にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

胃腸炎が増えてきています

2021-05-15 12:05:53 | 病気のはなし

下北地区では新型コロナは何とか流行にならずに済んでいますが、胃腸炎がチラホラと出てきていて、他院でノロの診断を受けたお子さんもいるようです。
胃腸炎にかかったときに大切なのは、まずは嘔気が落ち着くまでゆっくり胃腸を休ませてあげることです。
脱水を心配したり、本人が欲しがるからと言って、無理に水分を摂らせて嘔吐を繰り返しているケースが少なくありません。
嘔吐は長くても半日程度、今年は数回程度で落ち着くケースが多いようなので、慌てずにそこまで待ってあげましょう。
嘔吐が止まったようならば「ペットボトルのキャップやティースプーン1杯」くらいから水分摂取を始め、その後徐々に増やすようにしましょう。
ある程度の水分が摂れるようになったら食事もOKですが、赤ちゃんのお腹に戻ったと思って、消化に良いものをごく少量から始めてください。
ウイルスの排泄は、口からは1-2週間、便からは3-4週間続くとされているので、症状が落ち着いても、食器等の消毒、おむつ処理などに注意が必要です。
ノロ、ロタ、アデノなどという種類によって治療や家庭での対処法に違いが生ずるわけではないので、基本的にウイルス検査は不要です。
多くの胃腸炎ウイルスにはアルコール消毒は無効なので、汚物は熱湯や塩素による消毒で対処してください。


こんな時だからこそ、ありがとうの気持ちで手を取り合って

2021-05-02 09:51:22 | つれづれ

いつまで経っても収束の時が見えてこないコロナの流行に、次第に世の中が荒んできているように思えます。

マスク無しで出歩く奴が悪い、レジャーや会食など何を考えている、重症化しやすい高齢者は外に出るな、イベントなどもってのほか、この程度の重症者ですぐに医療ひっ迫になるのはおかしい・・・

自分はこんなに頑張って、我慢しているのに、何であいつらは、、、

きっと、あれもダメ、これもダメ、そんなことやっていると、、、と、ひたすら耐え忍ぶことを延々と要求され続けているため、次第に自分の心が耐えきれなくなってきて、鬱憤晴らしのように他人を責めることしかできなくなっているのだと思います。

でも、そんな風に犯人捜しのようなことをいくら続けても、結局良い方向への変化は起きてきません。

苦しい時だからこそ、一人一人が今自分が出来る感染予防策をしっかり行いながら、その努力を互いに認め合って、ちょっとしたことにでも「ありがとう」という気持ちで回りと手を繋ぎ合って乗り越えることが今必要とされているのではないでしょうか。

月明りもない夜の暗闇は恐怖を呼びますが、決して明けない夜はないのですから。

       ※画像は釜伏山で花芽を伸ばし始めたマイヅルソウ


運動するなら空腹時、特に朝がお勧めです

2021-05-01 09:57:10 | 病気のはなし

前回「コロナ太り??本当にそうですか?」で食事の話をしましたが、今回は運動の話です。

「頑張って運動しているのに全然体重が減らない」っていうお悩みを持つ人が少なくありませんが、これ勘違いが原因のことが多いんです。

何が勘違いかって、それは『運動するタイミング』。

食べたら運動と考えていませんか?

残念ながら食べた後の運動では、まずは摂った食べ物の栄養(主にブドウ糖)を燃やしてしまうため、お腹や二の腕などにため込んだ脂肪を燃やし始めるには随分と長い時間が必要になってしまいます。

それに対して食べる前の運動なら、血中のブドウ糖が少ないため、早くから脂肪を燃やし始めることができるのです。

というわけで、健康的にダイエットが目的ならば運動は空腹時、中でも朝一番がお勧めです。

ただし一つ注意が必要なことがあります。

血中にブドウ糖が沢山ある状態で運動すること慣れている人は、脂肪を燃やす回路が眠ったままの状態になっているため、すぐには脂肪をエネルギーに作り変えて使うことができません。

そのため空腹時に激しい運動をすると、エネルギー供給が間に合わずに体調を崩してしまうことがあるのです。

最初は少し早歩きで散歩をする、階段を上り下りするなど、空腹時に身体を動かす習慣作りから始め、次第に運動時間や運動強度を上げていくようにしましょう。

さあ、あなたも今日から朝の運動始めてみませんか?