、その意味を理解したりする、認知や情報処理という脳内の働きは人それぞれ違っていますが、いくつかのパターン分けができるそうです。
研究者によっても違いがあるのですが、私が以前講習を受けたのは、
 ●視覚優位: 視覚情報に敏感、見て覚えるタイプ
 ●聴覚優位: 聴覚情報に敏感、聞いて覚えるタイプ
 ●体感覚優位: 触覚・味覚・嗅覚などの情報に敏感、触って覚えるタイプ
の3つに分けるもので、おおざっぱには、「会話時にこの3つのうちのどの感覚を使った表現が多いか」で見分けます。

私は視覚優位のようで、音で入ってくる情報の理解が苦手で(だから英語もリスニングが超苦手なのか??)、道順記憶などは目印を見つけてたどる感じです。
皆さんや皆さんの家族はどのタイプに該当しましたか?

察しの良い方にはもうお分かりのように、人には得手不得手があり、「自分のやり方が人によっては理解しにくい場合がある」ということです。
そのためには、相手がどういうタイプなのかということも考えてコミュニケーションをとる必要がありますね。
私が受けた講習では、例えば「夢中になって話をしている相手に話を止めてもらうには」という課題では、相手のタイプに合わせて
 ●視覚優位: 開いた自分の手を相手と自分の顔の間に出して「ちょっと待って」
 ●聴覚優位: 大きな声で「ちょっと待って!!」と言う
 ●体感覚優位: 相手の肩や手などに触れて「ちょっと待って」
と、入力しやすい伝達方法を使うということを学びました。

とは言っても、自分の優位なルートの情報だけがあればよいというものではありませんし、その情報を認知(理解)するためには経験や知識も必要になります。
特に子どもについていえば、どのタイプなのか(あるいは優位の程度)が必ずしも固定されているとは限りません。
だからこそ、子どもにはいろいろな情報(感覚)の体験を増やしてあげる必要があります。
絵本を見ながら声を出して読んであげる、走り回ったりおもちゃで遊んだりする、美味しいものを食べる、、、
たとえ外出ができない今でも、テレビやビデオ、ゲームなどの偏った経験値にならないように、全身・五感を使った遊びを一緒に楽しんでくださいね。